日本史学習拾遺

日本史よもやま話、授業の補足、学習方法

安藤昌益による「万人直耕」の思想

2013-02-07 05:29:40 | 江戸時代
みんな、元気で受験に挑んでいるのかな?吉報はまだか?と、皆さんの姿が見えない、動きがない、今日この頃、待つ身はつらい・・・と思っているところです。きっと、これから合格発表が佳境に入って、続々と吉報がやってくることを期待しています。

今朝は雪が降って大学によっては試験開始時間を遅らせたりいろいろあったようです。まだこれから本命の試験の人が多いでしょう。平日の電車のラッシュは激しいですし、予定通りの時間で運行できないことが多いですから、本当に、早めに余裕を持って家を出発してください。

さて、今日もZ会『テーマ史』の「豆ちしき」から、江戸時代の思想家、安藤昌益についての文章を使わせていただきます。

「安藤昌益の名が知られるようになったのは、1899(明治32)年にその著『自然真営道』101巻93冊が発見されてからである。関東大震災でその大部分を焼失したが、その後『統道真伝』が発見され、戦後にE.H.ノーマンが『忘れられた思想家』で紹介したことから注目されるようになった。昌益は強固な身分制社会の江戸時代にあって、すべての支配階級を「不耕貪食」の存在として否定し、いっさいの学問や宗教は搾取を合理化するためのものであるとして排撃した。その理想とする社会は万人直耕の自然世、すなわち働く農民だけの平等な世界であった。それは、皇国史観が中心の戦前にあっても、そのまま公表することが憚られる大胆な反封建・反権力思想であった。昌益の詳しい人物像は不明だが、陸奥の八戸で町医者を開業し、その学問は医学・本草学の他に儒・仏・神の三教にも及んだという。また、長崎に遊学し、海外事情にも明るかったといわれる。」

確かに、江戸時代の学問や宗教は搾取を合理化するものであるという指摘は当たっている所もありますね。朱子学も、身分社会を維持していくのに好都合な学問でした。
『自然真営道』は93冊もあったのか、と驚きます。『統道真伝』もどちらも、史料問題として出ることがありますので、史料問題集などでこの有名な文章にあたっておいてほしいと思います。

「万人直耕」は、大事な考え方ですね。働かないで搾取するばかりの人がいてはいけないし、現代でも、農業は大切にしていかなければならないし、土と親しむ仕事は、大変な面もありますけれども、サラリーマンとして満員電車に揺られて9to5でデスクワークをするより、人間的で、心が安らぐ仕事かもしれません。

江戸時代の思想家の名前と業績を覚えるのは大変ですが、覚えておけば、差のつく所ですので、がんばって覚えてください。覚えにくいのは確かで、そういうものは、とにかくしつこくしつこく繰り返し覚える。覚え方を少しでも知りたい、という人は、私に聞いてください。

では、引き続き健闘を祈っています。


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