今年は伊勢神宮で20年ぶり、出雲大社で60年ぶりの式年遷宮(新しい社殿を造って神様がそちらに移る)が行われることもあって、神社に注目が集まっているのでしょうか。日本全国の神社のお宝が上野の東京国立博物館で公開されています。
私は定時制高校勤務となったために、午前中の時間を使って博物館に行けばいいじゃないか!と思い立ち、5月1日・ゴールデンウィークの谷間、行って来ました。
少し混んでました。
もともと、神社があまり好きではないし、弘仁貞観文化あたりからの神仏習合の像(僧形八幡神像とか神功皇后像とか)が好きではなく、今回の大神社展のポスターの像も好みではなかったので、あまり気に留めていなかったのですが、最近ちょっと考えを改めたというか、ある関心がわいてきて、見に行くことにしたのです。
神社にはお宝がたくさんあるんだなあ、と感心しました。国宝がぞろぞろ大量に。しかも、保存状態がかなりいい。神社の保有しているお宝がこういう所に出てくるのは、お寺よりも、機会が少ないのかもしれません。日頃大事に大事に、人の目にふれないように、神社の奥の方にしまわれていたんでしょうね。
私が印象に残ったのは、まず、絶海の孤島にあって、今でも女人禁制の沖ノ島(福岡県)のお宝です。方格規矩鏡(国宝)も貴重なものですが、知らなかったもので、ほー・・・と驚いたのは、「金銅製雛機(ひなばた)」(国宝)という名前なのですが、ミニチュアの機織り機です。名前のとおり、金銅製で、大きさ30cm角もないくらいの機織り機が、実に精巧に作られています。8~9世紀(奈良~平安時代)のものだそうです。「杼(ひ)」までちょこんと置いてあったので、本当にリアルです。本当に奈良時代の頃にこんな精巧なものが作られたのか?しかも、仏像などではなく、仕事の道具のミニチュアですよ。
http://daijinja.jp/sp/highlight/02s006.html
当時の人々にとっては、機織りという仕事がとても大切なものだったから、このようなものも作られ、残っているんだなと改めて感じました。沖ノ島にあったというのがまた感慨深いです。ここは、「海の正倉院」ともいわれます。
沖ノ島のお宝が多数出品されていましたが、デザインが独特なものが多いです。とても精巧で、また、繊細です。日本オリジナルのものでない雰囲気があります。かといって、どこから来たものなのだろう?
他に、印象に残ったものは以下のとおりです。
千葉・香取神宮の「海獣葡萄(ぶどう)鏡」(国宝 8世紀=奈良時代または唐の時代)も、いろんな動物の画像が、精巧に、立体的に描かれていて(獅子・馬・鹿・麒麟・鳳凰・蜂・蟷螂=かまきり だそうです)、同じような鏡の中では、秀逸だと思いました。昆虫まで描かれているのがユニークです。千葉県という東国に、このような立派な美術品が残っているのが意外でした。当時の文化の中心は奈良ですからね。香取神宮にも興味がわきました。
奈良・石上神宮の「七支刀」(国宝 4世紀=古墳時代)は有名なものですが、私が実物を見たのは初めてなのだろうか・・・?鹿の角みたいに枝分かれしている形が独特の刀です。百済の王から倭王に贈られたものだということです。銘文がよく見えるように展示されていました。その訳文は、本当にそう読むのかな?と思ったりもしましたが、とにかく、百済の王から日本の王に贈られたものであるのは確かなのでしょう。
物部氏とも関わりの深い宝物で、これも感慨深く見ました。なかなか見られるものではないので、この機会にご覧になるのをお勧めします。
http://daijinja.jp/mobile/highlight/05s016.php
茨城・鹿島神宮の「直刀 黒漆 平文大刀(ひょうもんたち)」(国宝 9世紀=平安時代)は、何しろ大きくて立派なのに驚きました。223cmあるそうですが、さびることもなくぴかぴか光っていました。平安時代に、こんな長くて立派な刀が、これも東国(茨城県)に保存されていたというのも驚きでした。さっきから、千葉や茨城の神社の宝物を書いていますが、本当に、あなどれません。
広島・厳島神社の「平家納経」(国宝 12世紀=平安時代)も、教科書や図説ではおなじみですが、これもじかに見たのは初めてなのだろうか?平家一門の繁栄を願って、経文が心を込めて写されています。特に、お経の装丁の、四角い金箔の模様がほどこされていたりするのを見て、本当にきらびやかな、平家の栄華をそこに見ることができるような、貴重な工芸品だと思いました。
上野の東京国立博物館で6月2日まで開催されています。
おまけ(次回予告?)
ペリーもやってきた浦賀の港です。京浜急行で「浦賀」行きを見ていると、どうしても一度行きたくなって。購入したばかりのレンズを連れて行きました。
私は定時制高校勤務となったために、午前中の時間を使って博物館に行けばいいじゃないか!と思い立ち、5月1日・ゴールデンウィークの谷間、行って来ました。
少し混んでました。
もともと、神社があまり好きではないし、弘仁貞観文化あたりからの神仏習合の像(僧形八幡神像とか神功皇后像とか)が好きではなく、今回の大神社展のポスターの像も好みではなかったので、あまり気に留めていなかったのですが、最近ちょっと考えを改めたというか、ある関心がわいてきて、見に行くことにしたのです。
神社にはお宝がたくさんあるんだなあ、と感心しました。国宝がぞろぞろ大量に。しかも、保存状態がかなりいい。神社の保有しているお宝がこういう所に出てくるのは、お寺よりも、機会が少ないのかもしれません。日頃大事に大事に、人の目にふれないように、神社の奥の方にしまわれていたんでしょうね。
私が印象に残ったのは、まず、絶海の孤島にあって、今でも女人禁制の沖ノ島(福岡県)のお宝です。方格規矩鏡(国宝)も貴重なものですが、知らなかったもので、ほー・・・と驚いたのは、「金銅製雛機(ひなばた)」(国宝)という名前なのですが、ミニチュアの機織り機です。名前のとおり、金銅製で、大きさ30cm角もないくらいの機織り機が、実に精巧に作られています。8~9世紀(奈良~平安時代)のものだそうです。「杼(ひ)」までちょこんと置いてあったので、本当にリアルです。本当に奈良時代の頃にこんな精巧なものが作られたのか?しかも、仏像などではなく、仕事の道具のミニチュアですよ。
http://daijinja.jp/sp/highlight/02s006.html
当時の人々にとっては、機織りという仕事がとても大切なものだったから、このようなものも作られ、残っているんだなと改めて感じました。沖ノ島にあったというのがまた感慨深いです。ここは、「海の正倉院」ともいわれます。
沖ノ島のお宝が多数出品されていましたが、デザインが独特なものが多いです。とても精巧で、また、繊細です。日本オリジナルのものでない雰囲気があります。かといって、どこから来たものなのだろう?
他に、印象に残ったものは以下のとおりです。
千葉・香取神宮の「海獣葡萄(ぶどう)鏡」(国宝 8世紀=奈良時代または唐の時代)も、いろんな動物の画像が、精巧に、立体的に描かれていて(獅子・馬・鹿・麒麟・鳳凰・蜂・蟷螂=かまきり だそうです)、同じような鏡の中では、秀逸だと思いました。昆虫まで描かれているのがユニークです。千葉県という東国に、このような立派な美術品が残っているのが意外でした。当時の文化の中心は奈良ですからね。香取神宮にも興味がわきました。
奈良・石上神宮の「七支刀」(国宝 4世紀=古墳時代)は有名なものですが、私が実物を見たのは初めてなのだろうか・・・?鹿の角みたいに枝分かれしている形が独特の刀です。百済の王から倭王に贈られたものだということです。銘文がよく見えるように展示されていました。その訳文は、本当にそう読むのかな?と思ったりもしましたが、とにかく、百済の王から日本の王に贈られたものであるのは確かなのでしょう。
物部氏とも関わりの深い宝物で、これも感慨深く見ました。なかなか見られるものではないので、この機会にご覧になるのをお勧めします。
http://daijinja.jp/mobile/highlight/05s016.php
茨城・鹿島神宮の「直刀 黒漆 平文大刀(ひょうもんたち)」(国宝 9世紀=平安時代)は、何しろ大きくて立派なのに驚きました。223cmあるそうですが、さびることもなくぴかぴか光っていました。平安時代に、こんな長くて立派な刀が、これも東国(茨城県)に保存されていたというのも驚きでした。さっきから、千葉や茨城の神社の宝物を書いていますが、本当に、あなどれません。
広島・厳島神社の「平家納経」(国宝 12世紀=平安時代)も、教科書や図説ではおなじみですが、これもじかに見たのは初めてなのだろうか?平家一門の繁栄を願って、経文が心を込めて写されています。特に、お経の装丁の、四角い金箔の模様がほどこされていたりするのを見て、本当にきらびやかな、平家の栄華をそこに見ることができるような、貴重な工芸品だと思いました。
上野の東京国立博物館で6月2日まで開催されています。
おまけ(次回予告?)
ペリーもやってきた浦賀の港です。京浜急行で「浦賀」行きを見ていると、どうしても一度行きたくなって。購入したばかりのレンズを連れて行きました。