黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

「民意」って、何だろう?(3)――私たちはどこへ行こうとしているのか?

2014-11-24 11:10:26 | 仕事
 今朝の朝日新聞の1面を見て、またしても「何だ、これは?!」と思ってしまった。
 最新の「総選挙」に関する世論調査の結果、比例代表の投票先を決めている人の「37%」が自民党へ、「11%」が民主党へ、その他維新の党など弱小政党への投票が「6~5%」となっていながら、アベノミクス(経済政策)については「評価しない」が43%で、「評価する」の38%を上まわり、安全保障政策だけが評価する・評価しないが拮抗しているが、その他原発エネルギー政策、社会保障政策などは評価しないが5割を超えている現実と、大きなズレ(矛盾)が生じているのではないか、このズレ(矛盾)は何を意味しているのか、と思わざるを得なかったからである
 人々個々の思いが複雑であることは承知しているが、この世論調査に現れたズレ(矛盾)が意味するものが、まさに現代社会を生きる僕たちが抱えている根源的問題を反映しているものだとしたら、今こそ僕たちは立ち止まって部分たちの在り様を見つめ直し、その上で子供や孫たちの生きる「未来社会」を構想し、そして「総選挙」に臨むべきなのではないか。
 つまり、人々が比例区において自民党へ「37%」の人が投票するという世論調査の結果は、選挙制度のマジック(自民党の得票率は野党の合計より低いにもかかわらず、野党の林立によって自民党が漁夫の利を占めた)によって誕生した安倍「極右」政権によって、戦後的価値(平和と民主主義)が否定され、「戦争のできる国」へとまっしぐらに突き進んでいることへ、人々が全面的に「肯定」しているわけではなく、前政権(民主党政権)が「失政」(本当にそうであったか、未だに検証されていない、と僕は思っている)下が故に、「他に政権を委ねる政党が存在しない」という消極的理由を反映した調査結果なのではないか、ということである。
 僕が今こそ「立ち止まって」将来のことをよく考えるべきであり、その考えた結果を投票行動に結びつけなければならない、と言うのは、このまま自民党(及び公明党)に政権を委ねたら、近い将来「とんでもないこと」が起こるのではないか、思えてならないからである。
 というのも、僕らはようやく本格的な「民主主義」が追求され始めたと言っていい「大正デモクラシー」の直後に、日本にも波及した「政界大恐慌」(1929年・昭和4年)から逃れるために(脱却するために)、時の保守党政権は「満州事変」を起こし、中国への本格的侵略を開始したという「歴史」をもっているからに他ならない。「内憂」(アベノミクスの失敗)を「外患」(中国脅威論)へと転化し、ファシズム体制を強化する、これがナショナリスト(右翼政治)の常套手段であること、僕らはそのことをゆめゆめ忘れるべきではない
 その意味で、僕は今まさに「帰路」に立っていると言っても過言ではない。選択肢を誤ったら、とんでもないことがまっていること、また何度でも繰り返すが、「騙されるが側」にも「罪」があること、このことを忘れずに僕らは熟考しなければならない。