牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

雌牛の方がきつい

2009-08-29 18:39:48 | 牛の管理




当方では、肥育頭数の約15%が雌牛である。
去勢牛と比較すれば、雌牛は性格がこまめに荒い。
去勢牛にも性格に問題のあるものはいるが、2頭飼いにすれば、大概は問題なく経過する。
ところが、雌牛の場合は個々の牛それぞれが自らの都合次第で、他牛を角で威嚇して餌場を確保したり、人の気配を感じて寄ってくる場合なども、角で掻き分けて寄ってくる。
そのために、2~4頭飼いの仕上げ舎に移動すると、互いに腹部などに小傷が付いている。
肥育末期になれば、次第にその頻度は低下するが、稀に最後までその癖が直らない牛もいる。

そこで、雌についてのみ、導入直後に除角することにした。
今から約45年以前、繁殖用雌子牛を6頭導入したが、強弱に差があり、群飼いが不可能となったことがあり、その競合を避ける目的で、除角した。
大変な血を見たものである。
国内でも、最初の試みであったが、それにより競合は完全に解決した。
とくに、繁殖雌牛の場合は、濃厚飼料に関しては、制限給餌のため、競合は避けられない。
今では、除角の機器も様々で意外と楽に出来るようになった。
当時は、輸入品もなく手作りの器具による一手であった。
以来除角は生後間もない頃に行ってきたが、導入後の除角は、実に久しぶりである。
それで、肥育中の競合は解消されるであろうと期待している。