牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

牛RSウイルス

2009-08-24 18:43:10 | 牛の病気


以前、牛RSウイルス病の発症で、導入牛が死亡したと記述したが、再び同様の事例が起きた。
以前の発生は、2~3月頃の最も気温が低い時期であったためか、幾つかの畜舎に感染した。
1頭は感染死したが、その他の育成畜には、急遽RSウイルス用ワクチンを接種することで、大事には至らなかった。
今回は、朝の見回り時に12頭の群飼いの中で、急死していたのに気付いた。
見るからに鼓脹症を疑うほど、腹部周囲はパンパンに大きくなっており、獣医師も鼓脹症を疑った。
導入後1ヵ月の去勢牛で、乾草を主体に前期用飼料を補給している状態で、鼓脹症にしてその原因を判断できない状態であった。
原因が判明しないのでは、再発が気掛かりであった。
万が一、他に死因を疑うことも、必要であろうと、獣医師に相談した結果、獣医師より家畜保健所に解剖を依頼し、受理されたので搬送した。
結果は、RSウイルスの感染症であることが判明した。
そこで気掛かりは、同房の11頭の牛たちであるが、それらには全くの肺炎を疑うような症状はなく、食欲良好のままである。
とは言え、再発防止のため、同ワクチンを取り寄せて接種した。
さらに、1昨日九州から導入の28頭についても、同接種した。
どうやら、同ウイルスが常在している可能性があるが、適宜慎重で最善の対応していくしかない現状である。
噂では、やや離れているが、同管内の酪農家でも、この一両日に同感染症で死亡例が起きたそうである。
導入牛は、競り市前に5種混合ワクチンを接種しているが、この中にはRSウイルスワクチンも含まれているが、その効果には個体差があり、過信は出来ない。
ヘモウイルスの場合も同様である。
今回のことは、前夜に確認できたはずであるが、監視が甘かったとしか考えようがない。
後悔先に立たずを実感せり。