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リフトのこと。

別に、丸々とした小生を吊り上げるリフトのことではない。

別に、私の弛んだ頬を持ち上げる整形のことでもない。

スウェーデンの<介護の付いた特別住宅>にあるリフトのことである。

この5年間良くお付き合いさせていただいている竹崎先生との二人飲み会での出来事。

竹崎先生は単著を9冊ぐらい(業績目録をいただいていないので正確な数が分からないがこの数字に近いことは確か)出版されておられる、スウェーデンの生活保障学の超大家である。

その先生が、スウェーデンではリフトを最近見ないので、使われなくなったねとおっしゃった。

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私はスウェーデンに毎年1回は苦手な飛行機を我慢しながら、フィールドワークに出ている。バブリーな年は、年2回も行っていた。バブルが2年ではじけ、今は右肩下がり。今年も行けるかどうか、判断に迷うほど。個人的にも不景気だ。

毎回の研究出張では、必ず<介護の付いた特別住宅>を訪問している。できるだけ異なるコミューン(市)の異なる介護の付いた特別住宅を訪問し、説明を受けるようにしている。

介護の付いた特別住宅には、平均して1ユニット(10名から12名程度)に1台のリフトは置いてある。

リフトはかさばるので、廊下の隅に置いてあることが多い。必要な時に

移動させて入居者の移乗(ベッド→車椅子、車椅子→ベッド)の際に用いている。

スウェーデンの方は、体格がいいし、体重もすごい。介護スタッフの腰痛防止のために、このリフトは必ず用いられる。入居している高齢者の方を、吊り上げるための移動式の機械である。

このリフトを用いる際、転倒事故やずり落ちなどトラブルが発生するので、新人研修では最も力を入れている。

リフトはスウェーデンだけではなく、デンマークでも使われているし、今年2月韓国に研究調査に行った際には、老人専門療養センターに設置されていた。

リフトの使用に関しては、その是否をめぐって見解が分かれるかもしれないが、事実認識として使われていることは確かだ。

社会的影響力の大きな先生のことであるから、是非、事実確認をしていただきたいと思う。飲み会の席でも、ここに書いたことと同じことを申し上げたのだが・・・。

私はエビデンスを求めてスウェーデン在住の親しい介護スタッフの方にメールした。

はい、リフトは1ユニットに1台ありますよ。でも足りないのでもう一台買ってほしいと要求しているぐらいです、と。

私も気をつけなければならないが、事実を事実として正確に理解することの難しさを痛感する。

注:竹崎先生はブログというものをご覧にならない。今回の記事を含めて、先生との話の中で重要だと思ったことを記事にさせていただくことについて了解をいただいています。このリフト問題についても記事にすることを承諾いただいています。さすが大家(おおやではないですよ)はスケールが違います。

 

 

 

 

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