このところ国も名古屋市も、「由良の門を渡るふな人かぢをたえ」ではないがこれからどうなるかもわからない。
小沢氏が民主党代表選に出馬する。そうすると小沢総理の誕生まで突き進みそうだ。でもそれで日本の政局はつかのまでも安定するのかな。すぐ政界再編のカオスが始まりそうだ。
名古屋市議会側の市長候補として民主党市議団が出馬要請していた元犬山市長で衆議院議員の石田芳弘氏がどうやら要請を断るみたいだ。石田氏は風貌が小泉元首相に似ていて、地元(犬山市)では人気のある政治家だ。石田氏は来年改選の愛知県知事選挙に立候補に名乗りを上げていたが、民主党市議団の要請にちょっと色気をみせた。でも地元の後援会に相談したところ、河村市長に勝てる可能性が低いうえに、地元(犬山)を捨てて余所(名古屋)の市長になるのかと言われたらしい。
擁立に動いたのは民主党市議団だけど、石田氏が名古屋市長候補になれば一番助かるのは自民党の愛知県連だ。民主党は中央の指示で首長選挙での自民との相乗り選挙は禁止されている。だけど自民党が単独で候補者を立てても民主王国の愛知では民主党の候補には勝てない。そこで自民党は民主党の候補に勝手に相乗りするしか地方議会で与党になる方法がない。来年の知事選の民主党の候補志願者には石田氏のほかに自治官僚出身で元県総務部長の御園氏がいる。御園氏が民主党に志願したのは自民党では勝てないから。自民が相乗り戦略を取ろうとしても、民主党の衆議院議員である石田氏では相乗りは難しいし名分が立たない。御園氏の場合は支持しやすい。名古屋市長選では反河村ということで民主党の国会議員である石田氏を支持する名分が立つ。
民主党市議の中から逆に市長不信任の声もあるが、不信任が可決しても対立候補が立てられなければ、対立候補を用意しなくて田中康夫知事を不信任議決して大恥かいた長野県議会と同じになる。
市議会リコールの署名活動は今日からだ。でもどうなるだろう。ほんとうに「行方もしれぬ」だね。
ところでリフレ派の策動が活発化している。先週21日の『ウエークアップ・プラス』で番組の終り頃にゲストの経済評論家がグラフを持ち出して「10年ぐらいの間に通貨量がアメリカとイギリスで2倍になっているのに日本は1倍のままだから円高になる」という珍妙な話をしていた。通貨量が2倍だと相対的にドルの価値が1倍のままの円より価値が2分の1になるということらしい。わかりやすいがトンデモ説である。そばで『日本経済の真実』の著者(の1人)である辛坊治郎が笑って立っていた。辛坊治郎もこの評論家に反論したいだろうが、ゲストと論争しては生放送の番組が収まらないからだまっていたのだろう。そうそう23日の『TVタックル』でもリフレ的な発言があった。
わかりやすいがトンデモ説といえば、デフレ脱却国民会議なるものの設立趣意書だ。
http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/2010/08/post-70ab.html
その最初に
「日本の長期停滞の原因はしつこく続いている『デフレ』という現象です。経済というのはモノとお金のバランスによって成り立っています。しかし、お金の供給を長いこと怠ってしまうと、そのバランスが崩れ、お金が極端に不足します。
すると、人々はモノよりもお金(紙幣=印刷された紙)に執着する現象が発生するのです。この現象がデフレです。」と書いてある。
さっそく池田信夫氏がそのブログでかみついた。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51471198.html
「『お金が極端に不足』するというのは、資金需要が供給を超過するということだが、この場合は(お金の価格である)金利が上がるはずだ。しかし今、長期金利は1%を切る水準で、日銀の政策金利は事実上ゼロである。これは資金が供給過剰になっているということにほかならない。この趣意書を書いた人物には、この程度の初歩的な経済学も理解できないらしいから、ていねいに説明しておこう。・・・・・
ここに署名している(数少ない)マクロ経済学者である岩田規久男氏と浜田宏一氏は、この趣意書を読んだ上で署名したのだろうか。だとすれば『お金が極端に不足』しているとき、どうして金利がゼロに張りついたままなのか、教えていただきたいものだ。」
学識豊かで頭脳明晰な池田信夫氏ならずともこの趣意書の文面はおかしいと思う。「お金が不足」するから「お金に執着」するのか?たしかに個々の家庭や個人の場合では収入や預金が少なくなると、つまり月給日の前はお金の支出を抑えざるを得なくなる。だからこの趣旨書はわかりやすいと言えば分りやすい。でもこの場合は社会全体のこと。もし個々の家庭に政府がお金を配ってくれるというなら、子ども手当てとか地域振興券等と言う例があるがそれは財政政策。デフレ脱却国民会議がもくろんでいるのは日銀がジャブジャブお金を刷るという金融政策。金融政策では直接は個々の家庭の金不足には関係ない。だからわかりやすいがトンデモ説なのだ。池田氏が懸念するように、岩田氏と浜田氏はこの趣意書をよく読んでなくて、とにかくリフレ派の国民運動の設立だからと署名したのであろう。あるいは正しくない論理だが、国民を扇動するには間違っていてもわかりやすい方がよいと思っただろうか。だとしたら悪魔的だなあ。
ちなみに人々が支出を控え貯金するのは、将来展望が不透明で不安だからである。それは日本の産業が市場に合わせた産業転換をおこなわず、つなぎの融資と人件費等の費用の削減で生きながらえようとしているからだ。
国のありかたをそれぞれの価値観で作っていこうという9条の会などの運動なら賛否は別としても理解できるが、日銀当局が理論的経験的にとってはいけないと思っている金融政策を、嫌がらせや外部圧力で強いろうとするのは、戦前に日中戦争や三国同盟に批判的懐疑的な人間を黙らせて戦争政策を進めようとする軍国主義勢力と同じだ。だってリフレ政策は間違っているというと、「あなたは失業者で困っている人をほっとくのですか」とあたかも非国民のように言うんだもの。
小沢氏が民主党代表選に出馬する。そうすると小沢総理の誕生まで突き進みそうだ。でもそれで日本の政局はつかのまでも安定するのかな。すぐ政界再編のカオスが始まりそうだ。
名古屋市議会側の市長候補として民主党市議団が出馬要請していた元犬山市長で衆議院議員の石田芳弘氏がどうやら要請を断るみたいだ。石田氏は風貌が小泉元首相に似ていて、地元(犬山市)では人気のある政治家だ。石田氏は来年改選の愛知県知事選挙に立候補に名乗りを上げていたが、民主党市議団の要請にちょっと色気をみせた。でも地元の後援会に相談したところ、河村市長に勝てる可能性が低いうえに、地元(犬山)を捨てて余所(名古屋)の市長になるのかと言われたらしい。
擁立に動いたのは民主党市議団だけど、石田氏が名古屋市長候補になれば一番助かるのは自民党の愛知県連だ。民主党は中央の指示で首長選挙での自民との相乗り選挙は禁止されている。だけど自民党が単独で候補者を立てても民主王国の愛知では民主党の候補には勝てない。そこで自民党は民主党の候補に勝手に相乗りするしか地方議会で与党になる方法がない。来年の知事選の民主党の候補志願者には石田氏のほかに自治官僚出身で元県総務部長の御園氏がいる。御園氏が民主党に志願したのは自民党では勝てないから。自民が相乗り戦略を取ろうとしても、民主党の衆議院議員である石田氏では相乗りは難しいし名分が立たない。御園氏の場合は支持しやすい。名古屋市長選では反河村ということで民主党の国会議員である石田氏を支持する名分が立つ。
民主党市議の中から逆に市長不信任の声もあるが、不信任が可決しても対立候補が立てられなければ、対立候補を用意しなくて田中康夫知事を不信任議決して大恥かいた長野県議会と同じになる。
市議会リコールの署名活動は今日からだ。でもどうなるだろう。ほんとうに「行方もしれぬ」だね。
ところでリフレ派の策動が活発化している。先週21日の『ウエークアップ・プラス』で番組の終り頃にゲストの経済評論家がグラフを持ち出して「10年ぐらいの間に通貨量がアメリカとイギリスで2倍になっているのに日本は1倍のままだから円高になる」という珍妙な話をしていた。通貨量が2倍だと相対的にドルの価値が1倍のままの円より価値が2分の1になるということらしい。わかりやすいがトンデモ説である。そばで『日本経済の真実』の著者(の1人)である辛坊治郎が笑って立っていた。辛坊治郎もこの評論家に反論したいだろうが、ゲストと論争しては生放送の番組が収まらないからだまっていたのだろう。そうそう23日の『TVタックル』でもリフレ的な発言があった。
わかりやすいがトンデモ説といえば、デフレ脱却国民会議なるものの設立趣意書だ。
http://kazuyomugi.cocolog-nifty.com/private/2010/08/post-70ab.html
その最初に
「日本の長期停滞の原因はしつこく続いている『デフレ』という現象です。経済というのはモノとお金のバランスによって成り立っています。しかし、お金の供給を長いこと怠ってしまうと、そのバランスが崩れ、お金が極端に不足します。
すると、人々はモノよりもお金(紙幣=印刷された紙)に執着する現象が発生するのです。この現象がデフレです。」と書いてある。
さっそく池田信夫氏がそのブログでかみついた。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51471198.html
「『お金が極端に不足』するというのは、資金需要が供給を超過するということだが、この場合は(お金の価格である)金利が上がるはずだ。しかし今、長期金利は1%を切る水準で、日銀の政策金利は事実上ゼロである。これは資金が供給過剰になっているということにほかならない。この趣意書を書いた人物には、この程度の初歩的な経済学も理解できないらしいから、ていねいに説明しておこう。・・・・・
ここに署名している(数少ない)マクロ経済学者である岩田規久男氏と浜田宏一氏は、この趣意書を読んだ上で署名したのだろうか。だとすれば『お金が極端に不足』しているとき、どうして金利がゼロに張りついたままなのか、教えていただきたいものだ。」
学識豊かで頭脳明晰な池田信夫氏ならずともこの趣意書の文面はおかしいと思う。「お金が不足」するから「お金に執着」するのか?たしかに個々の家庭や個人の場合では収入や預金が少なくなると、つまり月給日の前はお金の支出を抑えざるを得なくなる。だからこの趣旨書はわかりやすいと言えば分りやすい。でもこの場合は社会全体のこと。もし個々の家庭に政府がお金を配ってくれるというなら、子ども手当てとか地域振興券等と言う例があるがそれは財政政策。デフレ脱却国民会議がもくろんでいるのは日銀がジャブジャブお金を刷るという金融政策。金融政策では直接は個々の家庭の金不足には関係ない。だからわかりやすいがトンデモ説なのだ。池田氏が懸念するように、岩田氏と浜田氏はこの趣意書をよく読んでなくて、とにかくリフレ派の国民運動の設立だからと署名したのであろう。あるいは正しくない論理だが、国民を扇動するには間違っていてもわかりやすい方がよいと思っただろうか。だとしたら悪魔的だなあ。
ちなみに人々が支出を控え貯金するのは、将来展望が不透明で不安だからである。それは日本の産業が市場に合わせた産業転換をおこなわず、つなぎの融資と人件費等の費用の削減で生きながらえようとしているからだ。
国のありかたをそれぞれの価値観で作っていこうという9条の会などの運動なら賛否は別としても理解できるが、日銀当局が理論的経験的にとってはいけないと思っている金融政策を、嫌がらせや外部圧力で強いろうとするのは、戦前に日中戦争や三国同盟に批判的懐疑的な人間を黙らせて戦争政策を進めようとする軍国主義勢力と同じだ。だってリフレ政策は間違っているというと、「あなたは失業者で困っている人をほっとくのですか」とあたかも非国民のように言うんだもの。