黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

「崩壊」していく日本(5)――この言葉の「軽さ」何とかならないか!

2015-11-07 09:30:11 | 仕事
 何度も繰り返すが、安倍首相の「言葉の軽さ」は度し難く、それは橋下大阪市長の「三百代言」的な発言とお案じくらい「品位」に欠けており、そのような人物を首相に仰ぐ日本という国の「民度」がいかに劣悪であるかを世界に向けて発信することになってしまい、腹が立つやら恥ずかしいやら、総体として何とも言えないほど「哀しい」気持になっている。哀しいのは、安倍氏の発言が、一国の責任者を気取っているが、その本質において今流行りの「反知性主義」そのものだと思うからである。
 安倍晋三の「言葉の軽さ」について、気が付いたことをアト・ランダムに記して、考える材料を提供したい。
①「世界に先駆けて第4次産業革命を実現する」→誰に「入れ知恵」されたのか、石炭(蒸気機関)による第1次、石油(電気)による第2次、情報技術の発達による第3次(本当は「原子力エネルギー」と言いたかったのだろうが、さすがにフクシマの後では「原子力」については言えにのだろう)の次に用意されている「人工知能」や「ビッグ・データ」の活用のことを指すらしいが、人工知能(コンピュータ)にしろビッグデータにしろ、要はコンピュータの活用問題でしかなく、それを「第4子産業革命」というのは、いかにも「ほら吹き」安倍晋三らしいが、今ほどコンピュータ社会の「行く末」が懸念されていることを、彼は知らないのだろうか。コンピュータは、「ツール」でしかない。そんな「ツール」に依存する社会に果たして「未来」はあるのか。
②「TPP」交渉において「聖域は守られた」→多くの農業関係者が心配しているように、TPPが実施されれば、「食糧自給率40パーセント」が下がり、日本の農業が衰退の極に達するのは火を見るより明らかである。僕の住む地域の耕作地がいかに荒れているか、また農業後継者が極端に減っている現状を見れば、安倍首相の言葉がいかに「空念仏」か分かるだろう。
③「希望的出産率を1.8に」→現状が「1.3」以下であることを考えれば、あくまでもこの「1.8」が安倍首相の「希望=妄想」であるかがわかるだろう。年収200万円以下の「非正規労働者が40%」存在する状況を放置して、どうして出生率を高めることができるのか。安倍氏の頭の中はどうなっているのか、僕には全く理解できない。
④「介護離職ゼロをめざす」→これこそ安倍首相(と厚労省の官僚たち)が「嘘つき」であることの証なのだが、「老々介護」や「在宅介護のひどさ」など介護の現場を知らない者の「世迷い言」としか思われない。介護施設が次々と倒産し、また職員の待遇の低さ故に職員数が足らず空きベッドを余儀なくされている特養ホームなどが多数存在すること、安倍氏はどう考えているのか。社会保障費は削減するのに防衛予算だけは中国や北朝鮮の「脅威」を振りかざして増額する、安倍氏の頭の中に「アメリカ追随」はあっても、「日本」は存在しないのかも知れない。
⑤「1億総括役社会の実現」→これについては、「アホ」らしくて言う言葉もない。第1弾もそうであったが>、「アベノミクス」第2弾の「新三本の矢」が「虚仮脅かし」の何の保証もない自己満足的なものであることは、多くの識者が言っていること。
 以上に加えて、「フクシマは完全のコントロールされている」や「原発ゼロを目指す」と言っていながら次々と原発を再稼働していく厚顔ぶり。これは「丁寧に対話していく」と言いながら辺野古沖の米軍新基地建設を強行していくのと同じ手法である。 許せない