牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

生産地に何かが起きている

2009-08-20 20:34:45 | 素牛


2月前も同様のことを書いた気がするが、気掛かりなので取り上げることにした。
鹿児島県のある離島の子牛セリ市が間もなく行われる。
それを前に子牛市に出場する500頭余りの出場名簿が届いた。
それによると、これまで目玉商品であった安糸福の産子が名簿から完全に消えている。
関係市場開設者は、名簿でその理由を知らせて貰いたいものである。
最近はその結果が以前ほどは無くなりつつある県有の高齢牛金幸の産子や安福久の産子が若干出場している程度で、後は新参の種雄牛の産子で賑わっている。
これでは買える牛がいないわ!が仲間の異口同音である。
この傾向は他産地でも見受けられるようであるが、主要精液による産子で、主産地のクオリティーを高めようとしているとしか考えられない。
県・JA・種雄牛繋養者などは、県内各地の係る産業をどの方向へ導こうとしているのだろうか。
不思議なことに、この地では安糸福はいなくなったが、同じ民間の種雄牛繋養者が所有する他の種雄牛の産子は生産されている。
子牛生産者が安糸福を拒んでいれば、理屈にもならないが、そうであれば生産者の思考力を疑いたくなる。
その他に安糸福に遺伝的不具合が生じたとしたら、やむなきことかも知れない。
地域の畜連関係者の今後の産業振興への取り組みとその説明責任も不可欠ではないかと注目したい。