黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

どこまで耐えられるか?

2011-10-25 14:11:00 | 仕事
 前回書いたように『ヒロシマ・ナガサキからフクシマへ―「核」を考える』(勉誠出版刊)の250ページ近い「通しゲラ」を、自分が関係した文章を中心に丹念に読み、返したと思ったら、戦犯参加した「反核から反原発運動へ」という座談会(出席者:菅孝行・黒古・外山恒一・スガ(本来は漢字)秀実 『述』5号ー近畿大学国際人文化学研究所紀要)のゲラが送られてきて、早急に校正して戻して欲しいということで、そちらの方も見て、ということで、実は気になることがあったのだが、書くことができなかった。
 気になること、それは、前々から言われてきたことだが、文科省から具体的に「汚染マップ」が出て明らかになったのだが、福島原発から100キロ以上離れている群馬県も場所によってセシウム汚染が相当高い数値を示していることに対して、ささやかな家庭菜園で「無農薬・有機農法」を目指しす僕の「農業」はどうなるのか、ということに他ならない。「汚染マップ」によれば、幸い前橋市はかなり低い数値を示しているのだが、しかし、各地に存在する「ホットスポット」のことを考えると、にわかに文科省の数字を鵜呑みにすることはできない。そうでなくとも、政府・文科省・東電の示す「数字」には嘘が混じっており、彼ら「権力」の隠蔽体質をどう打ち破っていけばいいのか、戸惑っているということがある。
 現在、我が家の家庭菜園は、僕が大学を退職したということもあって、少しずつ他種類の野菜が植えられていて、羅列すると、大根(漬物用・煮物用)・にんじん・インゲン・敏いも・水菜・チンゲン菜・蕪・ラデッシュ・白菜・絹さやエンドウ豆・空豆・秋ゴボウ・ネギ・ほうれん草・キャベツが植わっていて、すでに里芋やにんじん、インゲン、水菜、ネギなどは食しつつあり、大根、白菜も旬日で食べられるようになる状態になっている。これらの野菜、果たしてどのくらい放射能に汚染されているのか。
 僕のブログに寄せられた最新コメントには「少量の放射能は健康によい」などという、昔から「原子力ムラ」の一部の学者や関係者が言い募っていた「愚説」が寄せられているが、このような「内部被曝」ということを知らない人の言は、まさに「悪しき風評」としか言い様がなく、僕としては、どこまで我が身を襲う放射能汚染に(精神的に)耐えられるか、今冬が鍵だな、と密かに思っている次第である。
 しかし、毎朝菜園に出て、伸びていく絹さやエンドウ豆や結球しつつあるキャベツの若芽を見ていると、これらが少量とはいえ放射能に汚染されていることを思い、改めて怒りがこみ上げてくるのを禁じ得ない。
 なのに、電力会社は「やらせメール」事件などどこ吹く風とばかりに、居直り、政府も「原発輸出」を止めようとしない。本当にどうなっているのか。
 「世直し」が本当に必要になってきているのかも知れない。

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