セレンディピティ日記

読んでいる本、見たドラマなどからちょっと脱線して思いついたことを記録します。

近況について

2014-03-21 21:16:47 | Weblog

毎年今頃の時期に書いていた確定申告とか、この間まで時々書いていた本の自炊の話など身辺のことを最近書いていない。そこで今日書こうと思う。ちょうど自炊関係で個人的だが感慨深いことが起きたからね。

その前に今日昼食でバーミヤンに行った時、テーブルにサービス(or宣伝)で置いてある読売新聞の「シカゴから」と言うコラムで中村祐輔シカゴ大教授が、STAP細胞について「私も論文を読み、がん細胞との関連に興味がわきました」と書いていた。僕は「おお!」と思った。知ってのように僕は先日ここで「ガン細胞も万能細胞も初めは同じものかもしれない」と書いていたものね。もちろん僕は『Nature』の論文を読んでいない。と言うより読めない。報道でもがん細胞云々とまでの解説はなかったと思う。自然発生性については書き出す前から念頭にあったがガン細胞については書いているうちに浮かんできたもの。僕の文はまるっきり素人の当てずっぽうの論議だけど、こうなると、このがん細胞については小保方さんもあっている気がしてきた。と言うのは僕には「ふと思いついたことは実現する」という法則みたいなものがあるからだ。無理に起こそうとしても起こらないが、ふと思うとそのことは起こるのだ。僕がそううまくもないのに麻雀をやり続けるのは、面白いからが第一だけど、稀に積もる前にふと「積もった」と無意識に声が出てしまうと、かならず積り上がりするからだ。その経験を確かめたいために麻雀を続けている面もある。

さて今日の本題、まず確定申告。これは国税庁のサイトを利用してパソコンで作成してプリンターで印刷して税務署に3月12日に持って行った。去年も自分のパソコンの都合で作成に苦労したが、今年も作成途中でコンピューターの長い中断があり去年以上に手間がかかった。去年はパソコン画面に現れていた指示に従えば解決したが、今年は「nta.go.jpは、長時間のスクリプトが原因で応答しません。」の表示が画面下に出て、これはただ待つのみ。あまり動かないのが長いので初めからやり直すこともしばしばで2~3日かかった。初めは申告期限まぢかで国税庁のコンピューターも混んでいるのかと解釈したが、今ではこちらのパソコンのほうの問題かもしれないと思っている。

ところで今年も所得税は5万円以上還付になる。株と投資信託に源泉徴収と配当控除があるからだ。つまり配当所得のある人は他に所得があっても税金が戻ってくるか安くなるということだ。これは資産家のトリクルダウンを準プロレタリアートの僕が受けていることか。

ただ所得自体は増えているので住民税はかなり収めることになりそうだ。投資信託は「アジア好配当」が25倍の配当月が昨年前半に2回あってそれが大きい。これは新規の出資者との条件の調整のため利益を従来の持ち主に配分したのだろう。逆にブラジルボンドは月々の単位の配当が120円から90円に減ったので今は月々の生活がきつくなっている。ブラジル経済はあまり良くないのだろう。

それから今年の確定申告では母親は被扶養者でなくなった。昨年は後半はともかく前半は分配金が利益からの分配金だったので所得オーバーとなり扶養家族にはならなかった。利益の配分の分配金と元金の切り崩しの特別分配金の割合で母の総所得が年ごとに違う。だから僕には同居老親の扶養控除と母親に医療費分の医療費控除がなくなった。所得税は大部分の源泉税が還付となるけど住民税はかなりの負担になりそう。それは税率が所得税では5%なのに住民税は10%と住民税の方が高い。それなのに配当の源泉税が所得税は多く住民税が少ないのに配当控除は逆になっている。共済年金は所得税が源泉徴収されているが住民税ではされていないので還るものがないどころか課税所得が増える。基礎控除始め主な控除は所得税のほうが大きい。こんなわけで住民税と所得税の関係が不整合なので6月に収める住民税がかなり大きくなると予想される。なお国民健康保険料も大きい金額が予想されるね。

ところで僕はいつも還付申告では年が明けたら確定申告期間以前にも申告できると言っているのに、確定申告期間のそれも終わり近くになぜ申告したのだという疑問が出てくるかもしれない。まあそんな質問が出てくるはずもないけど、説明しよう。それは変額個人年金保険の受け取り金の扱いがわからなかったからだ。去年の2月受け取った。2009年4月に200万円支払って運用により220万円以上なったら解約するというもの。去年の2月に2,162,887円受け取った。220万円でないのは国税と地方税が引かれているから。手元に残っている「お支払のご案内」には確定申告について指示が書いていないので迷っていたわけだ。でも結局は預金利子と同じで税務関係は源泉徴収で終了しており確定申告はできないらしい。

さて自炊について話そう。実はこのところ自炊はしていなかった。それはスキャナーの調子が悪かったのだ。カラー図の多い本をスキャンしていたらスキャナーの動きがおかしくなり字や図が変になったりして挙句に紙づまりした。いろいろやってみてあるローラーを拭くと一時的に回復するが、しばらくするとまたおかしくなる。定期的に取り替えるローラーではないので裏側がどうなっているのかわからない。なにか裏側でくっ付いている歯車との組み合わせに問題があるのか?スキャナーを分解しようにもネジは全く見当たらないのでどうしようもない。そんなわけでここのところ何週間もスキャナーができないでいた。正確には数冊はローラー拭きと繰り返しスキャンと使えるページの貼り合わせでPDF化したがすごい手間で出来上がりも満足できない。とうとう新しいスキャナーを買おうかと考えたが同じ機種を買うのはバカバカしいが新型はまだでていない。修理に出すことは時間がかかるうえにアルコール入ウエットティッシュを使って拭くというマニュアルに書いていないことをやっているので修理に出すのがはばかられた。

ところが、である。昨日ローラーを外すのに成功した。内部と歯車かなにかでは繋がっていなかった。ローラーと支える部分を清掃したら正常に動き始めた。腕時計の電池交換用具を使ってローラーを外したのだが、多少力を入れて外しても大丈夫なことが分かったのでいつでも外せる。また差し込みも定位置で力を込めれば元に戻る。不具合の原因は汚れのためローラーがうまく回転しなくなることだとわかった。

こうして直ってしまうと1時間前の悩みが嘘のように思える。物事の解決策は突然現れ、そしてその瞬間世界は変わってしまうのだね。昨日の昼までは今日僕が午前中懸案の数冊をスキャナーにかけてiPadに取り込むことができたなんて想像できなかった。重要な変化はあらかじめ計画と予測はできない。これを改めて痛感した。でも世の中には世界を計画的に変えることができて計画することが大事だという人が多い。役所でも「○○を決めてくれないと計画が立てられない」って人が多いね。僕はその時点での計画のメリットがわからないし、不確定要素が多いからその時点で計画を立てるべきではないと思うけど。計画派が役人には多いし評価もされるかな。でも住民の役に立つのは計画主義者ではない。


STAP細胞論文出現の謎解き

2014-03-17 23:00:03 | 社会経済

小保方さんの『Nature』に載せたSTAP細胞についての論文についての問題点がいろいろ指摘され論文の取り下げが噂されている。また小保方さんが早稲田大学に出した論文も無断引用が指摘されこれまた小保方氏は取り下げ意向があるとのことだ。

得意の絶頂からの転落とは猪瀬元都知事に限らずどこの世界でもあるみたいだ。まあ僕のような人間には得意の絶頂なんて来ないから転落もないけど。でも卑下しているわけではないよ。陽明学的人間には得意の絶頂なんて似合わない。つまり外的な評価や基準での得意だとか栄光は関係ない。並び大名の局長になるよりもオンリーワンのスーパー公務員がいいに決まっている。刑事ドラマの主人公はなぜみんなヒラなのか考えよう(太田肇『お金より名誉のモチベーション論』)。アレ?近頃キュアリアの刑事物が幾つかあるな。杉下右京と海月千波(『戦力外捜査官』)はキャリアの警部だけど部下がいないのも同じだからヒラみたいなものだけど、『隠蔽捜査』の主人公は警察署長だ。でも定年間近の杉下右京と大学出たての海月が同じ階級とは!普通の役所なら懲戒処分があったか自発的な降格申し出があったかだろうね。福家警部補もキャリアで自発的な降格のケースだね。とすると未亡人の面接官と科捜研の技官以外は皆キャリアか!いまの刑事ドラマキャリア信仰が過剰。ともかくいつまでも警部ぐらいの階級では中央官庁の東大出なら普通は外資へ転職しちゃうけどね。右京は陽明学徒か?陽明学者の山田方谷は明治政府の出仕の要請も断った。陽明学と同じ本質のオーストリア学派経済学的にはハイエクがノーベル賞について「自分だったらこのような賞の創設を推奨しなかった」と言ったのは理解できる。

さて博士論文も取り下げて博士でなくなると、小保方さんも理研からも追い出されて、ただのお姉さんになってしまう。そうなると東進ハイスクールの講師でもやるのかなあ。

無駄ばなしはここまでにして、ここではあの『Nature 』論文が出てきた謎解きをしよう。といってもぼくは『Nature』論文を読んではいない。読めないし読めても理解できないだろう。もちろん生物学や化学の専門知識もない。でもこの経過は想像できる。見当違いかどうかは何年か経って全体像の記録が出てきた時にわかることだ。

STAP細胞と名付けられた万能細胞は実在するかといえば実在したと思う。だから空想の産物でペテンではないと思う。これは共同研究者に万能細胞が提供されていることが最大の根拠だ。もちろんES細胞やiPS細胞を手に入れて提供したかもしれないので断言はできないけど、実在するから世界で誰かが追試に成功すれば強引な手法も結果オーライになると思ったのではないかと推測する。

コピぺや画像の使い回しなんてバレることが当然予想されるのになぜ行ったのか。早稲田の院生の間では博士論文ならあまり人目に触れなくてばれない確率が大きいので割と広く行われていのだろう。成果をだす強迫観念にとらわれて結末を想像できなかったのだろう。転落する人は都合の良い結果のみ想像して悪い方は見ようとしない傾向があるのかな。

論文の捏造以前の一番の問題点は、小保方氏が独断に陥り間違った方向に研究を進めたため袋小路に陥ったことだ。そのため無理な論説を強引な方法で論文にまとめてしまった。万能細胞が存在することは事実なのだから早く世界に広めたいと言う意気込みと、期限内に成果を出さないと理研の研究員の職を奪われ研究手段を失うという焦りもあったと思う。

ある日突然に万能細胞が現れた。これはガラス管を通ってきたものの中からだ。再び同じことは起こらなかったが小久保さんはなぜかと考えた。そこでストレスということを思いついた。細胞が狭いガラス管を通る時にストレスを受けて初期化したのだと。かくして小久保さんは物理的ストレスのほかに化学的ストレスまであらゆるストレスを試してみた。するといろんな試行の後で弱酸性溶液の中で再び万能細胞が見つかった。おそらくここまでは事実だろう。でも再現性が確保されていないのに焦りから論文にしたててしまったのだ。

ストレスか!小保方さんは医学部出身でもないのに「ストレス」なんてヤブ医者が多用しそうな言葉を思いつくねえ。現代医学は「ストレス」が流行りだ。心の病から体調不良までストレスのせいにされる。ストレスの全くない人間はほとんどいないから患者は思い当たることになり先生は名医だと思ってしまう。でも以前はストレスが原因とされた第一の病気の胃潰瘍は今ではピロリ菌が原因とわかっている。ストレスの多用はご用心だ。

ストレスなんて言う医者にかかったら病気の真の原因の発見が遅れ死に至りかねない。小保方さんも同じ迷宮にはまり込んだ。

偉大な発明発見は偶然から見つかることが多い。偶然はいろんなところで起こる。でも凡庸な人間はその意味が解らず見逃してしまう。有能な人間だけがその意味を理解する。偶然とそこに居合わせる有能な人間の組み合わせが偉大な発明発見をする。ガラス管を通った細胞の中に万能細胞があった。なんかの間違いと思わずそこに重大な意味をみたのだから小保方さんは凡庸ではない。でもそこまで。秀才だけど単なる秀才だから独断の迷路に迷い込んで抜け出せない。

ストレス説が独断というのはまだ検討すべき可能性が幾つもあるからだ。再現性が確保できないのなら他の仮説も検討すべきだ。

例えば僕はこうも考えられる。細胞はストレスがなくても自然に万能細胞化したのではないかと。こう言うと小保方さんは「ガラス管を通る前にも細胞を見たがなにもなかったが、ガラス管を通った後にはあった。だからガラス管を通ったことが原因だ」と反論するだろう。でもたまたま万能細胞の発生とガラス管を通す実験の時期が一緒だったかもしれない。

ガラス管がなくてほっといても万能細胞が現れたかもしれない。こう言うとたぶん小保方さんは「ほっておいた細胞から万能細胞が現れたという事例は聞いたことがない」と言うな。でも見つかったものと存在するもの数値は比例も対応もしないことが多い。この場合は定常の状態の細胞から万能細胞を見つける試みをしていなかったためと言えるかもしれない。別の例えで話すと、鯨統一郎さんの小説『邪馬台国はどこですか?』では主人公(たぶん)が邪馬台国は岩手県の八幡平(はちまんたい)との説を述べた。すると他の登場人物は岩手県では古代の史跡があまり発見されていないからあり得ない、と言う。でも主人公は史跡の発見は道路や建物の建設工事に付随してみつけられたものが大部分だ。だから工事が多く行われてきた近畿や北九州に比べて史跡の発見が少ないのは当然だ。これから八幡平付近で工事が多く行われてくれば史跡がドンドン見つかるだろうと言った。僕はなるほどと思った。

では自然に万能細胞ができたのならどんな原因が考えられるかな?まず天然の放射能はどうだろう。地球上のどんな場所でも常に微量だが放射能にさらされている。宇宙からくる宇宙線もある。それが細胞の遺伝子に当たり初期化のスイッチを入れるかもしれない。放射能と言うのは閾値と言うものがなくここまでなら全く無害ということはない。少ないなら少ないなりに影響はあるのだ。

次は、もともと動物細胞の中では細胞分裂の過程で一定の万能細胞が生まれているとしたらどうだろう。ただそうした細胞はやがて周りに同化していって特定の機関細胞になってしまう。つまり時々「俺は誰だ。此処は何処だ」という細胞が現れるが、周りからお前は肝臓細胞だとさとされてアイデンティティを見つけ出す。ありえないなんて言うなよ。これはガン細胞からの類推。癌にならない人も時々は体内にガン細胞が発生する。すると白血球が飛んできて食べてしまうから大事に至らないだけ。ひょっとしたらガン細胞も万能細胞も初めは同じものかもしれない。周りに同化することを拒んだものがガン細胞か?いやいやガン細胞は徒党を組んで増えるから社会主義者だな。同化も徒党も嫌がった万能細胞は何処へ行く。