まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

スタンド・バイ・ミー

2016年10月11日 | 日記

4人の少年たちのこの後ろ姿を見ると
懐かしい歌声が聴こえてくる。
ベン・E・キングの主題歌「スタンド・バイ・ミー」だ。

はるかに続く線路の彼方には
胸おどるような「冒険の森」が待っている。
男の子はいつの時代も冒険に憧れる。
子供の頃から「トムソーヤ」や「ハックルベリー・フィン」を
夢中で読んで育った私も例外ではない。
男の子はつねに冒険を夢見て成長するものである。



1986年公開のアメリカ映画である。
モダンホラー小説の巨匠スティーヴン・キングの短編を
ロブ・ライナーが監督して大ヒットとなった。

舞台は1950年代のアメリカ
オレゴン州の小さな田舎町キャッスルロック。
それぞれ心に傷を持った四人の少年が
好奇心から線路伝いに「死体探し」の旅に出るという
ひと夏の冒険物語である。
ゴーディ、クリス、テディ、バーンの四人は
正確も個性も違っていたが互いにウマが合う遊び仲間だった。
木の上につくった秘密基地に集まっては
一緒にタバコを吸ったりトランプをしたりの悪ガキたち。
少年らしい仲間意識で結ばれている。



ある日、行方不明の少年が30キロも離れた森の中で
列車にはねられ死体のまま野ざらしになっているという噂を聞く。
死体を見つければ町の英雄になれると
四人は冒険の旅に出るのだが・・・

Stand by Me 予告編

冒険そのものは他愛のないものである。
調子にのって肝だめしで列車に轢かれそうになったり
森の中の水たまりでヒルの大群に襲われたり
野宿した夜は不気味な声に怯えたり・・・
でも、その一つ一つが少年たちにとっては
かけがえのない冒険なのである。



クリスとゴードンは互いの悩みを告白し合い
この旅でさらに友情を深める。
アル中の父と不良の兄を持って将来に希望が持てないクリス。
自分の内向的な性格と父親との不仲に悩むゴドードン。
二人はともに励まし合って
ひと夏の冒険は終わりを告げるのだが・・・

大人になったクリスは家庭環境に負けず猛勉強して弁護士に。
ゴードンはクリスが誉めた文才を生かし作家の道へ。
しかし、そこには思わぬ悲劇も・・・
映画はクリスの回想で展開するのだが
この回想が限りなくあたたかく、そして悲しく
ハリウッド映画の真骨頂であった。


セイタカアワダチソウの郷愁

2016年10月11日 | 日記

フェンスの向うに生い茂るのは
雑草の代表選手で知られるセイタカアワダチソウ。
雑草という名の植物はないのですが・・・

その生命力は凄まじいものがあります。
悪名高き「帰化植物」ですから遠慮というものがありません。
空き地や土手や河川敷を次々と侵食し
日本古来の野の花や野草を根こそぎ駆逐しながら繁殖します。
世間からは迷惑がられ忌み嫌われながらも
北は北海道から南は沖縄まではびこり
いたるところに「群落」をつくって成長し続けます。
どこに行っても邪魔者あつかいのセイタカアワダチソウですが
でも、私は嫌いではありません。
不思議な親しみを覚え、郷愁さえ感じます。

中学生の頃・・・
友だちも少なく孤独だった私は
学校の帰り道、セイタカアワダチソウが生い茂る空き地で
よく寝転がってあれこれ夢想したものです。
好きな女の子のことを思ったり
将来、何になろうかと真剣に考えてみたり
時にはそのまま寝入っていまったり
そんな時、必ず背高い黄色い花が私を包んでくれていました。
セイタカアワダチソウは今にして思えば
心の安定剤のようなものでした。

秋はセイタカアワダチソウの季節です。
年がら年中見かける気もしますが
秋はいつにも増して勢力が旺盛になる季節のようです。
この年になるとさすがに寝転んだりしませんが
あの鼻たれ小僧の時代に戻って
セイタカアワダチソウに囲まれてあれこれ夢想してみたいです。
名状しがたい郷愁を覚えますねえ。

福島第一原発のほど近く
双葉町は今も「帰宅困難地域」のままです。
人っ子一人いない荒地で
セイタカアワダチソウだけが勢いよく咲いています。
オリンピックのバカ騒ぎをよそに
ここでは「あの日」からずっと時間は止まったままです。
この国は本当にどこへ行くのか・・・
セイタカアワダソウが郷愁の花ではなく
怨念の花に見えてしまいます。