まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

住民エゴの秋

2016年10月02日 | 日記

これ、何の実か知っていますか?
キンカンよりちょっと大きめの真ん丸な黄色い実。
よく見ると枝には鋭い刺があります。

正解!その通りです。(笑)
春には白く可愛い花が咲く『カラタチ』の実です。
島倉千代子さんの歌にもありましたねえ。
美味しそうに見えますがとても食べられたものではありません。
私は一口かじった途端、卒倒しそうになりました。
鋭いトゲがあるので昔はよく生垣などに利用されましたが
最近はブロック塀にすっかり押されて
公園でも残っているカラタチの木はこの一本だけです。

ギンナンの実がすずなりです。
こちらはカラタチと違ってちゃんと食べられます。
松茸の土瓶蒸しには欠かせませんねえ。
先日、蕎麦屋で飲んだときに「塩炒り」を頂きましたが
なんとも風味豊かで秋を感じました。
でも、本当は「松茸の土瓶蒸し」が食べたかった・・・〈笑〉

ギンナンの実は臭いますねえ。
前を通っただけでプーンと腐臭が漂って来ます。
まあ、自然が相手だけに仕方ないですが
この季節、公園事務所には苦情電話が殺到するそうです。

  「臭くて窓が開けられないのよ!」
  「子供が落ちてる銀杏を拾って食べそうになったのよ!」
  「とにかく臭いをなんとかしろ!専用の消臭剤とかないのか」
  「斬れ、斬れ、木を斬ってしまえ!」

住民エゴは際限なくエスカレートするものですが
イチョウの木を伐れと言われた公園職員は
さすがに絶句したと言います。
毎年の銀杏ひろいを楽しみにしている人もいれば
わずかな臭いにいきり立つ人もいます。
世の中全体に「寛容」の精神がなくなっているような・・・
もっと心のゆとりがないものですかねえ。



私のお掃除マンションでも苦情が絶えません。
例えばハトのフン害に一つにしても・・・

  「洗っても洗っても洗濯物が汚されるのよ!」
  「クリーニング代とか負担してくれるの?」
  「ハトもカラスも徹底的に駆除しろよ」
  「ドアの前にハトが糞をして出られないのよ!」

そんなクレームが寄せられる一方で
ベランダでせっせと鳩にエサをやって飼育している住民もいて
理不尽さを通り越して呆れます。
そのうち風に揺れるコスモスの花を見て
「うるさいから切ってしまえ」という人も現れるかも知れません。
まことに住民エゴは始末におえまへん。