この花は何と言ったか・・・
見たことがあるがなかなか思い出せない。
道端にはそんな「名も知らぬ花」が山ほどある。
ガードレール脇にひっそりと咲いている。
人が植えたのか、勝手に咲いているのかも定かではない。
小さいけれどなかなか可愛らしい花である。
結局、わからないまま前を通り過ぎてしまうのであるが
心の中ではずっと気になっている。
これも名前がわからない。
形状からして菊の仲間だとは思うのだがわからない。
わからないままいつしか忘れてしまう。
でも、路傍の花はどれもたくましく健気に咲いている。
山本有三の小説に「路傍の石」という作品があった。
路傍の石とは道端に転がっている石ころのような存在という意味だ。
中学の読書感想文で読んだ記憶がある。
貧乏のどん底に生まれ育った主人公の青年が
運命に翻弄されながらも艱難辛苦に耐えて人生を切り拓く。
多分に道徳的な話だったような気がする。
貧乏人はどこまでも貧乏で、金持ちはどこまでも金持ちで
今にして思えば現代の「格差社会」にも通じる
なんとも理不尽な小説だった。(笑)
これもよくわからない。
ツツジにそっくりだがツツジがこの季節に咲くだろうか?
蝶々が一心不乱に頭を突っ込んでいるから
おそらく甘い蜜が出るのだろう。
こうして見ると・・・
花の世界も「格差社会」ではなかろうか。
バラやランの花のように常に脚光を浴びるスターもいれば
一山いくらの石ころのような路傍の花もある。
美しさには変わりはないのに
まことに理不尽な格差社会なのである。
これは先日覚えたばかりの
ルリマツリ(瑠璃茉莉)という花である。
淡いブルーにとても品があってよく手入れもされている。
山本有三の「路傍の石」の中で
印象に残っていた言葉をふいに思い出した。
「働くことは、はたを楽にすることである」
登場人物の誰が言った言葉なのかはわすれてしまったが
なるほどなあ・・と妙に感心した覚えがある。
私の掃除バイトもアルバイトではあるが
周囲の人たちの暮らしを楽にしているのかも知れない。
そう思うと俄然、労働意欲がわいて来た。(笑)
ラッパを逆さにしたようなデカイ花である。
これも名前がわからない。
誰か知っていたら教えてくれませんか?