まろの公園ライフ

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ゴッホとゴーギャン展

2016年10月19日 | 日記

ゴッホとゴーギャンが
二人揃って上野の杜にやって来ました。
因縁浅からぬ(?)二大巨匠の競演は初めてでしょうか。

久しぶりの東京都美術館。
今年五月に「若冲展」を観にやって来たものの
余りの行列の凄さに恐れをなして断念したものでした。
この展覧会も相当な混雑が予想されたものの
平日の昼間を狙って行ったのでぶじ入館することが出来ました。

ゴッホとゴーギャン。
二人とも超個性的とも言える天才画家です。
一般的にはポスト印象派に位置づけられる二人ですが
作風や絵画表現に対する考えの違いは顕著で
ことごとく対立しながらも
互いの才能を認め合う仲だったと言えます。



そんな二人が南仏アルルで共同生活を始めたのは
確か1888年の秋、美術ファンの間ではお馴染みの話ですよね。
ゴッホ35歳、ゴーギャン40歳。
互いに刺激し当って創作に励む計画でしたが
いざ共同生活が始まるとたちまち意見がぶつかりあい
激しく議論を交わすうち次第に関係は悪化。
1888年12月、ゴッホは有名な「耳切り」事件を起こして
アルル市民病院の精神科に入院。
夢にまで見た共同生活はわずか二ヵ月で破綻します。



その短い共同生活の中で
ゴッホが描いたのがこの「収穫」です。
自身「他のすべての作品を完全に圧倒する」と語ったほど
かなりの自信作です。



対してゴーギャンが共同生活時代
同じテーマで描いたのが「ブドウの収穫、人間の悲惨」です。
うーん、これだけ作風が違うのですから
意見が対立し合うのも無理はありませんね。(笑)
自分の眼で見た現実の世界を独特の筆致で描くゴッホに対し
実際に見た風景を想像力で再構築し
どこか象徴性を帯びた画面をつくり出したゴーギャン。
互いに尊敬し合いながらも
強烈すぎる個性の溝は埋めきれなかったのでしょう。



ゴッホがピストル自殺を図って死んだ十年後
ゴーギャンが描いた「ひまわり」です。
彼はすでに西洋文明を嫌ってタヒチに移住していましたが
わざわざパリからひまわりの種を取り寄せ
せっせと育てていたと言います。
おそらく親友ゴッホへの追慕だったのでしょう。

ミュージアムショップで
ゴッホとゴーギャンのトートバッグを買いました。
ヘヘ、なかなか可愛いと思いませんか?
自画像はいつも鬼気迫るような表情の二人ですが
こうしてイラストにすると何とも愛嬌があって素敵ですねえ。