まろの公園ライフ

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富山の薬売り

2016年10月04日 | 日記

今朝、六時半の空である。
沖縄方面にはまたまた台風が来ているらしいが
久しぶりに秋らしい空である。

寝ぼけまなこでテレビをつけたら
例の富山市議会の政務活動費不正流用問題で
辞職議員がまた一人増えて合計12人になったという。
まあ、以前から全国各地の議会で不正流用問題は発覚していて
今さら驚くにも当たらないとは言え
富山市議会の「辞職連鎖」はいささか異常である。
モラル意識の低さには呆れるしかないが
毎日新聞の「余禄」を読んでいてなるほどなあと思った。

富山県の持ち家率は8割で全国Ⅰ位だそうである。
夫婦共働きが多く、勤労世帯の実収入も全国トップクラスだ。
道路などの社会資本整備も進んでいて
さまざまな調査で「住みやすい県」ランキングの上位にいる。
住民が暮らしやすい県だから
さぞかし議員生活も快適なのだろうかと
皮肉の一つも言いたくなる。(笑)



富山と言えば「薬売り」が有名である。
私の島根の実家にも富山の「売薬」の箱が置いてあって
年に一度、薬売りのオジサンが訪ねて来て
中の薬を入れ替えては、使った分の代金を受け取っていた。
おまけにくれる「紙風船」が子供心に楽しみだった。
江戸時代に始まったこの商法がなぜ受け入れられ
インターネットや通販全盛の現代も連綿と続いているのか?
それはとりもなおさず「信頼」なのである。



富山の薬売りの精神は「先用後利」である。
つまり「用いることを先にし、利益は後から」が
富山売薬の基本理念なのである。
顧客は薬のおかげで病を癒した後、感謝しつつ代金を支払う。
薬売りとの間に自然に信頼関係が生まれ
次の年も訪ねて来るのを待つ。
両者を結び付けているのは
薬の「効き目」だけではなく信頼という付加価値である。



余禄氏は・・・
政治の世界に「先用後利」はないのかと問いかける。
市民のために働いて成果を出し
感謝されてこそ、堂々と報酬を手にできる。
それを全国の議員に気づかせる「妙薬」はないかと問いかける。
まことにその通りなのであるが・・・