日本史学習拾遺

日本史よもやま話、授業の補足、学習方法

作者の氏神 近松門左衛門の生き方

2012-12-17 04:45:26 | 江戸時代


日曜日時点のミニトマトです。携帯電話の、一眼レフ風という設定モードで撮りました。
なかなか赤くならなくて、やっと一つは鮮やかな赤になってきました。8月下旬に育て始めたので、季節がよくなかったですね。
明るいうちに自宅にいることがほとんどなく、今週もこの日曜日の朝だけでした。
本当に学校まで遠くて、行き帰りだけで疲れます。

さて、授業も月曜日の授業で日本史はおしまいです。お名残り惜しいですね。補習や1月からの特別授業でお会いする人もいると思いますけれども。
近松門左衛門のビデオを最後に見せています。時間があれば、別のビデオも見せたかもしれないのですが。
近松門左衛門は、偉大な劇作家として「作者の氏神」と呼ばれる存在で、武士をやめて人形浄瑠璃などの脚本を書く作家に転職した人です。当時は、作家としての地位が確立されておらず、武士をやめるなんてことは全く普通の人には理解できないことでしたが、お芝居が好きだった近松は、好きな道を行くことを選んだんですね。
このビデオを見せると、例年、生徒は感動して見ています。本校は、演劇をみんな経験しますから、身近に感じるんでしょうか。「曽根崎心中」は近松の作品。覚えてください。赤穂事件と同時代の元禄時代です。

私自身は、役人から教員に思いきって転職して、自分の好きな日本史を教えることと、好きなソフトボールの顧問とをやらせてもらっている現在の生活、好きなことを仕事にできて幸せだなと思います。これからもっと自分のやりたいことができれば、まだ転職するかもしれませんけれども。

受験生の皆さんの進路選択を見ていると、資格が取りたいのでその大学学部、という人が多いです。保育士や看護師など、やりがいがある大切な仕事ですが、命を預かる大変な仕事だし、実は人と接するのが苦手だったりする人もいるはずで、就職に困らないから、といった理由で決めてしまって、大丈夫ですか?本当に、その仕事を好きで一生やっていけますか?本当に好きなら、いいです。今、就職が厳しいから、就職に困らない職業がいい、という理由なら、違います。

大学は、学問をやる所だということは、前にも書きました。専門学校の4年生版ではありません。
例えば、哲学を勉強したって、就職できないんじゃない?というのではなくて、自分が本当に好きで、深く勉強したいと思う分野があったら、それを選んだ方がいいです。大学の勉強は、いやいややるものではなくて、自分で進んで勉強したいと思えるものをやるべきです。

就職なんて、一生懸命勉強した人にとっては、どうにでもなることです。ほどほどの大学に入って、あまり好きでもない勉強を仕方なくやって、資格を取れば就職できるかというと、意外とそうはうまくは行きません。その仕事が心から好きで、熱意がなければ、何をやってもうまく行きません。
逆に、自分の好きな勉強をするならば、ほどほどの入りやすい大学ではなくて、その分野のナンバーワンかオンリーワンの大学を目標にしてほしい。この先生のもとで勉強したい、という先生を見つけられたらなおよいです。
就職の時には、自分は大学でこれだけの勉強・研究をした、と胸を張って言えるものがあれば大丈夫です。
好きなものを勉強した上で、別の職業に興味が出て来て、資格を取る必要が出てきたと思えば、大学を出た後で専門学校に行ったり、大学に入り直したりしてもいいと思います。人生は長いですから、何度でもやり直して大丈夫です。
私が骨折して入院していた時、そこのリハビリの若い女性の先生は、大学では社会学を勉強していたけど、その後リハビリの学校に行ったのだそうです。

どの学部にしようか、まだはっきりしていない人がいたら、自分が本当に好きだと思える分野を選んでください。就職に有利とかそんなこせこせした理由で選ばないでください。

私が高校時代、何となく法学部はどうかなと思っていたら、父親に、おまえは法学部なんて無理だと言われて、そうなのかなと思って、やめました。なぜ法学部がいいと思ったのかといえば、たぶん、実社会と関わりのある分野がいいと思ったのと、法学部はつぶしがきく、という一節をどこかで読んだためです。やめてよかったと思いますが。私は、法律の条文を読んで、理屈攻めで解釈をする世界は好きではないので。父親が言ったのは私のことをよくわかっていたわけではなくて、適当に言ったのだと思いますが。
私自身は、高校では英語が得点源だったのと、日本史もまあできたし好きでしたし、伯父が史学科を出て成功しているので、いざという時には助けてもらえるかなと思い、英文科や史学科など、入れそうなレベルの中で上限いっぱいの大学を選びました。節操ないですね。
英文科でなくてよかったと思いますが、もし英文科に行っていたら、人生は全く違ったものになっていたでしょう。

史学科のある友達は、大学を出てSEをやっていましたが、しばらくして退職し、今は在宅で翻訳の仕事をしています。大学では日本の中世史をやっていたんですけどね。何でもできちゃうんですね。
皆さんも、何でもできちゃう人になってください。そのためには、目の前の勉強を、遮二無二、全力でやり尽くして、キャパシティを大きくしておいてください。あれはやだこれはやだと、勉強する範囲をどんどん狭めていかないでください。貪欲に、学びましょう。

・・・と、近松の話から、ずいぶん広がってしまいました。

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