セレンディピティ日記

読んでいる本、見たドラマなどからちょっと脱線して思いついたことを記録します。

皇后様もミン・ジョンホも勝手だな

2005-09-24 00:35:14 | チャングム
チャングムは皇后様から皇太子で前皇后の子を治療にかこつけて殺すように命じられた。難病にかかっていて余命が長くないと思われている皇太子でもいったん王位に就いた時、皇后とその子が権力を失うことを恐れたためだ。とすると、皇后が王様の病気をあれほど心配していたのは、皇太子の庇護者である皇太后とオ・ギョモが健在な今、王様が亡くなればすぐに皇太子が王位についてしまうことも関係しているのかもしれないと思えてくる。
皇后様はチャングムに命を救ってやった恩を返せという。また、チャングムを失いたくないと言う。
でも確かに皇后様はチャングムが王様の治療記録を持ち出してネシブ(内侍府)につかまって抹殺されようとした時、助けてくれたが、それは王様の病気の原因を解明する事との交換条件であった。だからチャングムがその交換条件を果たしたのだから、皇后様に恩着せがましく言われることはない。また、チャングムに不当なことを要求してそれを拒否されたからといって、あたかも第三者のようにチャングムを失いたくないとはおかしな言いぐさだ、断られたなら、「そうか無理なことを言ってすまなかった。忘れてくれ。」というのが本当だろう。権力者というものは、自分の利益のために他人を利用したことまで、恩を着せてやった思いこむ性質があるらしい。

ミン・ジョンホはチャングムに一緒に逃げてと言われて、辞表を出してくるから1日待ってくれと言った。これは正しい。だって役人が職務放棄して逃亡したら重罪だから追っ手がかかるもの。でも退職届をだしてそれですむのかな。現実では、退職願をだしてから、王様の退職の許可がでるまで待たねばならないはず。でもこれはドラマだから硬いことはいわずにパスする。
でも問題はミン・ジョンホがチャングムのために簡単に退職と職務違反をしたりすること。以前にもチャングムが済州島に流刑になったとき、役所に退職届をだして済州島までチャングムを追っていった。このときは上司が退職届を握りつぶして済州島に転勤扱いとした。恋のために職をなげうつなんて素敵という意見もあるだろう。ふつうなら僕も「おお!やるじゃない。」と讃えるところだが、ミン・ジョンホの場合はひっかかるものがある。
ミン・ジョンホは国政刷新の為ずっとオ・ギョモヤチェ・パンスルを追求していたのではないか。また仲間を増やすため、隠棲している元役人を説得して回っていたではないか。政争に飽いて家族と共にひっそり暮らして人たちを、それでは国のためにならないと説得していたのではないか。でも自分は愛するチャングムと小さな薬局をやりたいなどと言う。ミン・ジョンホの行動は矛盾しているな。すこしは愛と社会的責任との間で迷えといいたい。
でも自分の感じることは素直に行動に移せるのはよいことかもしれない。一度なにか大義名分を言い訳にすると人格が崩壊していくこともある。

硫黄アヒル事件の量刑

2005-09-18 23:52:39 | チャングム
死んだはずの医務官長が出てきて証言したので、硫黄アヒル事件の真相があばかれ、互いに罪をなすりつけあっていたチェ女官長もオ・ギョモも罪を問われた。医務官長が刺客におびえてミン・ジョンホに頼んで心の整理がつくまで死んだふりをした理由は納得できるが、あの時のムシロの死体と妻と娘の嘆きはなぞのままで終わった。
ところで、この機会をねらっていた反オ・ギョモの役人によるチェ・パンスルやオ・ギョモの屋敷の家宅捜索で贈収賄や密貿易の余罪も暴露された。
で、崖から落ちて死んだ女官長は別として関係者それぞれに刑が下された。でもなんかおかしい。オ・ギョモの流刑は刑が軽すぎる気がするが、政争による凄惨な殺し合いに王様が倦んでいるからそうなったかもしれない。
結果的には連行の途中で死んでしまったけど、チェ・パンスルのに落とされて鉱山労働とは重いのか軽いのか。というのは直接に手を下したのではないが、手下の刺客にユン尚官を口封じに殺させた。女官とはいえ王様の宮中に仕えるかなり地位の役人を殺したのだから打ち首は当然なのだが、死刑ではなくに落としての労働とは釈然としない。逆に高齢者に鉱山労働とは事実上の死刑なのになぜきっぱりと死刑にしないのか。二重におかしな量刑なのか、それともなんらかの絶妙の量刑なのか。ひょっとしたら、贈収賄の一方の当事者のオ・ギョモを死刑ではなく流刑にしたかっので、釣り合い上チェ・パンスルを死刑にできなかったので、名目上は流刑で実質死刑にしたのか。量刑の官民格差?
チョン・ユンス医務官長と医女ヨリは職を解かれて宮中から追放。これってすごく軽い気がする。王様や皇后(なぜ皇后?王妃か后が正しいのでは)の主治医だったのだもの、高額な治療費を払っても受診したい人がいっぱいいるはず。医師免許が無くなっているのではと言う懸念があるが、この時代に医師免許があるかな。と、言うのは日本でも江戸時代まで医師に特別な資格はない。医師だと看板をあげればその時から医師だ。
クミョンにいたっては、おめでとうと言いたい。クミョンも職を解かれて宮中から追放。でもクミョンはもともと女官になりたくなかったがチェ一族の宿命で女官になった。チェ一族が崩壊したいまチェ一族の呪縛から解き放たれたわけだ。この時代に純粋な料理店が可能かどうか自信はないが、もし可能なら、王様の料理を作った腕ということで繁盛する料理店ができるぞ。出資者はすぐ現われるぞ。またミン・ジョンホはだめだけど女官でなくなったので結婚も自由なのではないか。今ミン・ジョンホはだめと書いたけど、可能性もあるぞ。職務上チャングムがミン・ジョンホと結婚できない場合、ミン・ジョンホは他の女性と結婚しなければ子孫を残せない。これは儒教社会では大問題。それならクミョンが立候補したらよい。ミン・ジョンホもクミョンに「すまない」といっていたし、チャングムも自分がミン・ジョンホと一緒になれない定めならいいと言うかもしれない。
ア!王様の主治医は女官でないから結婚してもよいのか?このドラマの結末はどうなっているのか。ハッピーエンドならチャングムとミン・ジョンホの結婚もありえるわけか。

どんでん返し、でもまた謎がでてきた。

2005-09-10 21:23:12 | チャングム
チャングムが医局長の遺書を持っているのは嘘だった。ところが、チャングムが医局長の遺書を持っているという話は、ヨンセンにより王様にまで伝わった。
「チャングムは何と愚かなことをしたのだ。賢いようでも女は前後も考えず行動するのか?」と思いかけたら、偽取材メモの朝日新聞の記者を思い出したのでそれは男女に関係ないと思い直した。でも、チャングムにしてはおかしい。
そうこうする内に、チャンゴグムが遺書を持っていないなら、逆にこれを利用しようと、チェ女官長が医局長の遺書を偽造して、オ・ギョモにアヒル事件の責任を全部負わせようとした。筆跡は医局長のものと鑑定されるのだから、チェ一族は筆跡の偽造の専門家も抱えているのか?
でも最後のどんでん返し、なんと医局長は生きていてチャングムやミン・ジョンホとともにアヒル事件の審理の部屋に現われた。チャングムの遺書所有発言もこういう背景があったのか。
しかし医局長、むしろを掛けられた死体があり、そばで妻と娘が泣いていたけど、あれは何?演技?それともよく似た死体?死んだふり?

先週のチャングムの気付いた点

2005-09-04 17:04:31 | チャングム
チャングムが医局長の遺書を持っていると言って、チェ女官長とクミョンに前非を悔いて自ら罪をあかさなければ、この遺書を皇后様に渡すと脅かした。2人の命が助かるためにはそれしかないとチャングムは言った。
チェ一族の相談では、①チャングムが帰ったあと、すぐ家人に内緒で家を出て自殺したので遺書を書く時間が無かったはず、②チャングムへ遺書をどのようにして送ったかが不明、ということで、医局長の自殺でアヒル事件の解明に打つ手がなくなったチャングムによるブラフ(オールインのポーカーにでてくる用語)だという結論になった。
さてチャングムは「遺書はありますよ」というけど、本当にあるのなら上の2点の謎はどうなるのか次回の結論待ちというところ。

チャングムが解明した王様の病気の原因は砒素の含まれた温泉の水を飲んだ乳牛のミルクであった。アレ?アヒル事件の時、毒物であるイオウを食べたアヒルの肉を王様に食べさせたのが病気の原因と糾弾されてハン尚官とチャングムは処罰された。毒物とそれを食べた食用動物の関係が反対だ。偶然か意図的かおもしろい符合だね。

チャングムとミン・ジョンホが医局長宅を訪問した時、庭に怪しい人影があった。それは医局長を暗殺しようとしたチェ・パンスルの手下の刺客だけど、日本刀を手にしていたね。
日本刀があるのは不思議ではない。倭寇の影響で軽くて使いやすい日本刀が大陸にもこの時期かなり入っていた。日本刀は扇子と並ぶ中世日本の中国への主要な輸出工業製品だ。
中国には著名な詩人による「日本刀歌」とかいう詩が残っているそうだ。中国の古典通俗小説の「児女英雄伝」では、美少女仮面ポアトリンではなく美少女戦士セーラームーンでもなく、エーットそうそう美少女剣士の十三妹(シーサンメイ)が日本刀を背中に掛けていた。十三妹もよく屋敷に忍び込んでいたような気がするが、チェ・パンスルの手下の刺客も忍び込んだりするので日本刀の愛好者なのだろう。