セレンディピティ日記

読んでいる本、見たドラマなどからちょっと脱線して思いついたことを記録します。

投資信託の官製カルテル

2012-01-29 16:53:24 | 社会経済

127日(金)の日本経済新聞の朝刊の1面の大見出しは「投信 配当しすぎ歯止め」で小見出しで「過度な運用リスク制限『法改正検討』」と「毎月分配型 運用益に限定」とあった。要するに金融庁は投資信託の「配当のし過ぎに歯止めをかけ、個人投資家が安心して商品購入できる環境を整える」をことを目的に2013年の通常国会の投資信託法改正を目指すとのことだ。

            

僕の現在の生活の糧たる収入は共済年金と投資信託の配当が主でそれに株の配当がちょっと。退職金はもう無い。結果として退職金の特例加算も年金の増額も再雇用も拒否した僕が脱藩して悠々自適でいられるのは投資信託の配当があるからだ。でも計算したわけでも一時の感情の高まりで辞めたわけでもない。よいと思う道をたんたんと選んだだけた。でも気がつけば高配当の投資信託があるから不自由なく生活していける。昔の職場の友人が年賀状や麻雀仲間の人づてに、自分も辞めたいが生活出来なくなるが僕がどうして悠々自適な風なのか不思議だということを伝えてきた。「恒産なければ恒心なし(存在が意識を規定する)」という考えがあるがこれも洗脳論語(苫米地英人『洗脳論語』三才ブックス)かな。恒心あれば恒産もついてくる気がする。

 

そんなわけでこの記事は興味をひいた。毎月分配の投資信託の配当の原資は株や債券などの配当・金利収入、株や債券などの値上がり益、投資家の元本、の三種類である。は普通分配金で当然所得だから源泉税をひかれる。は特別分配金で資産の取り崩しだから源泉税はない。だから特別分配金つまり損している月の分配金は受け取り額が多くなるという逆転現象がおきる。ちなみに僕が明後日31日に受け取るのは特別分配金だ。

 

記事によると、日本では①②③とも可能だが、米国でははダメ。英国・フランスは②③がダメ。日本でもトラブルが増える傾向があるためを禁止しようというわけだ。でも毎月分配の投資信託を持っている高齢者のなかには、分配金の元本を取り崩していることを知らない人もいるだろうが、知っていて年金の不足を補う意味で定額の分配金を望む人も多いと思う。元本は相続人のものだからあまり気にしないとしてだけど。

 

同じ新聞の7面の解説記事で分かったことがある。よく「通貨選択型」という言葉を聞くがよくわからなかった。「・・ブラジルレアルなどの高金利通貨の金利収入や為替差益も、上乗せする・・」なるほどこういうものか。

 

さてこの記事の内容から金融庁は野放しの強欲資本主義を規制しようとしているようにみえる。これなら規律ある資本主義論の共産党から主流派経済学者まで大歓迎だろう。でも僕には官製カルテルだと思えてならない。つまり投資信託では月分配ができないと顧客が他に逃げるから特別分配金をやめられない。だから元本の維持のため特別分配金をしない方がいい場合もあるが自社単独では無理だ。そのため金融庁を介してカルテルを結ぶことになったと思う。だがタイミングが必要だ。基準価格や純資産総額が減少する中で規制をぶち上げると危機感をあおり投資信託市場から資金が急速に流出するかもしれない。でも今なら良いと判断されたからだ。大和投資信託のブラジル・ボンド・オープンの例でいうと、ギリシャ危機の影響でブラジルはじめ世界の株価か下落していたが最近株価が再びあがっている。このため11月に最低となった基準価格が年末から上がりはじめている。だからいまがこの官製カルテルの打ち上げのチャンスということになる。

 

法律の改正が2013年通常国会ではのんびりすぎるという意見もでてくるかもしれない。でも官製カルテルは法律ではなく役所が発した時に成立する。いいかい官製カルテルは役所が国民のために作るのではなくて、企業が自分の利益のために役所の手を借りることだ。だから役所の意向を理由にぼちぼち特別分配金をしない投資信託もでてくるだろう。でも今は世界的に株があがっているから、131日は特別分配金だが2月分は普通分配金になるだろう。そうかな?そうならいいな。

      

本当は投資信託側が自己の判断で配当方法を決め、顧客も自己の判断で投資信託を選ぶのがいいのだ。機械的に横並びで特別分配金を廃止するのではなくて、中長期で業績の回復が望めるなら短期的には元本割れでも特別分配金を出す投資信託があってもいいと思う。だって月々安定した収入が必要な人もいるもの。でも金融機関も国民も隣り百姓(隣りを見ながら農作業の時期をきめる)だからなあ。

 

 

 

 


映画鑑賞『マジック・ツリーハウス』

2012-01-27 20:11:44 | 文化

今日は映画を見てきた。『マジック・ツリーハウス』という子ども向けアニメだ。隠し子(そんなのいないけど)と行った訳ではないよ。一人でだよ。だいの大人が一人でアニメ映画に行ったのは以下の次第だ。

 

何日か前、丸善の古書洋書バーゲン会場で『Night of the Ninjas』というタイトルの児童図書を見つけた値段は210円でなにより薄くてさし絵入りだ。あ、もとい残念ながら薄いけどその分値段が210円であった。とにかく表紙も含めてさし絵の忍者の姿が違和感がないので読んでみる気になった。厳密にいうとさし絵の忍者はいわゆる忍者刀といわれる直刀でなく反りの有る普通の日本刀なのだが、すべての忍者が忍者刀を背にかけていた訳でもないだろうし、また直刀だと逆に違和感を感じる日本趣味の人もいるだろうからこれは気にしない。

 

そんなところへインターネットの映画館案内を見ていたら『マジック・ツリーハウス』とある。オヤオヤと紹介文を読んだら、日本製アニメだが原作はメアリー・ポープ・オズボーンというアメリカ人の世界的ベストセラーらしい。まさにあの本だ。

 

そんな訳でどんな出来になっているか見に行ったのだ。場面と登場人物はアメリカ(ただし起点のみで活躍する場所は過去の世界中)だが、アニメのタッチは日本アニメのもの。だから主人公の少年と少女の顔は本のさし絵と違っている。映画の終りのスタッフ名を見ると少女アニーの声優は芦田愛菜ちゃんだった。始めに知っていれば気をつけて聴いたのに。う?残念でした。少年ジャックの声優は北川景子さんで鈴木福くんではありません。

 

Night of the Ninjas』は「MAGIC TREE HOUSE」シリーズの5冊目で、アニメ映画の内容は4冊目まで。ただし本の後ろの案内をみると3冊(話)目は、本では古代エジプトだけど、アニメでは古代ローマのポンペイになっていた。ちなみにポンペイの話はシリーズの8冊中にはない。アニメ映画オリジナルと思われる。古代エジプトの話はミイラとか幽霊が出てくるのでアニメ作成にあたって別の話に変えたかな。でもポンペイのベスビオ火山の噴火の場面は怖かったよ。富士山の噴火を連想した。ベスビオ火山って富士山型だもの。

 

アメリカ、ベンシルベニア州のFrog Creekの森に突然現れたツリーハウス(大木の枝の上に立てられた小屋)は魔法の小屋で中は図書室になっている。その中で本に書かれている時と場所をしめして「ここに行きたい」と言えばツリーハウスごとそこに移動するのだ。ジャックとアニーの二人は女魔術師モーガンを助けるために4つのメダルを求めて過去の世界を冒険する。

 

 本の『Night of the Ninjas』では忍者のmaster(頭領かな)が、ジャックとアニーに忍者のやり方を実践しなさいという。それは、3つのことを忘れないことだ。それは「Use nature.Be nature.Follow nature」だ。自然を使う。自然になる。自然に従う。うん、陽明学にもオーストリア学派経済学にもそして麻雀にも通ずる教えだ。こんなに感動する言葉は、週刊誌で読んだある暴力団のスローガンの「男になりたい。男でいたい。男で死にたい」以来だ。


遅ればせながら、あけましておめでとうございます

2012-01-08 16:45:09 | 社会経済

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

 

ええっと何から書こうかな。今年どんな年になるかは書かないよ。「〜になるような気がする。あると思います。」程度のことは感じるけど、それを預言みたいに吹聴したら僕はニセ預言者になっちゃうからね。狼少年はいつかは当るかもしれないけど、ニセ預言者は当ることはないもの。

 

まず最初は昨年末にインターネットを見ていて何がなんだかよくわからなくなった話をしよう。名古屋市内在住の新左翼活動家の横井邦彦氏のブログ『労働者の新世界』の1225日の記事「江田法務大臣と佐賀地検に釈明を求める」を見たことから始まった。

http://blog.livedoor.jp/kodama1872/archives/2011-12.html?p=2#20111225

 

ちなみに横井邦彦氏は以前ちょとした全国的な有名人になったことがある。国政選挙に立候補したことじゃないよ。実は横井邦彦氏の週刊誌に載った発言(証言)が話題になった。1978年に北朝鮮に拉致されて2002年に帰国した蓮池薫さんに1986年に日本国内で会ったと言うのだ。当時愛知県内の小学校の教師をしていた横井氏は学校の体育館で蓮池薫さん(と思われる人物)を含む数人により危うく北朝鮮へ拉致されそうになったという。拉致の目的は北朝鮮在住の日本人共産主義者の指導者にするためだ。よど号ハイジャックグループの田宮ではダメだそうだ。まあ荒唐無稽の自慢話にみえるが、日本共産党や毛沢東の影響がなく、北朝鮮をスターリン主義国と批判するトロツキスト系(中核、革マル、第4インター)でなく、党派のトップでもない横井氏に目をつけたのは合理的でもある。

 

話がそれたので本筋にもどすと、横井氏は週刊『プレイボーイ』を見て京都の行政書士が佐賀県庁での原発抗議デモの山本太郎氏について告訴状を提出して佐賀地検が受理したことを知った。あ、もとい、このことをこのブログで初めて知ったのは僕だ。横井氏はこのこと自体は知っていたかもしれない。横井氏が『プレイボーイ』の記事を見て知って怒っているのは、その行政書士が社労党(社会主義労働者党)の党員だったことがあり社労党が原発推進派だったと書いてあるからだ。

 

ちなみに横井氏は中央委員や愛知県委員長をつとめた社労党の幹部であった。社労党は党の実体がなくなったとしてマルクス主義同志会に変わり、その後横井氏は組織を離れた。

 

僕はさっそくインターネットで検索した。すると告訴状を出した京都市の行政書士は地域政党の京都党の党員をなのっていが社労党なんてどこにも出てこない。行政書士のブログをみると28才なので社労党があった時はもっと若いそんな若い左翼活動家が今どきいるわけないし。でも横井氏が社労党のことの記事を読み間違えることはないだろうしこれはどうしたことだろう。

 

そこで僕はこう推理した。『プレイボーイ』の記事が間違っているがそれは取材から記事作成の過程で伝言ミスが生じたからだと。つまり行政書士は京都党をなのっているが、「京都党」=「きょうととう」「きょうろうとう」=「共労党」となり、記事を書く段階で「えーと、たしか新左翼政党で何とか労党だったけど、正確を期すためインターネットで確認しよう。あ、あった社労党か」と、こんな風に想像した。

 

横井氏はブログで、自分は社労党の幹部だったが××氏(行政書士の氏名)という党員は聞いたことがないし社労党は原発推進をしたことはないと怒りが収まらない。僕からみればよくある週刊誌の誤報だが、横井氏からみれば自分が担ってきた政治運動に対する許すことのできない侮辱に思えるのだろう。

 

ところがこの後事態は変な風に展開する。1227日の横井氏のブログ「本当の党員だったとしてもその罪が消えるわけではない」によると、当の行政書士が横井氏に確かに社労党員だったと証拠書類を添えた手紙を送ったそうだ。手紙の差し出し名は行政書士が党員活動で使用していた筆名であった。横井氏は、確かにその筆名(組織名)は聞いたことがあるが社労党は本名で活動することに決議したのにと不満そう。そしてそうだとしても社労党が原発推進派だと偽るのはケシカランと立腹だ。

 

でもWikipediaで社会主義労働者党を検索すると「原子力発電所増設や米輸入自由化の推進を訴え、それに反対する党派を『保護貿易主義者』と非難するなど、政策においても他の党派とは一線を画した」と書いてあるよ。国会議員が自分の党のマニフェストを知らないのはよく有ることだが、左翼組織の幹部が組織の重要方針を知らないのは信じられない。日本共産党なら指導者の提案に全会一致だから記憶に残らないかもしれないが、社労党でも路線論争は無かったのかな。もちろんWikipediaが間違っているかもしれない。それなら横井氏が訂正しなきゃ。

 

あそうそう佐賀地検は山本太郎氏を不起訴としたよ。