salt&pepper days 

ともすれば、子どもとの時間に埋もれそうな日々。でもやりたいことは他にもいっぱい。刺激を求めて悪あがき中。

本の感想・宝物の記憶

2008-05-08 15:08:10 | 本・雑誌
日々、娘の成長を見ていると
今は「女の子」という自覚もたいしてないし
おしゃれにもまだ目覚めてないけれど
それでも「かわいいもの」とか「きれいなもの」に
子どもなりに惹かれているのがわかる。

さて、これからどんなことに憧れたり
どんな夢を見たりするんだろう。

今回読んだ本は、少女たちが主人公。


『ミーナの行進』(小川洋子・著 中央公論新社)


家の事情で、いとこのミーナの家で暮らすことになった朋子。

お金持ちのいとこが住む家では、それまで朋子が見たこともない
想像すらしたことがなかったような暮らしが待っていた。

女の子なら瞳を輝かせてしまいそうな、
楽しげでかわいいものたちがあふれる日々、
ハンサムな伯父さん、謎めいた伯母さん、やさしい人たち、
そして、病弱だけど賢くてかけがえのない友人となるミーナ。

女の子の夢がいっぱい詰まった、宝箱のようなお話。

少女たちの初恋や、大人たちのちょっとした秘密、
物語の中に、さらに物語が展開する。
大切に大切に、何重にもくるまれた記憶をひもとくような
懐かしさやあまやかさ、息苦しさ。

こんな記憶を持って大人になるのは
とても豊かなことだな、と思えます。

女の子、男の子、という区別は違和感あるかもしれないけど
やはりこの話は「女の子の特権」的、
少女時代の「宝物」といえるんじゃないかな。


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