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さよなら三角また来てへなちょこ

食い意地先行の放浪ブログ。たまにはHIVの事。

島は、僕を呼んでいる…と勝手に思っている男。

2010年07月21日 23時53分19秒 | 旅行


そんなわけで、沖縄本島の旅行から帰ってきてから、2週間。
再び、八重山諸島に旅行してきました。

八重山と本島と、一緒にぐるっとまわるのが、自分のいつものパターンでしたが、
どっちもゆっくり旅行したいと思って、今回は贅沢に、どどーんと、別々に行ってきました。

…ボーナスが支給されたばかりにも関わらず、おかげで、もう旅行貧乏です。

でも、自分は、それでいいんだと、思い込ませて、
梅雨明けした東京で、また仕事に向かっています。


今回行ったのは、波照間島と、鳩間島。
位置関係は、地図が一番わかりやすいですが、簡単に説明すると、石垣島の西の方向に西表島があり、
西表島の南側およそ30kmあたりに人口約500人が住む波照間島があり、
西表島の北側およそ5kmのあたりに人口約50人が住む鳩間島があります。

波照間島は一般人が立ち寄れる、日本で最南端の島。
さとうきびの栽培が主な産業で、島の周囲はバイクで30分くらいで回れる大きさです。
自分は、過去3回訪れていて、このブログを昔から知ってくれている方には、
何度も出てきている名前で覚えていてくれている方もいらっしゃるかと思います。

鳩間島は、島の周りを歩いても1時間ほどで歩けてしまう、小さな島。
廃校の危機にあった小学校を、全国から離島に子供を呼び寄せるなど、
「里子」制度によって島の小学校を守ったという話をまとめた本を元に、
成海璃子さん主演で「瑠璃の島」という、日本テレビのドラマの舞台にもなり、
小さな島が注目されたこともあります。
自分は、今回、初めて訪れました。

どちらの島でも、民宿で泊ったお客さん同士で話題になったのですが、
今年の八重山は、去年に比べて、観光客が少ないのだとか。
自分も2年前に行った時に比べて、民宿や船の混み具合などが違った気がします。

お客さんの少なさは島の人たちの暮らしを直撃するし、
かといって、多すぎると、島の良さが失われてしまう。

…どちらにしても、市井の観光客が首を突っ込む話題ではないかもしれませんが、
八重山の離島を、一度訪れたお客さんが、リピーターになって何度も行きたくなる魅力を、
微力ながら伝えられればと思います。
そんなわけで、波照間島と鳩間島の紹介を、2回にわたって、綴ってみたいと思います。


またまた沖縄行っちゃった4DAYS…その6「必ずまた行くと、決めた日。」

2010年07月19日 23時57分35秒 | 旅行
そんなわけで、6月25日~28日まで、沖縄本島に行ってきました。
もう少し旅行記にお付き合いください。
今回は、4日目、最終日の朝からスタート。


……


午前7時半。
沖縄県中頭郡北中城村。


夏の強い日差しが、窓の外の建物に降り注いでます。
宿主は、起きてすぐに、飼い犬と飼い猫に餌をあげ、支度をはじめてくれているようです。

おっちゃん「今日は早めに出かけようかー」


……


それは、昨晩のこと。
実は、今日は、おっちゃんの相方さんと3人で手作りパスタソースで夕食を囲もうと、
予定していてくれたのですが、
昨晩、ちょっとしたお互いの確認ミスで、昨晩、今日の予定を確認したら、
東京に帰る日を一日勘違いしてたことが判明。
飛行機の時間を考えると、どうしても、今夜の、3人で囲んでの食事は無理そうです。

kumazzzo「悪いことしちゃったなあ。ごめんね!ちゃんと確認しておけばよかったなあ」

うれしいのは、沖縄生まれ、沖縄育ちの二人が、
僕をこうして暖かく受け入れてくれていること。
その気持ちがうれしいだけに、残念な思いをさせてしまったことが、申し訳ない。


おっちゃん「それなら、早く寝ようか…」

でも、飼い犬のつむぎさんや、飼い猫のまーぶるさんとお別れするのが、急に惜しくなって、
甘えてくるまーぶるに、ずっとそばにいてあげたくなって、
結局、この日も寝るのがずるずると遅くなってしまいました。
ベッドで横になっても、寝付けたようで、なかなか眠れなかったのは、
きっとそんな気持ちがどこか、ずっとぐるぐるしていたからでしょう。

……


バックパックに荷物をまとめはじめます。
名残惜しいけど、仕方ない。
おっちゃんと僕の準備がそろったところで、荷物を背負って、出発します。

2年前は、つむぎさんはまだ幼かったので、僕らが出かける時は、
一緒についてきてドアから出てきてしまわないように、
おやつで気をそらしてあげないといけなかったのですが、
彼女も成長したのでしょう。なにもしてあげなくても、
ちゃんとお留守番できるようになりました。

また会える。
絶対に会える。
いや、会いに来るんだ。
前回みたいに僕が泣かなくなったのも、
つむぎ同様、僕が成長した証かもしれません。
きっと来年もくるぞという強い気持ちを持って、車に乗り込んでいざ、出発です。


ラジオのパーソナリティ「今日から沖縄自動車道無料化ですが、どうでしたか?」
電話口のリスナー「いつもと変わりませんでしたねー」

沖縄の高速道路でも無料化実験がこの日から始まり、
混雑が予想されましたが、初日の朝はそれほどでもなかったようです。
車は、一路、南部に向けて、疾走します。


向かった先は、南城市にある、斎場御嶽(せーふぁーうたき)。
琉球の民俗信仰で、神様がやってきたり、住んでいる場所を
御嶽といいますが、沖縄各地にある御嶽の中でも、
琉球王朝を作ったとされるアマミキヨという神様が、最初に地上に降りてきた久高島を、
拝めることができる、斎場御嶽は、最高位とされ、
かつての琉球国王は、神事があるたびに、ここに立ち寄って催事を行ったのだとか。
僕らのような者が簡単に立ち寄れるところではなかったはずです。
おっちゃんも自分も、しばしの間、少し緊張感のある、静かな時に包まれます。






続いて、向かったのが安座真港。
斎場御嶽から見えた久高島へ向かいたかったのですが、
帰りに乗る予定だった船が、ドックに入院中で、
飛行機の出発の時間を考えると、島滞在が、1時間足らずに。
でも、一度行きたかった場所。ちょっと無理気味ですが、
船に乗ってみることにします。
出発までには、まだ時間があるので、港を散策です。









kumazzzo「おっちゃん、すごくいい景色だったよ。」
おっちゃん「相方さんが、見送りに来れるかもってメールで返事が来たさ。」
kumazzzo「いや、申し訳ないなあ。ありがたい!」

荷物を積み込み作業の横を僕らも乗り込みます。



しばらくして出発です。高速船なら10分近くですが、フェリーだと20分ぐらいかかります。
すこし、うとうとするくらいの時間で、久高島に到着です。

kumazzzo「自転車を借りよう!」
おっちゃん「たしかあっちだったような…」

久高島は、琉球を作ったとされる神様「アマミキヨ」が、初めて地上に降り立った島と言われており、
古代から、神事と生活が、そして琉球王朝の権威と神事が、強く結びついたのですが、
島に生まれ島に嫁いだ女性が、島の祭祀に参加できるようになるための式で、
12年に一度行われる「イザイホー」という神事は、1978年を最後に、
対象となる女性がいなくなってしまい、ついに、途絶えてしまったようです。
ただ、今でも島のあちこちは、神聖な場所としてまつられ、
住民全員で土地を所有するという古くからの制度が続いており、
今でも、神様と住民との付き合いが色濃く残っています。


自転車を借りて走り出したのですが、どうやら、メインの道とは違っていたようで。




kumazzzo「おっちゃん、早く~」
おっちゃん「ナビで調べてるさー」
kumazzzo「いや、ナビでないんじゃないかい?」
おっちゃん「ナビに出たさ」

ちょっと焦らせてしまったようです。
それでも、行けるところまで、行ってみました。









もうぎりぎりってところまで行って、戻ってきて、自転車を返します。
もしかして、久高島の神様は、またゆっくりと島に来なさいと、
僕らに告げていたのかもしれません。

港から船が出発するときに、島に泊っていたと思われるお客さんを送る子供たちが、
次から次へと岸壁から飛び降りて、見送る姿が見えました。
さよならの気持ちを飾らない様子で、体いっぱいに表現する子供たち。




おっちゃん「うるっとくるさー。俺も飛び込んでみような」

その気持ちは充分にわかるけど、船から飛び降りるのはちょっと危険です。

kumazzzo「あはは、助けてくれないさー」

船が港に着いたら、お昼ご飯にちょうどいい時間。

おっちゃん「すんごくおいしいそばか、すんごく眺めの良い店のカレー、どっちがいい?」
kumazzzo「ご飯粒が食べたいからカレーでもいい??」

そんなわけで、やってきたのは、南城市にある「レストランカフェ くるくま」。
南部の高台から、広いリーフの広がるきれいな海を眺められる、人気のレストランです。
どのくらい人気かといえば、この店にもうちらの組合の方々が何組がいるくらい人気です…
いや、ピークを過ぎた平日の時間帯でも、待たないと入れないくらい人気です。
呼び出しの無線機を持たされるので、待っている間は、ちょっとした展示スペースや、
眺めの良いテラス席で待つことができます。

kumazzo「おっちゃんきれいだねえ」
おっちゃん「ちょっと焦ってきたかも」

この後、おっちゃんの相方さんと合流しなければならないので、
あまりのんびりしてもいられません。
ただし、この海を前にしたら、のんびりせずには居られません。





おっちゃん「kumazzzo、順番だよ」

レストラン内は冷房が気持ちよい!
この敷地内で育てられたと思われるハーブを使った、
アジアンテイスト溢れるカレーが、名物です。
オーダーしたハーブチキンカレーは、ハーブの香りと、スパイスが効いているけど
ココナツの甘さが光るカレーです。




お腹いっぱいとなったところで、いざ、車に乗って、北に向かって出発です。

kumazzzo「相方さん少し待たせてしまったかな」

アメリカ統治下から残るような建物が並び、風景も先ほどまでとはがらっと変わります。
まだまだ知らない沖縄。
次の沖縄旅行の宿題も、まだ盛りだくさんのようです。

しばらくして、おっちゃんの相方さんと合流です。

kumazzzo「本当にわざわざすいません。」
相方さん「(出発が延びて)逆だったらよかったのにね」

本当なら、今夜はおっちゃんの家で、ご飯をご一緒する予定だったのに、
わざわざ見送りのために、時間を開けてくれたことに、深く感謝です。

自分が撮った久高島の写真を相方さんに見てもらいながら、
子供たちが岸壁から飛び込んだエピソードを話し出すおっちゃん。

おっちゃん「感動したさー」
相方さん「昔は男は、みんなああして女の子とか見送ったんだよ。」
おっちゃん「そんな不純な感じじゃなくて純粋だったさ。」
kumazzzo「気持ちを体いっぱいで表していてよかったよね」

楽しい時間はあっという間です。
那覇空港に到着です。
二人にレストランで待っていてもらっている間に、
会社へのお土産を確保するために、モールでお買い物です。

何を買おうか、いつも迷ってしまうのですが、
あまりベタじゃないものをいくつか選んで、再び、レストランへ。
出発時間まで、1時間と少し。
今の自分の状況やユーミンの話、そして念願だったアドレス交換をお願いして、
そろそろ、出発です。

kumazzzo「ほんとわざわざありがとうございました…来年、また来ます!」


2年前は、検査場の中で寂しくなって涙がこぼれたけど、
なんだろう、つむぎとお別れの時もそうだけど、
なんだか、今度は、またすぐ会える、必ず会える気がした。
3回目の沖縄は、今までと違って、
寂しさと同時に次も必ず来るという、強い気持ちが湧いてきました。

来年は絶対に、友達と一緒に来よう。
待っていてくれるはずの友達に会いに行こう。

そんな夏の始まりの旅行でした。

またまた沖縄行っちゃった4DAYS…その5「駆け足で流れてく時間を止めてみる。」

2010年07月09日 00時24分38秒 | 旅行

6月25日~28日まで、沖縄に旅行してきました。
しばらく、その旅行記でお楽しみください。

……

午後0時。
沖縄県中頭郡北中城村。

宿主の飼い猫が、とことことベッドのほうへ歩いて行って、寝ている宿主に
ちょかいを出しているようです。

おっちゃん「うっ、んー!」

どうやら、宿主は起きたようです。

おっちゃん「くまぞー、おはよー!…あーごめん!!」

昨晩は遅くまで車を運転して、さらに、僕が寝た後も、起きていのでしょう。
少しでもゆっくり寝ていて欲しかったけれど、
飼い猫のまーぶるや、犬のつむぎさんは、もしかしたら、おっちゃんに、
かまってもらいたかったかもしれません。

kumazzzo「ぱーぱーが起きてくれてよかったねー」

しばし、一人と二匹で、ぱーぱーが起きたこと喜びます。
外はとてもよい天気。金曜、土曜、日曜とだんだん天気が良くなっているようです。

おっちゃん「今日は、北のほうへ行ってみようか…」

急いでシャワー浴びて、出かける支度をします。
今日は、つむぎさんも一緒に途中まで車に乗って、
おっちゃんのご実家へ預けて行きます。

つむぎさんは、ご実家に近づくと、きょろきょろそわそわと。
なんとも、お利口が、かわいらしいですな。
車はおっちゃんのご実家の駐車場へ。
家の前では、どうやら近所の子供たちが集まって遊んでいるようです。
なんとも、田舎らしい風景です。

甥っ子君「こんにちは。」
kumazzzo「こんにちはー。」

おっちゃんの甥っ子君たちやご実家のお母さんとも少し話をしたのですが、
僕みたいな人間が一緒にご実家に行って、
僕とおっちゃんの関係性とか気にすることなく、普通に、
甥っ子君やご実家の方と話ができるというのが、
沖縄の人たちのメンタリティを端的に表しているのかなと、
すごく、不思議な感覚でした。

なんだか緊張して、あまり話せなかったけれど、
どんなこと考えながら暮らしていのかなとか、
普段、子どもと話す機会が少ないだけに、
もっといろんな話きいてみたかったなと、少し後悔です。

車は、再び、北に向けて出発です。

おっちゃん「お昼、A&W寄って行こうか。」
kumazzzo「いいねー。あっちのほうにあるの?」

そんなわけで、やってきたのは、名護市にあるA&W。
ここのA&Wは、ドライブスルーじゃなくて、ドライブインがあります。
つまり、駐車場でインターホンで注文すると、車まで持ってきてくれるシステム。
アメリカ統治時代の古めかしいシステムなのか、
全23店舗中5店舗しかないようです。




おっちゃん「昔はローラースケートで持ってきてくれたらしいよ」
kumazzzo「いや、なんだか、いいねー。青い空とハンバーガー。ありがとうー」

ふとドアウインドウに目を向けると、名護市役所。
つい2か月前には、当時の鳩山首相が、市長とロビーみたいなところで会談していた、
見覚えのある、あの場所です。
辺野古からは随分ありますが、やんばるの中心地的な名護市は、意外に広いんですね。



車は、いよいよ、目的地に近付いてきました。
橋を渡って、屋我地島へ。車は、さらに奥に進みます。
さあ、急いでカメラで写真を…レンズを交換して…
思ったら、おっちゃんは車を止めてくれました。




古宇利大橋。





橋からの眺め。




ビーチ。





kumazzzo「うわーきれいだね」
おっちゃん「海入ったらいいさ。」
kumazzzo「今日は水着持ってこなかったからなあ」

古宇利島は、沖縄県北部にある本部半島の北東側に位置する、
周囲約8km、直径1kmで、島の中央が小高く盛り上がっている小さい島です。
島の産業は、農業と漁業で、ここで獲れるウニが名物だとか。
島自体は、今帰仁村ですが、古宇利大橋で、名護市に属する
屋我地島と結ばれ、現在では今帰仁方面と結んでいた、定期船が廃止になってしまったとか。

道路の開通で、地元の人にとってはもしかしたら不便になってしまったかもしれませんが、
こんなきれいな海に、簡単に来ることができるという意味では、
とてもありがたいことです。
時間を忘れるほど、美しい風景です。

kumazzzo「ずっと眺めてもいいなあ。こんな風景。」
おっちゃん「島も一周できるけど、回ってみる?」

素朴な島の風景と、青い海。
自分も大好きな沖縄の風景の一つです。




…と、のんびりしたいところですが、この後の予定もあって、車で一気に南下。
名護を通って、高速に乗り、那覇へ。
距離があるところを、おっちゃんには、本当にあちこち走ってもらって感謝です。

kumazzzo「おっちゃん、ほんと、申し訳ないよ。」
おっちゃん「また後で!」

お目当ての約束までは、ちょっと時間があります。
実は、一泊目に泊ったゲストハウスに、忘れ物をしていて、
ちょっと寄り道です。

kumazzzo「あのーすいません。一昨日一泊した者なんですけれど、シャツの忘れ物なかったですか?」
スタッフ「あー、那覇に戻ってきてくれてよかった!」

あの日、汗だくになって、ハンガーにかけておいたシャツが、ちゃんと別のところに吊り下がってました。

kumazzzo「ありがとうございます!また泊りに来ます。」
スタッフ「いってらっしゃい!」


……

待ち合わせ付近にいたら、僕の視界の隅っこに、その人が横切りました。
あわてて振り返ると、見覚えのあるスキンヘッドと背中です。

kumazzzo「Ikunoさんー」

気がついてくれたようです。
待ち合わせていたのは、ブログを通じて仲良くさせてもらっているIkunoさん。

kumazzzo「久しぶりです!」
Ikunoさん「いや、予定していたお店が、お休みで、ちょっと別の居酒屋があるのでどうですかー」
kumazzzo「大丈夫ですよ。」

そんなわけで、Ikunoさんに、今回の旅の報告しがてら、お目当ての居酒屋へ向かいます。

向かった先は、モノレール見栄橋駅近くで、「居酒屋野郎りょう次」。
Ikunoさんお気に入りのカフェの系列店ということですが、
入り口から入った瞬間、いい雰囲気の店で、これは、期待大です。

kumazzzo「メニューも、いいですねーお勧めはなんだろう?」
Ikunoさん「お酒は、明日があるからなあ、一杯だけ。」

泡盛で乾杯し、出てきたサラダをいただきます。



kumazzzo「うまーい!」

さしみサラダにマグロとアボガドのサラダ、魚系もうまければ、
なすのガーリック天はぱくぱくとスナック感覚で、アーサーと海老のかきあげは海の香りたっぷりです。



そんなおいしいつまみで、酒も箸も話も進みます…
というか、もしかしたら俺が一方的にしゃべってしまったかな。
とはいえ、一昨年にも沖縄で会ったときに、
日本で一番北に浮かぶ礼文島の話で盛り上がって、
僕が去年、礼文島に行くきっかけを作ってくれたのもIkunoさんだったりします。
そんなお礼も含めて、沖縄の事、仕事の事、旅行の事…
話したいことがあれこれと。




さて、そろそろ場所を変えようかと、ふと周りを見回せば、
お店の奥には、これまた、こちらの組合の方々が、たくさんと。

kumazzzo「やはり人気あるんですねー」
Ikunoさん「あれ、いつの間に??」

お会計をして、靴をはこうとしたら、

kumazzzo「あっ、忘れ物…なんか足りない??」

案の定、テーブルの上に一眼レフカメラを忘れてました。
本当あちこち忘れ物ばかりで、これが海外なら大変なことです。

沖映通りを歩きながら、スターバックスコーヒーに場所を移して、またピーチクパーチク。
あっという間に、もう11時前です。

kumazzzo「Ikunoさんバスの時間大丈夫?今日日曜日ですからねー」
Ikunoさん「じゃ、そろそろ行きますかー」
kumazzzo「2年おきじゃなくて、次回は来年来れるよう頑張ります!」

バス停まで見送って、僕は、モノレールの駅へ。
さすがに、日曜夜の国際通りは、少しくたびれた雰囲気。
楽しかった旅行も今日が最終日。あんなに待ち遠しかった日々は、
早足で過ぎ去って行ってしまうのでした。


またまた沖縄いっちゃった4DAYS…その4「かりゆしの夜。」

2010年07月05日 22時53分14秒 | 旅行
先月25日から28日まで沖縄本島を旅行してきました。
しばらくは、その旅行記におつきあいください。

……

午前11時。
沖縄県中頭郡北中城村。

運転手「忘れ物ないようにね」
kumazzzo「ありがとうございます」

僕は、おそらく目的地に近いだろうと思われる、バス亭に一人降り立ちました。
周りは米軍の敷地があるのがわかるだけで、まったく土地勘がありません。

iPhoneのマップで検索して、目的地を目指します。
地図の上では、15分もかからない所のはず。
示されたルートにそって、その場所を目指します。

kumazzzo「あっ、見えてきた!」



この日から3日間、お世話になるのは、「つむぎdeブログ」のつむぎのぱーぱーさん。
ブログを通じて仲良くさせてもらって、すでに5年ぐらい経つでしょうか。
このブログでは、おっちゃんと呼んでいて、ぱーぱーさんの相方さんとも仲良くさせてもらい、
いつの間にか僕の中では、「沖縄の親戚」に会いに行くような感覚です。

おっちゃん「よく来れたね。」
kumazzzo「iPhoneは、ほんと、ビックリだよ。」

僕が地元の人しか通らないような石段を歩いてきたことにビックリしているようです。
この日、僕が会いたかったのは、もう2匹。

つむぎさん。





まーぶるさん。




つむぎとまーぶる。
僕のアイドルです。つむぎのぱーぱーのブログで、
この子たちの幸せそうな表情を見て、自分も癒されたりしています。

すこし眠そうなぱーぱーさんと、久しぶりのおしゃべり。
つむぎもまーぶるも、僕の訪問を受け入れてくれているようで、一安心です。

ひととおりピーチクパーチクして、
そろそろ準備して、四国から来ているマイミクさんカップルをホテルでピックするために、出発です。

kumazzzo「はじめまして!」
マイミクさん「徳島も神戸も雨で大変でしたよ!」

四国からやってきたマイミクさんカップルは、mixiでは、よくお見かけするものの、
今日が初対面。今回は、これから向かう「うたの日コンサート」のためだけに、
チケットを取ってやってきた、弾丸トラベラーだったようです。

「うたの日コンサート」は、沖縄終戦の日である慰霊の日を、
戦争が終わったことで歌を自由に歌えるようになったという意味で
、歌をお祝いする日にしようと、BEGINが10年前に始めたイベントですね。
BEGINも、その前年に、さだまさしさんが故郷の長崎で行った平和を祈るコンサートに
ゲスト出演して、自分達にも何かできないかと、影響されて始めたのがきっかけだとか。

おっちゃん「去年は、道路混んで、大変だったさ」
マイミクさん「そうそう、途中から歩いたからね」
kumazzzo「でも、もうそろそろ着きそう??」

着いたのは、西原マリンパーク。
海沿いにある、広い公園で、近くには海水浴場もあるそうです。
沢山のスタッフさん警備員さんたちの誘導で、臨時の駐車場に入れます。

kumazzzo「今年は、少し空いているのかな。」

明石家さんまさんが、BEGINがさんまさんに「笑顔のまんま」という曲を
ノーギャラで作ったお返しで、ちょうど去年は、「うたの日カーニバル」に、
ノーギャラで出演し、大混雑になったとか。
「うたの日をお祝いする」という趣旨から、もともと無料だったイベントは、
その混雑の影響で今年からは「うたの日コンサート」と名前を変えて、
有料のイベントになってしまったのが、影響したのでしょう。

東京で買ったチケットを持って入場し、グッズ売り場やフード売り場へ向かいます。
ここでも、組合の方々が、ちらほら。
とりあえずビューティパトロールをしがてら、
ぐるっと一回りです。

kumazzzo「広島焼きってどーなんですかねー」
マイミクさん「Perfumeが広島出身だからじゃない?」

そうそう、Perfumeも、お楽しみの一つ。
生Perfumeをまさか、沖縄で見ることになるとは!




食べ物をゲットして、Cブロックへ向かうと、
すでに、今回ご一緒していただく、マイミクさんの友人さん達が、シートをひいて、
待っていてくれました。合計10人以上の大所帯です。
このグループの皆さんも、四国、関西、東京そして沖縄からと、
あちこちから集まってきているグループで、僕と同じ金曜から沖縄に入って観光しているとか。
この日のイベントのために、いろんな場所から集まって、これから同じ時間を共有すると思うと、
少し緊張もあり、不思議な感覚です。

会場がざわざわしてきました。どうやら、オープニングの演者が入場してきたようです。
オープニングの沖縄交響楽団の演奏に続き、司会の、きゃんひとみさんが入ってきました。
このイベントは、ラジオでも生中継していて、会場入り口付近には、放送ブースが設けられていました。

この日の出演者は、なゆた2Side1BRAINPerfume白百合クラブ南こうせつBEGINの6組。
くわしいプロフィールは、僕は音楽に明るくないので、リンク先を見ていただくとして、
2Side1BRAINみたいな人達と、白百合クラブみたいな人達が、
一緒のステージに立つというのは、もう、これこそ、うたをお祝いするという趣旨を
具現化しているようです。



そんな中で、Perfumeの出演は、かなり時間的に遅いはずと思っていたら、
なんと、三組目で登場。
司会の「次はPerfumeです!」と声を張ると、トイレなどでブロックエリアから離れていた人たちは、
大慌てで戻るのですが、地元のお笑いコンビいずみとやよいによるニセPerfumeとわかると、
みんな落胆。でも再び司会の呼びこみで、
「ワンルームディスコ」のイントロが流れると、会場は一気にヒートアップ。
本物登場で、僕らもみんなスタンディングで拍手です。

いやー、会場、大盛り上がりで、僕らグループも踊りまくってました。
「チョコレートディスコ」「ポリリズム」で、僕の脂肪は完全燃焼です。




さてさて、Perfume並みの盛り上がりを見せたのは、シークレットゲストの
「琉神マブヤー」の登場。ご当地ヒーローの琉神マブヤーは、
メジャーな特撮ヒーローもの顔負けのストーリーとアクションで大人気ですよね。
悪の軍団マジムンは、「マブヤー出てくると思ったら大間違いだよ。今日は出てこないよ!」
と会場を煽って「ゴーゴー!マジムン」を熱唱。
すると、マブヤーとガナシーが出てきて、戦闘を繰り広げ、
最後に、「マブヤーダンス」で大盛り上がり!
子供も大人もスタンディングで踊ってました。

南こうせつは、やはりベテランらしく、こういう夏フェスのステージの盛り上げがうまい!
でも、夕暮れ直後の「神田川」は、空の色と詞の世界に、ぐぐっと心を動かされました。

そして、トリは、BEGIN。
「恋しくて」で始まり、沖縄で聞く「オジー自慢のオリオンビール」は格別!
「かりゆしの夜」そして新曲「パーマ屋ゆんた」、「パナマ帽をかぶって」と、あまりBEGINは
詳しくない自分も、じっと聞き入ってしまいました。

最後は、琉球放送の企画の、おきなわのホームソングとして作られた「うたがうまれる」を
みんなで熱唱。Perfumeもマブヤーも出てきてカチャーシーを踊って、大盛り上がり。
会場のあちこちから、口笛がぴゅーぴゅーあちこちから聞こえます。

そして最後にみんなで、

「うたの日 おめでとう!!」

僕も、こうやって、うたの日をお祝いさせてもらえるうれしさと、
うたへの気持ちを大切に、イベントを育てていったBEGINのみなさんに、
ありがとうの気持ちでいっぱいです。

さあ、片づけて、会場撤収です。
一緒に同じ時間を共有できたマイミクさんや、その友人さんたちにお礼を言って、
駐車場に、戻ります。
駐車場から出る車で、もう大渋滞でしたが、こんな大渋滞も、
なんとも、許せてしまうから、不思議です。
いや、運転をお願いしてもらっていて、申し訳ない気持ちです。

四国からのマイミクさんたちと4人で、再び、つむぎのぱーぱーの部屋へ。
ここで、部屋で待っていた、ぱーぱーさんの相方さんとも再会で、
僕ら4人で今日の「うたの日コンサート」の報告しながら、
ひとたびにぎやかな「いちゃりば基地」です。
マイミクカップルさん達も、つむぎやまーぶると楽しそうに遊んでます。





「じゃ、ごはん食べに行こうか。」

僕も、急に腹ペコだったことを、思い出しました。
そんなわけで、やってきたのは、
宜野湾市にある「キングタコス長田店」。
あの普天間基地のすぐ近く、数年前には、近くで米軍のヘリコプターが
墜落して、大きな反基地運動のきっかけにもなりました。

米軍のお客さん相手に古くから営業してきた、このお店。
いくつかの支店ができるほど、地元の人にも人気で、
土曜の夜ということもありますが、ひっきりなしにお客さんがやってきます。




このボリューム!まさにジャンクフードです。
画像はないですが、「チキンバラバラ」というショッキングなネーミングの
フライドチキンも、アチチでウマウマです。


車に乗り込んで、再び、那覇方面へ。


マイミクさん「あの駐車している車の列は、もしかして…」
kumazzzo「ハッテン場?」
おっちゃんの相方さん「夜、牛のいない牛舎っていうのがあってね、昔流行ったんだよ」

牛舎とは!これは、ビックリです。

車は、おもろまちを過ぎて、桜坂へ。
今夜も桜坂は、飲みに出ているお客さんが多いこと!
昨晩とは、また違う店へ向かいます。

5人「カンパーイ!」

楽しかった一日も、締めくくりは、ゲイバーで。
たぶん、普通に暮らしていたら、出会うことのがない、いろんな場所で暮らす僕らが、
今日、こうして、一緒の時間を共有できた奇跡。
まさに、今夜、BEGINが歌った「かりゆしの夜」です。

時刻は午前2時を過ぎたでしょうか。

おっちゃん「そろそろ行こうか。」

マイミクカップルをホテルへ送って行きます。

マイミクさん「また来年会いましょう!」
kumazzzo「来年は、必ず、連れてきます!」

そう、今年、一緒に沖縄へと、声をかけようか、迷った友達を、
きっと、来年こそはと誓って、見送ります。

が、しかし!
なんと、ホテルの自動ドアは硬く閉ざされ、締め出しをくらってしまったようです。
どうやら、ルームキーがないと、中に入れなかったホテルのようです。

無事、2人はホテルの中へ。
そして、僕らは3人で再び、北中城へ。
楽しかった、僕らの、かりゆしの夜が、終わっていきます。



またまた沖縄行っちゃった4DAYS…その3「早朝から汗かいちゃいました。」

2010年07月03日 21時41分51秒 | 旅行

そんなわけで、先月25日~28日まで、沖縄に行ってきました。
しばらくは、その旅行記にお付き合いくださいませ。
今回は、2日目の朝からスタート。


……


午前4時半。
沖縄県那覇市牧志。

kumazzzo「おっ、起きるか…」

ゲストハウスの寝室内は冷房が効いているはずですが、
風がないため、蒸し暑さで、意識が眠りのボーダーラインを行ったり来たり。
起きるのにはちょっと早いのですが、朝早起きして行ってみたいところがあったので、
さくっと支度して、ゲストハウスを抜けだしました。

まだ寝静まる街。きっと桜坂ではまだ飲んでいる人もいるだろう。
そんな、朝から、すでに動いている市場があると聞いて、
覗きにいってみたくなりました。





向かった先は、牧志にある公設市場から商店街を歩いて10分ほどの所にある、
農連市場。まだ朝焼けに空が染まる時間ですが、ここでは、そのはるか前の、
午前2時ごろから、各地から野菜が集まりここで業者さんや消費者向けに、
販売される…ようです。



土曜ということもあったのかな、朝5時半くらいに到着したのですが、
みんな黙々とお仕事をされているので、ちょっと遠くからぱちっと。
働く人たち同士で交わされる言葉に耳を傾けると、
聞こえてくるのは、とても、豊かな沖縄の方言。
バラック建ての風景と重ね合わさり、沖縄の古い風景に、
タイムトリップしたかのようです。



広場のようなところで店を開くおばあや、片隅で飲食店を営む店、
またパンや総菜などの店を構えていたり、
バナナがぶらさがり、もやしの殻(?)を機械でとる作業をしていたり。
流れるNHKラジオに合わせて、ラジオ体操をしていたり。
飽きずに、何度もぐるぐるしていました。
たぶん、ぶら下げているカメラに気づいてもらえなければ、完全に不審者です。



そして朝ご飯は、市場近くにある、丸安そば。24時間営業で、
道路沿いにカウンターが並ぶ、簡素なお店ですが、
地元のタクシードライバーさんなどにも人気の店だとか。
寝不足の体に、暖かいスープに、やわらかい肉と、麺。
かなり体が癒されます。






そして、それだけでは、お腹がすいてしまうので、市場の片隅にあった総菜店で
てんぷらをゲット。フリッターのような、衣に特徴のある、沖縄の味。
天ぷらの中身は、「イカ」と「サカナ」と大雑把なのですが、
どうやら、基本、白身の魚のようです。これはおいしい!おやつ感覚です。

まだまだ人の少ない商店街を抜けて、ゲストハウスに、到着。
帰ってくると、朝7時を回っていたのですが、
みんな…というか自分もそうですが、夜遅くまで飲んでいたのか、
誰も、まだ起きていない模様。
昨日、ふざけて三十路のお祝いの乾杯をしていた男の子は食堂で一晩過ごしたようで、
そっとそっと、静かに、またぶらっと、ひと風呂浴びに出かけます。




つーことで、やってきたのは、りっかりっか湯。
国際通り近く、那覇セントラルホテルでやっている天然温泉の立ち寄り湯で、
沖縄では、スーパー銭湯などが少ないだけに、
ちょっと珍しい存在かと。
りっかりっかとは、おいでおいでという意味だとか。
東京で聞いてきたくらいなので、夜行けば、間違いなく眺めは良いかと思いますが(笑)、
でも、朝は朝で、曜日で安く入れる時間帯があり、ゆっくり入れます。


よく効いた冷房にさっぱりしますが、
服着て、一旦外に出れば、また汗がじわっと噴き出します。
ゲストハウスに再び戻ると、9時過ぎ。

やっと何人か起きていますが、
寝室内は、まだ寝ている様子。食堂で一晩寝ていた男の子は起きていましたが、
さきほど起きていた20歳のスタッフの男の子は、雨戸をあけて、再び食堂で眠ってしまったようです。
寝室内に戻って、旅支度を始めます。

ごそごそ。

音をたてないように、ゆっくりパッキングし、食堂へ。

kumazzzo「また寝ちゃいましたね。起きてくれるかな…」

前金制で、もう支払いは済んでいるからとはいえ、スタッフに声をかけないで
出発するのは、いくらなんでも…

お客さん「起きてー、出かけてくるって…」
スタッフ「おっ、おはよう、ございます。いってらっしゃいー」
kumazzzo「行ってきますー」

まだ寝ぼけていたけれど、まあ、大丈夫かな。
2人に見送られ、ゲストハウスを出発です。


空は、雲が取れはじめ、太陽が照ったり、雲の影になったり。
天気は、いよいよ、梅雨明けらしい感じになってきました。

さあ、向かうは、友人の家。
この日の一番のお目当て「うたの日コンサート」。
四国からやってくるmixiつながりの知り合いも、この後、御対面。
路線バスにのって、いざ、出発です。


またまた沖縄行っちゃった4DAYS…その2「食って歩いて、飲んで歩いて。」

2010年07月01日 00時04分27秒 | 旅行

そんなわけで、6月25日から4日間、沖縄本島に旅行してきました。
しばらくは、旅行記にお付き合いください。

今回は、一日目後半のお話。

……

午後4時半。
沖縄県那覇市牧志。

雨上がりの蒸し暑さが、、
昼間からビールを飲んでぐでぐでの体を直撃します。

今回は、久しぶりに那覇のまちぐわーを、グルグルまわるのが、目的の一つ。
初めての那覇で、一番印象的だった、商店街の活気を感じたくて、
ゲストハウスから、飛び出して行きました。

でも、まず飯。
ゲストハウスで教えてくれた、そば屋。
「パラダイス通り」にある、「大東そば」の大東そばと大東すし。
南大東島が本店で、そばは、空輸されるのだとか。大東すしは、さわらをづけにしたものらしいです。



勢い余って、そのまま「沖映通り」にある、「むつみ橋 かどや」でそーきそば。
OPAに三越に、市場本通りをはじめ、観光客向けのギミックもあちこちにある、
むつみ橋交差点のそばに50年もの間、佇む名店。
沖縄を歩いていると、、こういうミクスチャーが好きです。



商店街を通り抜け、桜坂方面へ。
古い建物、上り坂。猫がいる風景。こんなところが沖縄らしいって思ったりします。





そのまま足をのばし、桜坂から、安里へ。
栄町市場は、地元の人向けの、なんともゆるい時間が流れている市場。
もうそろそろ、商店もおしまいの時間のようです。

栄町りうぼうで、さんぴん茶を買って、一息。夏でも焼き芋を売っているのが、沖縄らしい。


この一角は、何だろう?と思ったら、どうやら普通の旅館じゃなさそう。




ぐぐっと、モノレールに乗って、旭橋へ。
「千日」で、いちごミルクぜんざい。ふんわり氷に、もっちりとボリュームあって甘さ控えめの金時豆。
ここのぜんざいを食べて、僕にも、おいしいぜんざいの基準ができたような、うれしさです。


そのまま、歩いて、「ジャッキーステーキハウス」へ。
この日も、お客さんでいっぱいです。
2年前は、連れてきてもらったこの場所。今日はひとりでやってこれました。
iPhoneの地図のナビは、偉大です。








たらふく食べて、ゲストハウスへ戻るころには、もう夜8時半。
スタッフの男の子がご飯を作ってくれるのですが、

kumazzzo「おなかいっぱいで大丈夫ですよー」

食堂には、男性が4人ほど。
疲れてぐでっとしていたのですが、あちこちから帰ってくる宿泊客で、
だんだん盛り上がってきます。





スタッフやお客さんを含め、今日は30代以下が中心。
日によってもちろん違いますが、ゲストハウスによって、そのあたりのカラーが
少しずつ違うのも、面白いものです。

kumazzzo「だんだんね、歳をとると、許せないことが許せるようになるのさ。」

音楽の話や学生のころの話、旅行の話に仕事の話。
そんな話の最中にも、お客さんがふらっと寄ったり、また輪が広がって、
時間が過ぎていきます。

そろそろ消灯でってところで、汗だくだくで大変だったので、シャワーを浴びて、さっぱりと。
どうやら、近くの居酒屋へ何人か向かったようです。

kumazzzo「っつか、このままじゃ、暑くて寝られないなあー」

涼みがてら、ふらっとゲイバーでも行ってみようか。
iPhoneで、聞き覚えのあるゲイバーを検索して歩き出しました。

深夜12時半。
その一角は、新宿二丁目のような、なんだか異常な盛り上がり。
にぎやかに盛り上がっている、その店の中に入ってみました。

スタッフ「いらっしゃい。」
kumazzzo「立ち飲みでいいですよ」

大勢のお客さんの中には、東京でも見かけるお客さんもちらほら。
寝る前に、ちょっと飲んで、話せればと思ったけど、反対に肩身の狭い感じです。
どうやら、この大勢のお客さんのわけは、
あっ、明日行われる、このお店主催ののビーチパーティが理由なんだな。

kumazzzo  「どおりで、飛行機もオカマ率が多かったんですね。」
スタッフ    「いい時期に選んだんじゃないの?もしよかったら、明日どうですか?」
kumazzzo  「明日はがちがちに予定組んじゃったからなあー」
お客さん    「行こうよー」

濃いめの泡盛の水割り。ガチムチばかりで眺めも最高によく、
もう、それだけで、満足です。
一杯だけで、チェックして、また外に沢山たむろする人混みの中を抜けてきました。

深夜1時を過ぎた、国際通り。
外では、「うたの日おめでとう。」とライブをしている男の子。
歌が、戦争から解放され日でもある「慰霊の日」を、うたをお祝いする日にしようと始めた、
BEGINのイベントの趣旨が、着実に広がっていることに、
本土育ちの自分も、少しうれしくなった、沖縄の夜です。


またまた沖縄行っちゃった4DAYS…その1「2年ぶりの沖縄。」

2010年06月30日 01時22分29秒 | 旅行

今月25日から28日まで、沖縄に旅行に行ってきました。
沖縄は、これで三度目。過去二回は、八重山諸島と沖縄本島を一緒にぐるっと
回ってきましたが、

「八重山もゆっくり回りたい!」
「本島だって行きたいところたくさんある!」

ということで、八重山とは別に、今回は沖縄本島のみ4日間の一人旅です。
「一人旅」と言っても、本島には、ブログつながりの友達や、
いつもお世話になってるうちなーカップルのお二人に、
今回は、うちなーカップル繋がりで四国からやってくる二人組にもお会いできるなど、
にぎやかな旅行になりました。

Twitterで、kumazzzoをフォローしていただいている方々には、
旅行中、しょっちゅうつぶやいていましたので、
どんな旅行してきたか、楽しんでいただけた方もいるかと思います。

ブログでも、少しばかり、沖縄の風景や、食べ物をおすそわけできたらと思います。


………




そんなわけで、初日。
10時25分発のJAL便。第1ターミナルへ向かい、
出発ロビーにある出発便の状況を示す電光掲示板を見ると、
那覇の天候は、非情にも、雨。
手荷物検査場の長蛇の列の中から、「雨女は誰だよ?」などと聞こえてきます。

そんな列の最後尾に、ガチムチな男二人組が近づきながら、
「えっ、これ並んでるの?」と会話してます。
先程は、レストランエリアでも、二人組を見かけたし、
なんだか、みんな行き先どっちなんだろうと思っていたら、
搭乗口付近の売店や椅子にも、たくさん組合員が。
明らかにみんな沖縄へ向かうテンション。

mixiのコミュニティの書き込みにも、Twitterのつぶやきにも、
沖縄関連が増えていたので、
やはり、みんなそういう時期なんだなあと思っていたのですが、
この密集度の高さの原因は、この日の夜、発覚するのでした。

そんな原因があることもおそらく知らずに、
飛行機は、ノンケか組合員か区別のつかないほどの、短パンTシャツ姿のパパや、
本物のイカニモなお仲間など、満員の乗客を乗せ、定刻より遅れて出発。
とりあえず、機内でお食事タイムです。





梅雨前線の影響を受けて、揺れが続き、
シートベルト着用サインが消えない時間が長続き。
やっと消えたと思ったら、

キャビンアテンダント「まもなく当機は、着陸態勢に入ります。」


飛行機が雲を突き抜けていき、どんどん高度を下げていきます。
窓に、防波堤や空港の建物が見えてきました。
そして、雨粒が、ぱらぱらと。

どすん。

飛行機は定刻より30分ほど遅延で到着。
シートベルト着用のサインが消え、機内アナウンスが最後のお客さんへの案内を始めました。

kumazzzo「沖縄だー!」

雨上がりで、まだ日差しはないけど、蒸し暑そうな那覇。
でも、久しぶりの沖縄に、心が弾まないわけがありません。

バックパックを抱え、一人、モノレール乗り場へ。
向かった先は、見栄橋近くにある、ゲストハウスです。

看板「月光荘」




沖縄の民家をゲストハウスに改築した、個性的な宿です。
国際通り近く、沖映通りから一歩入った、その路地裏を入って行きます。

kumazzzo「こんちはー」

お客さん「お客さんだよ!」

昼間から飲んで談笑している宿泊客が、
スタッフの女の子を呼んでいます。

スタッフの女の子に、ネットで予約したことを告げ、先払いで料金を払います。
ゲストハウス内でのルールや、ベッドの場所や洗濯機やシャワーの使い方、
食事など、一通り説明を受けると、

お客さん「まずは一杯どうですか!」

到着早々、ビールを飲みながら、旅行談義に花を咲かせますが、
ちょっと到着が遅れ、さらにゲストハウスで飲んだくれてしまっては、
せっかくの沖縄がもったいない!

気持ちよすぎて、動けなくなる前に、
ちょうどのところで、ベッドに戻り、カメラとバッグを持って、
いざ、街に出発です。


ただ波の音が聴きたかっただけ。

2009年08月27日 04時09分15秒 | 旅行
えーとですね、仕事がちょっと忙しい毎日が続いていました。
一年に一回、最も作業量が増える時期を迎えて、
8連続出勤、しかも最後の日は、5年ぶりに深夜勤務。
最終日の勤務を終えて自宅に戻ってきたら、
体重が通常より3kgほど減っていました。
仕事内容的には、あまり満足はしていないのですが、とりあえず、
頑張ったということで、納得させましょう。

そんな激務を終えたら、
珍しく連休が待っていました。
そんな短いお休みはチャンス!っということで、
実家の両親と同じ県に住むセクシーダイナマイト
に会ってきました。

この日はですね、お昼ちょっと前に、浜松に到着。
ponpoko君には、実家に帰るのとセットで、ただ遊びにいくだけなのですが、
行くと、いつもお世話になりっぱなし。
この日も、地元で餃子がうまいと評判のラーメン店や、
地元チェーンのファミレスの名物ハンバーグ。
「あらたまの湯」という、とてもゆっくりできる日帰り温泉に、
浜松銘菓のうなぎパイの製造工程が見られる、うなぎパイファクトリーなどなど
あちこち連れて行ってもらいました。

2日目は、周智郡森町にある小國神社へ。
古式ゆかしい立派な神社は、遠州の小京都と言われるのも納得の風情。
掛川駅まで戻ってここでponpoko君とはお別れ。
静岡駅へ移動し、実家の両親と会い、静岡市内をぶらぶら歩いて、
高速バスで帰ってきました。

そんなわけで、画像は、夕焼け。
たしか、国道一号線を走っているときに撮ったものかな。
夕暮れっていいなあ。
刻々と変わる空の表情を、惜しむように、
車で、中田島海岸まで追っかけてくれました。

…まあ、組合の皆さんには、米津浜と言った方が、
わかりやすいですね。

遠州灘から打ち寄せる波の音。
吹く風が少し強く、足もとに転がる流木に波が寄せては反し、
砂浜の上に波が作る紋様に夕陽が反射し、
自然の光と音が作り出す世界にしばし時を忘れてしまいました。

海っていいな…そんな気分に浸れます。



浜松・静岡で食べたものは、また別の記事で紹介したいと思います。

歩け、礼文の道。その8「またいつの日か、礼文に帰ってもいいですか?」

2009年07月20日 17時36分37秒 | 旅行
6月18日朝5時20分。
北海道礼文町須古頓。

4泊6日の旅行も、今日が最後。
窓の外がすでに明るくなっています。
最後の日になって、やっと晴れてくれました。
僕は、晴れたスコトン岬を、一度見ておきたくて、
ドミトリーの二段ベッドをそっと抜け出して、ひとり民宿の外に出ます。




礼文島は、緯度が高いので、夏至の時期になると、
深夜2時頃から、空が白み始めるとか。
白夜というほどではないようですが、
神秘的な夜空を、一度見てみたかったです。

民宿の外に出ると、すでに宿泊客が、ひとり、道端で佇んでいました。
礼文の花はもちろん、バードウォッチングも趣味だとという、この宿泊客さん。
きっと鳥の鳴き声を聞いているのでしょう。

宿泊客A「おはようございます!」
kumazzzo「足音も立てずにゆっくり歩いたけど、鳥が逃げてしまわないかと思って心配でしたよ。」
宿泊客A「遠くだから、大丈夫よ。」
kumazzzo「スコトンまで行ってきますー」

民宿からスコトン岬までは、約10分。
朝の冷たい空気がきりりと気持ちいい、散歩です。








昨夜は、波の音も聞こえましたが、今朝は、波の音さえ聞こえない、べた凪です。

ストコン岬は、礼文島を歩くコースのうち8時間コースや
4時間コースの出発点になっていますが、
この時間は、観光客も、まったくいません。
岬の先にあるトド島付近で、漁をしている船がいました。
先日から解禁になったものの、海が荒れていて船が出せなかった、
バフンウニの漁をしているのでしょう。





男「プー!プー!」
kumazzzo「!!」

背後で、男が、笛を鳴らしていました。

kumazzzo「なんの笛なんですか?」
男「ウニ漁はもうおしまいっていうのを知らせているんですよ。もうたくさん獲れましたからね。」
kumazzzo「今日初水揚げですね。高く売れるといいですねー」

朝の太陽に照らされ、海底が透けて見えるほど、きれいな礼文の海。
沖縄の海の美しさに匹敵するかも…
いや、海というものは、もともと、こういうものなのでしょう。




こんな晴れた日の礼文は、どんな表情なんだろう。
僕はそれを確認することなく、今日、島から出発しなければなりません。

民宿に戻ると、そろそろ朝食の時間です。

kumazzzo「おはようございます!えーと…」
宿のご主人「エル君は、今日はパンだよ」
kumazzzo「忘れてた!」

いつものように座ろうとしたら、すかさず突っ込まれました。
最後の日は、洋食と決めていました。
それは、美味しそうなジャムの数々と、自家製のカスピ海ヨーグルトに、
牛乳とオレンジのミックスジュース…通称「うにジュース」が飲めるから!







これですよ、これ!小倉バター!
パンを4つにわけて、それぞれ違うジャムをつけて楽しみます。
カラフルなジャムやジュースを、おいしそうに食べたり飲んだりしていたら、
どうやら、家族連れの宿泊客の子供を刺激してしまったようです。

宿泊客B「追加でカスピ海ヨーグルトひとつもらえますか?」

子供が、俺のほうを見て、何かお父さんに話しています。

宿泊客B「すみません…」
kumazzzo「気にしなくてもいいですよ。おいしそうに見えたんだよねー」

でも、ヨーグルトは甘さ控えめで、ちょっと子供にとっては、
酸っぱかったようです。

宿のご主人「はちみつあるよ。天然ものなんだ。かけてみる?はい、どうぞー」
宿泊客B「ありがとうございます」
kumazzzo「えー、天然もの???」

キーワードに反応した自分を宿のご主人は見逃していませんでした。

宿のご主人「エル君、ちょっと舐めてみれば?」
kumazzzo「じゃ、ちょっと舐めてみようかな」

黄金色の光るはちみつのボトルを持った瞬間…

宿泊客B「あー、それ違う!麦茶麦茶!赤ちゃんの!はちみつは、こっちよー」

子供も赤ちゃんもお母さんも、目をまん丸くしてびっくりした様子。

kumazzzo「あーごねんね!おじさんが飲もうとしたからビックリしちゃったかな?」
宿泊客C「もー、エルさんビックリですよ。麦茶とはちみつ間違えるなんて、あはは!」

自分がはちみつのボトルだと思って手にとったのは、
哺乳瓶に入った麦茶!…何歳になっても、こういう天然ボケは、治りそうにありません。

ご飯を食べ終え、ベッドに戻り、最後の出発の支度です。
すべての荷物とお土産を詰め込んで、談話室に集合です。

宿のご主人「それでは出発します!」

今日は宿から出発組の見送りを受けながら、車は、フェリーターミナルへ出発です。
たった5日前、いろんな期待を胸に、このワゴンに乗って揺られた道を、
5日後、こんな名残惜しい気持ちでワゴンに乗って帰るなんて。
ワゴンから見える景色のすべてに心がひかれて、なびいていきます。

宿泊客C「あれ、ここにも、『最北端のたいやき屋』があるわ!」
kumazzzo「でも、いつも閉まってた感じがするなあ」
宿泊客A「そうなの、今はほとんど営業してないみたい」

宿泊客D「ほら、今のあの看板!あそこが『さざ波』だよ。」
kumazzzo「こんどは、イレブンソフト食べなくちゃー」

宿のご主人「今度、礼文にも天然温泉が出来るんですよ!」
kumazzzo「えー礼文にも沸くんですね!」

食べられなかったもの、見れなかったもの。
いろいろあるけれど、次回のお楽しみです。
ワゴンは、やがて、フェリーターミナルに着きます。

今朝のフェリーターミナルは、少し賑やか。
桃岩荘のお客さん達による見送りはもちろん、どこかの旅館は紙テープでお客さんを見送るようです。






今日朝のフェリーで出発する宿泊客は、自分を含めて2人。
滞在中、波照間の話など、いろんな旅の話をして、仲良くさせてもらっていました。
到着したフェリーのお客さんを迎えた後、自分たちの泊った民宿のお客さんからも、
みんなから一人ずつ送別の言葉をもらい、握手してもらいます。

…そして、いよいよ、船の中へ。
一緒に旅立つお客さんと長い列の最後尾に並び、乗船します。

kumazzzo「ありがとうございました。」

見送ってくれる宿泊客さんたちが、
タラップのそばで一列になってくれている傍を通って、船内に入っていきます。

kumazzzo「そのまま、デッキに行きますか。」
宿泊客D「そうしようかー」

僕らは、デッキに出て、見送ってくれる仲間が見える場所に立ちます。


宿のご主人「それでは、一言ずつどうぞ!エル君!」
kumazzzo「本当に、いい旅になりました。ありがとうございました。また、必ず帰ってきます!」




…いい旅。
それだけで、毎日の生活が頑張れたり、生き方に影響を与えるような旅。
そんな旅に出会うために、生きているといって過言ではないかも。

フェリーが汽笛を鳴らします。
徐々に岸壁を離れていきます。
大きく手を振ってくれる宿のご主人と宿泊者さんたち。
僕らも、船尾まで移動し、徐々に小さくなる、その姿を、
同じ宿泊者さんと一緒に、最後まで眺めていました。

…ありがとう。
いろんな思い出と体験が詰まった島影を船からぼんやり眺めていたら、
涙が頬をそっと撫でてくれました。




二人が言葉を発したのは、ずいぶん後からです。

kumazzzo「…寂しいですね」
宿泊者D「何度来ても、見送られるのって、つらいよ」

旅の話や趣味の話をしながら、船は約2時間かけて稚内へ向かいます。

宿泊者D「おみやげずいぶん買いましたね。」
kumazzzo「ほら、今度、波照間行ったら、礼文島Tシャツ着て宣伝しないと。」
宿泊者D「今回は礼文岳も登ったし、やりたいこと、やり尽くしたよ。」

気がつかない間に、船がスピードを落としていました。
稚内港です。

宿泊者D「それでは、気をつけて!」
kumazzzo「また、またお会いしましょう!」


握手をしてもらって、同じフェリーで島抜けした宿泊者さんは、
一足早く空港へ向かいます。
俺も、腹ごしらえするために、南稚内へ歩いて向かいます。

↓踏切から眺める稚内駅。




↓南稚内にある「はるき茶屋」の、しじみラーメン。
宿のお客さんに教えられてやってきました。スープが最後の1滴までおいしい!
店内のテレビで、久しぶりにテレビ番組を見ました。
滞在中は殆どテレビを見なかったので、すごく懐かしい気分。






↓南稚内駅では、出発前の札幌行きの特急サロベツが待機していました。
のんびりした風景に、しばし時間を忘れます。



空は晴れ、湿度の低い、気持のよい昼下がり。
でも、時間が刻一刻と迫っています。
バス通りへ出て、空港行きの路線バスの停留所へ向い、
バスに乗り込みます。

空港では、東京へ向かうお客さんでごった返していました。
お土産物コーナーではおばちゃんたちが、右往左往しています。

おばちゃん「どのコーナーの商品が、どのレジでお会計になるのか、全然わからない!」

おばちゃん達の雑音が、少し五月蠅く聞こえ始めました。
…それは、礼文で自分にかかっていた魔法が、
少しずつ、消え始めていたのでしょう。
こうして、また日常生活に戻っていくのか。
でも、僕には、忘れることのできない、思い出が深く刻まれていました。

この旅のきっかけを作ってくれた人、
留守宅を守ってくれた相方さん、
旅先で出会ったみなさん、
すべてに、感謝です。

ありがとう、いい旅でした。僕は、また必ず礼文に戻ります。


歩け、礼文の道。その7「流れ星で、どんな願い事が叶えられるのですか?」

2009年07月17日 00時59分38秒 | 旅行
6月中旬から、北海道に浮かぶ一番北の島、礼文島に滞在してきました。
しばらく、旅行記にお付き合いください。

今回の話は、5日目です。
民宿→フェリーターミナル→知床→秘密の花園→元地灯台→桃岩展望台→
レブンウスユキソウ群生地→ピーク268
→フェリーターミナル→船泊→民宿までのお話です。

6月17日朝6時半。
北海道礼文町須古頓。



宿泊客A「今日は、なんですか?その『いちゃりばちょーでー』って。」
kumazzzo「沖縄の方言で、『一度会えば、みんな兄弟』って意味なんですよ。」
宿泊客B「『たくさんちょーだい』って書いてあると思ったわ。」
宿泊客A「イメージで全部食べ物に結びついちゃうわ」

今回の旅行では、旅行した各地のTシャツを着て民宿で過ごしてました。
「波照間」Tシャツに台湾「故宮博物館」Tシャツに、友達からもらった「沖縄」Tシャツ。
3枚とも、話題作りのいいきっかけになってくれました。

kumazzzo「今度波照間行った時には、『礼文』Tシャツ着て、宣伝してきます!」

朝食もたくさん食べて、ベッドに戻って出発の支度です。

宿のご主人「それでは最終点呼します!くまぞーさんは?」
kumazzzo「桃尻から礼文林道、ピーク268で〆はラーメンです。」

今日は桃尻コースは大人数のようです。
この桃尻コース、島の南を回る、利尻島の利尻富士が
きれいに見えるコースです。
今日の天気も、基本は曇り。午後に晴れ間が少し広がるかどうか。
残念だけれど、利尻富士は拝めそうにありません。

礼文岳に登る宿泊客、宇遠内コース、桃尻コース、
出発客あわせて、総勢11人がワゴンに乗ります。

フェリーターミナルに着くと、今日は、桃岩荘のヘルパーさんたちが、スタンバイしています。
今日は名物の送別の歌と踊りが見られそう。



他所の民宿の儀式ながら、見ていて楽しいものです。
正直泊ってもいいかなと思いますが、おそらく、
今回泊った宿がとてもいい宿だったので、簡単に浮気できそうにはありません。

ちなみに桃岩荘のことは、こちらをご覧になると、いいかも。



僕と同じフェリーで礼文にやってきた宿泊客も今日でお別れ。
今日も大きな声で「行ってらっしゃい!」と叫びたいところですが、
昨日同様、知床行の路線バスの出発が迫っているので、
最後まで見送ることが出来ません。

宿のご主人「今日は俺一人かー…バスの停留所わかるかい?」
宿泊客C「俺、わかります」
宿のご主人「じゃ、Cさんみんなを連れて行ってあげてください」

楽しく過ごせた感謝の気持ちを宿のご主人に託して、
少し心残りですが、バスに乗り込みます。



香深から知床までバスで10分くらい。
歩くと舗装された道路を1時間くらいかかります。
島の生活の様子を見ることができるので、それはそれで面白いと思うのですが、
今日は、最後に、島の北部にある船泊で、ラーメンを食べたいので、今回はショートカットです。

程なくして、知床に到着。合計11人の大所帯です。

宿泊客D「僕ら子供づれなんでゆっくりになってしまうんで、先に行っていいですよ」

まずは、ここで、7人で先に出発。最初の目的地「秘密の花園」を目指します。
「秘密の花園」は「元地灯台」へ向かう途中にある花畑に名づけられた通称です。
宿のガイドマップには、秘密の花園への入口が書いてあり、みんなで花園を目指します。
元地灯台までは、ずっと登り坂が続き、自分は、ちょっと息が切れそう。
7人の隊列も、縦に伸びがちです。

秘密だと思っていた花園は、入口から、ちゃんとロープで遊歩道が作られており、
まったくの「秘密」ではなさそうです。
ただ、笹を分け行って遊歩道を入っていくと…。

kumazzzo「おーきれいに咲いているなあ」



判りにくい画像で申し訳ないのですが、一面にチシマフウロとレブンキンバイが咲いています。
草原の向こうには、海。晴れていれば、利尻富士も見えるのでしょう。



kumazzzo「今回の礼文の一番の目的って何ですか?」
宿泊客C「やはり利尻富士を写真に撮ることだね」
kumazzzo「あー、じゃ、ちょっと今日は残念ですね。」

他の観光客がぞろぞろやってきたので、場所を譲るように、また遊歩道を戻って、
元地灯台を目指します。



元地灯台に到着すると、視界が一気に開けます。

kumazzzo「えーあんな高い所に観光客なんだかたくさんいるなあ!」
宿泊客E「景色よりそっちかい!」
kumazzzo「だって、どうやってあんなところに…」
宿泊客C「途中まで観光バスで登れるんだよ」

この桃尻コースは、景色もよく、いろんな種類の花も咲き、フェリーターミナルから近いので、
トレッキングが組み込まれたツアー団体客が多く訪れていました。
今日はハイジの谷~礼文滝まで目指すという「健脚」女性二人組は、
僕らより一足先に灯台を出発。7人組が、ここで2人組と5人組に分かれます。

ここからはアップダウンがありながら、徐々に登っていきます。
カメラで写真を撮りながら登っていく自分は、みんなから遅れ気味です。

宿泊客C「カメラ直ったのかい?」
kumazzzo「いや、エラーになったり、ならなかったりですよ。」

とにかくエラーになろうが、なるまいが、とにかくシャッターを押してまくります。

↓とにかく、登り坂。



↓桃岩荘。にしん御殿をそのまま残した利用しているそうです。


↓ネムロシオガマ。



↓海に浮かぶ猫岩と、猫岩と桃岩を眺められる猫台・桃台。


追いついてはまた離れ、追い越してはまた待ち、
そんな風に歩きながら、桃岩展望台に到着です。



この桃岩、高さ250mの山で、ちょうど桃のような形をしていますが、
岩肌が露出して巨大な岩の塊のよう。名前以上に、とてもごつい山です。
以前は登山道もあったようですが、こちらも今では閉鎖されてしまっています。
この展望台までは、大型バスが登ってこれます。車を止められるスペースもあるし、お手洗いもあります。

kumazzzo「お昼、どうしましょうかねー」
宿泊客C「ウスユキソウ群生地で食べるか。」

ここからいったん舗装道路を歩き、再び、礼文林道を歩きます。
昨日、花のガイドをしている女性と歩いた道を、今度は反対方向に歩いていきます。

kumazzzo「これがですね、レブンコザクラで、もう時期が過ぎているんですけれど、ここだけ咲いているみたいですよ」
宿泊客F「ほんと、きれいねー」

今日到着して一緒に歩いてきた夫婦に
昨日教わった花を、知ったかぶりで、話します。
知ったかぶりでも、それでも教えてあげたいきれいな花でいっぱいです。
でも間違えていたらごめんなさい。

↓オオカサモチだったかな。


↓エゾタカネツメクサかしら。


↓調べたけど、もうお手上げです。とにかく、かわいい。


いろんな花を見て楽しみながら、ゆっくり歩きます。
レブンウスユキソウ群生地に到着。

kumazzzo「ご飯食べましょうかねー」



kumazzzo「なんか晴れてきましたね…あっ、ホタテフライ落としちゃった。でも大丈夫!」
宿泊客C「3秒ルールだからね。」
宿泊客G「えー、でも地面は、どうかな」
kumazzzo「すごく愛おしくて…ちょっと払えば、食べられますよ。」

おなかいっぱいになりましたが、やはり座ってじっとしていると、汗が冷えてちょっと寒い!

宿泊客F「それでは私たちは、ここからフェリーターミナルへ戻りますね。」
kumazzzo「では、お気をつけて!また後でお会いしましょう」

ここで、今日到着したばかりの夫婦2人が道を引き返していきます。
残ったメンバーは3人。そして、女性1人もハイジの谷へ向けて、別れていきます。

kumazzzo「じゃ、行きますかー」
宿泊客C「ハイジに行ってると時間ないからなあ」

最初11人の大所帯は2人になって、
次の目的地、ピーク268を目指します。

時刻は午後1時。日差しが出てきました。
青い空と、背の高い笹が両側に続く、でこぼこ道。
風が吹いて、笹が揺れる音が、僕の記憶を呼び起こします。



kumazzzo「波照間のさとうきび畑に似てるなあ。この感じ!」
宿泊客C「波照間もこんな山道があるのか?」
kumazzzo「いや、アップダウンは少ないけれど、島は台地状になっているんですよ」

礼文林道からピーク268へ向かう分岐へ入ります。
標高が高くなるにつれ、笹地は徐々に少なくなり、背の低い草地から、砂礫地に。
山登りに長けている同行者は、俺が写真撮りながら、息つきながら登っている間に、
ひょいひょいと先に進んでいきました。
砂礫の上をコケないように、ゆっくり進んでいくと、急に、眺めの良い場所にたどり着きます。

kumazzzo「着いた!」



ここは、標高268mの山の山頂付近。
標高276mの隣の山には三角山という名前が付いていますが、この山には名前が付いていないようです。
宿のご主人より268mとは思えないくらい高い山に登ったような雰囲気だと聞いていました。
きっと本州の南アルプスあたりの山頂は、こんな砂礫地なのでしょう。



kumazzzo「めちゃくちゃ気持ちいですね!」
宿泊客C「俺はここでのんびりしているから、急いでるなら先言っていいぞ。」
kumazzzo「フェリーターミナルのバスが3時10分なんで、もう少しのんびりしてから行きますよ」

きっとここから、利尻富士が見えるのでしょうが、
残念ながら薄雲が取れなくて、見えません。でも、充分すぎる眺めです。

kumazzzo「それでは、先に行きますね」
宿泊客C「じゃあ、なっ!」

ここからは、ひとりで海抜0mまで下っていきます。
途中は夏季休業中のスキー場を抜けて、フェリーターミナルへ。
今日も、ホテル礼文を目指して、下っていきます。

ホテル礼文に滑り込んだのは、バス出発の20分前。

kumazzzo「アツモリロールの塩キャラメル味くださいー」
従業員A「何度も足を運んでもらってすいません。」



念願のアツモリロールは、しっとりどっしりとしたキメの細かい生地と、
アクセントに少し塩を利かせた生クリームがマッチし、
キャラメルの焦げた風味がふわっと香り、とてもおいしい!
パティシエの女性の方まで出てきて、お礼をいただきました。

kumazzzo「民宿帰ったら宣伝しておきますよ!!」

バス乗り場へ向かうと、朝別れた家族連れとレブンウスユキソウ群生地で別れた夫婦がバスを待っていました。

kumazzzo「小さいお子様連れて大変でしたねー」
宿泊客C「自分の足で歩いてくれて、うれしかったですよ!」

男の子は疲れた様子もなく、とても元気!
お父さんはさぞかし嬉しい表情しています。
みんなで、スコトン岬行きの路線バスに乗りこみます。
乗用車なら、びゅーっと25分くらいでついてしまうストコン岬まで、
約1時間かけてのんびりと進んでいきます。

同じバスに乗り込んだ宿泊客のみなさんは、お疲れで、眠ってしまっている様子。
でも、自分は、最後に船泊でラーメンを食べるのが、最大の目的。
うとうとしながらも、乗り過ごさないように、注意します。

バス「次は船泊本町」
kumazzzo「ピンポーン!」

目覚めた宿泊客が慌ててます。

宿泊客E「あれ、ここは?」
kumazzzo「俺、ここでラーメン食べて帰るんで、先に降ります!」
宿泊客C「後で味教えてくださいね!」

…ぽつん。
突然、ひとりになった自分は、お目当てのラーメン屋を探して歩きます。

看板「二葉食堂」
kumazzzo「ん?んー?」

看板はあるのですが、入口が閉まっています。これは、悪い予感。
看板にある電話番号に電話しても、電話に誰も出ません。

kumazzzo「引き戸の内側にのれんあるから、ダメかー」

ここから宿までは、宿のご主人のピックアップしてもらう予定でいましたが、あと1時間以上あります。
歩いて帰るにしても、おそらく2時間はかかります。

小学生達「こんにちは!どうしましたかー?」
kumazzzo「二葉食堂でラーメン食べようと思ったんだけど、お店が閉まっていて民宿に帰ろうかなって思っているんだー」
小学生達「???」

礼文島の子供たちは、基本、観光客にフレンドリーに挨拶してくれるのですが、
怪しい太ったおっさんの困った様子が、怪しい行動に映ったのか、
子供たちも、不思議顔です。
うろうろ歩いていても不審者になってしまうので、慌てて予定変更で、電話をかけます。

kumazzzo「すいません!フェリーターミナルからの帰りじゃなく、『行く』時に俺をピックアップしてください!」

実は、この電話、忙しかった宿のご主人につながっておらず、
俺が道端で立って待っていたのに気づいて慌ててバンを停めてくれます。

宿のご主人「エル君どうしたの?」
kumazzzo「二葉食堂やってなかったんですよ。」
宿のご主人「びっくりしたよ!ラーメン今日もフラれたね。また香深行くなんて、もったいない!」

どうやら臨時休業で、お休みだったようです。
このラーメンは次回のお楽しみ…必ず食べにこなくちゃ。

……



民宿に戻ってきて、ひと風呂浴びてから、夕食の時間です。
ラーメンが食べれなかった反動で、夕食がとてもおいしい!

kumazzzo「このホタテの稚貝の味噌汁ってめちゃくちゃ旨いですね!」
宿のご主人「あはは、昨日のは旨くなかったのかよー」
kumazzzo「ほら、あまりホタテの稚貝って東京ではないじゃないですかーすごくいい出汁でてていいっすねー」

ちっこいホタテの貝殻もかわいい稚貝の味噌汁。
結果として、ラーメンを食べられなくてもよかったのかもしれません。
明日の朝は、もうフェリーに乗るだけ。
部屋に戻り、明日出発する支度をして、再び夜のミーティングに。

宿のご主人「えー、今日もスイーツにフラれ、ラーメンにフラれたくまぞーさんです。」
kumazzzo「あはは、アツモリロールは食べてこれましたよー」
宿のご主人「そっかー、くまぞーさん、今日のコースの状況はどうでしたか?」
kumazzzo「利尻富士は見えませんでしたが、レブンキンバイソウにチシマフロウが一面咲いていて、
     今日が一番花がきれいでした!」
宿のご主人「明日の予定は?」
kumazzzo「明日は…『島抜け』1便です。朝食はパン2枚でお願いします。」

島抜け…島から帰る、この民宿のお客さんは、
こんな言葉を使っていました。
島から離れなくてはならない気持ちを表しているのでしょう。

この日のミーティングの後の飲み会では、
明日帰る宿泊客さんや今日一緒にあるいた宿泊客さんと、しんみり飲んでいました。
泊っているメンバーで盛り上がり方や雰囲気が違うのも、こうした旅先の面白さの一つです。

すると、宿のご主人が突然、顔を出しました。

宿のご主人「今夜は星が出ているよー」
kumazzzo「あっ、見に行きたいな。行きませんか?」

みんながぞろぞろ出ていきます。
でも、今日一緒に歩いた宿泊客さんが、ひとり残っています。

kumazzzo「あっ、星…興味ないっすか?どうです?」
宿泊客C「俺、もともと大学で、天文部だったんだよな…カメラ持っていくか。」

まだまだ寒い夜の礼文。スウェットを着こんで、民宿の外へ。

kumazzzo「懐中電灯とかあればいいんだけれどなあ。」
宿泊者F「私、持ってきてるから。」

街灯や遠くに光る集落の明かりが見えない丘の上までみんなで登っていきます。

宿泊者G「この辺でいいじゃない?」

俺が道路に寝転がりだしたらみんな、寝ころびだしました。
明かりを消したら、暗闇の静寂の中で、
ただ鮑古丹に打ち寄せる波の音だけが遠くから聞こえてきます。

宿泊者F「あっ!」
宿泊者D「あっ!また!願い事なんて無理だよ。」

流れ星が見れなかったのは、俺だけじゃなかったようです。
立て続けに流れたのに、今度は随分と時間が経っても、流れません。

宿泊者H「流れ星が多い時と少ない時ってあるのかな?」
宿泊者C「明け方とか日が沈んだ直後ととか見えやすいんだよな。」
宿泊者H「じゃ、今はなかなか難しい時間帯なんですねー」
宿泊者D「短い時間で言える願い事って何?」
宿泊者G「カネカネカネ…」
kumazzzo「あはは、欲深いなあ…あっ!見れた!」
みんな「あっ!!流れ星!」

あんな短い時間で、言える願い事ってなんだったんだろう。
楽しかった礼文でも毎日を思えば、
日々の仕事から離れ、夢中になって遊んだことを思えば、
僕には、これ以上の魔法は、必要なかったのかもしれません。

いよいよ、明日は、島抜け。最終日です。



歩け、礼文の道。その6「花と団子、どっちが大切ですか?」

2009年07月09日 16時26分57秒 | 旅行
今月中旬から、北海道に浮かぶ一番北の島、礼文島に滞在してきました。
しばらく、旅行記にお付き合いください。

今回の話は、4日目です。
民宿→フェリーターミナル→香深井→宇遠内→礼文林道→レブンウスユキソウ群生地
→フェリーターミナル→民宿までのお話です。
今回も、パソコンでご覧の方、今回も多少重たくなります。ごめんなさい。

6月16日朝7時30分。
北海道礼文町須古頓。



礼文滞在2日目の朝です。
毎度のように、朝食の画像を撮るのですが…。

kumazzzo「すいません~カメラの調子が悪くて…なかなかシャッターが下りないんですよ」
宿泊客A「安いコンパクトフラッシュ使うからですよ。」
kumazzzo「いや、カード不良の場合は別のエラーメッセージが出るんですね。
     …んー調子悪いな。もういいや、食べ始めようかな。」

今回、カメラトラブルで満足な画像が撮れなかったのですが、
ブログかきながら振り返ると、懐かしい思い出でいっぱいです。

さて、昨日は、出発の準備に手間取りましたが、
昨日一日歩いたら、何をバッグのどこに入れればよいか、
要領をつかんだので、出発の支度もスムーズです。


ご主人「それでは最終点呼します…くまぞーさんは?」
kumazzzo「ウエンナイから礼文林道経由で、〆はスイーツです!」

今日は、同じコースを歩くのは、自分一人だけ。
歩き終わった最後には、昨晩のミーティングで話題になったホテル礼文のアツモリロールを食べに行きます。
フェリーで帰る宿泊客さんたちと一緒にワゴンに乗り込んで、出発です。

…ブーン。

フェリーターミナルには、礼文島での有名なユースホステル「桃岩荘」の出迎えがスタンバイしています。
この「桃岩荘」、とても濃密な宿泊体験ができるのですが、
民宿のヘルパーと宿泊客による、フェリーターミナルでの歓迎・送迎の儀式も、見ものです。



kumazzzo「旗振ってるなあー」

さて、自分が泊っている民宿はどうかと言えば、
こちらも、同じように見送りの儀式があって、
見送る側が一列に並び、握手をしてお別れをします。

見送りが初めての自分は、宿のご主人に促されて、岸壁の乗船口付近へ。
出発客が船に入ると、見送られる側もデッキまで出てきてれて、お互いに一言ずつお別れの挨拶をします。

kumazzzo「みなさん、ごはんはたくさん食べましょう!」

ウケを狙っていましたが、はずしたかどうか、微妙です。
桃尻コースと呼ばれる島南部を歩く人たちは、船の出発間際まで見送って
知床行き路線バスに乗り込みました。
最後に残ったのは僕と宿のご主人の2人だけです。

kumazzzo「寒いっすねー海に近いから風もあるし!」
宿のご主人「あはは、船、早く出ないかな?」
kumazzzo「あれ、桃岩荘の人たちも、いないですねー。今日は出発客がいないのかな?」

先ほどまで「おーい!桃岩荘~」とか、大声を出していたのは、
到着したフェリーでやってきたお客さんを迎えるための案内で、
どうやら、この日の見送りは僕らだけになってしまったようです。

船が大きな汽笛を鳴らします。ゆっくり動き出す船。
談話室で遅くまで話した宿泊客さんたちとも、最後のお別れです。

宿のご主人「エル君、あそこまで移動するよ」
kumazzzo「はい!」

港を出ていく船を最後まで見送るため、岸壁の外れまで移動します。

宿のご主人「さあ、声出すぞ。」

二人で大きな声で最後のお別れです。

二人「いってらっしゃーい!」

その声が届いたかどうか、僕にはわからないけれど、
きっとまた会えるよう、言霊になって礼文の空に響いてくれれば、
僕はうれしいです。

遠く小さくなるまで見送った後、到着した宿泊客と一緒に、
ワゴンにまた乗り込み、来た道を引き返し、香深井へ。
ここで自分はワゴンを降りて、宇遠内を目指します。

宿のご主人「道わかるかい?」
kumazzzo 「 1/50000の山岳地図持ってきたんで大丈夫ですよ」
宿のご主人「フェリーターミナル5時集合で!」

ここからは、本当に一人旅。
万が一遭難しないよう、分岐点のチェックや、ペース配分を考えながら、
慎重に歩いていきます。
香深井から宇遠内は、ちょうど島を東から西へ上って下るルート。

礼文島は、気象条件や緯度の高さの違いで、島の東側と西側、若干の標高の違いで、植生が違いますね。
今日のスタートは、昨日と全く違い、
風も穏やかで、鳥のさえずりも聞こえる、森林の中を歩いていていきます。



歩き始まるまでは少し寒かったのですが、未舗装の林道に入り、20分ほど。
宇遠内へ向かう山道へ入ると、体もぽかぽか、
気分は「森のくまさん」です。

歩き始めて40分ほどしたら、どうやら上り坂から下り坂に変わったようです。
もっとゆっくり歩きたいところですが、これから先の距離の事を考えると、
あまりのんびり出来ません。

下り坂に差し掛かると、一気にいろんな花が見ることができます。

↓マイズルソウ。


↓チシマキンレイカかしら。


↓ミヤマオダマキ。問題なく、きれいです。


急に視界が開けました。山と山の間には、水平線。
晴れていればもっときれいに見えるはずです。

kumazzzo「あーでも、まだまだ下らないと海岸線までは無理だなあ」





しばらくすると、ここで本日初めて観光客とすれ違います。
ここまで見事にたったひとりです。

観光客A「こんにちはー…フタナミソウお探しですか?」
kumazzzo「フタナミソウ??…はい!!探してます!」

そういえば、昨晩のミーティングで、フタナミソウの話が出ていました。
タンポポの花に似ているのですが、花びらが上向きに広がります。
以前は、名前の由来になった二並山経由の山道があり、その付近で見ることができたらしいのですが、
いまでは、閉鎖されていて、見られる場所は限られるとか。
探して歩いていたわけではないけれど、見れるものは見ておきたいところです。

観光客A「もう少し先の崖の上の方にありますよ」
kumazzzo「ありがとうございます!」

これが、フタナミソウ…かな。
崖の上の方に咲いているところを望遠レンズで撮ってみましたが、若干自信ないです。
当たっている確率70%ぐらい。



かなり急な下り道だったのでしょう。
まだまだ下らなくてはいけないと思っていたら、急に民家が見えてきました。



海です。

kumazzzo「きれいだなー」

島の東側と違い、晴れ間ものぞき、波の音も静か。
太陽が柔らかな光で海を照らし、微妙な青のグラデーションに染めます。



宇遠内は、民家が数件しかない小さな集落。
ここに通じる道は、今歩いてきた山道のみ。
物資は船で海から運ぶ以外になく、鄙びた光景が広がります。



数少ない民家の中の一軒が経営している休憩所で、僕はとあるチャレンジをしました。

看板「食堂 ひとやすみ」
kumazzzo「すいません。おじゃましますー、イ貝汁ください!」

自分は、基本、貝類が苦手ですが、昨晩のミーティングで、
ここのイ貝の味噌汁がおいしいとか

kumazzzo「昨日、星観荘でイ貝汁の話聞いて、来てみたんですよ」
御母さん「うれしいわーゆっくりしていってくださいね」
kumazzzo「本当に、いい眺めですね。あの船は…」
御母さん「うちのお父さんが、なまこの漁をしているのよ。輸出するの。」
kumazzzo「中国とかで高く売れるんですよね。」

貝自体は、やはり苦手だったんですけれど、貝から出た出汁の風味がすごくいい!
わかめも宇遠内でとれたもので、肉厚で磯の香りがたっぷり!

kumazzzo「すいません…持ってきたお弁当食べてもいいですか?」
御母さん「いいよ、食べていって!」



しばらくすると、漁からご家族が戻ってきました。
あまり長居をしては申し訳ないので、店を出ることにします。

御母さん「裏にエゾカンゾウがきれいに咲いているから見ていってね」
kumazzzo「ありがとうございました。」



静かな集落の佇まいに感動し、少しのんびりしてから、再び、来た道を戻ります。
50分ほど歩いて、再び、朝歩いた林道を、今度は、南に向かって歩きます。
「森のくまさん」モードで、しばらくは森林を歩きますが…



すぐに、笹の広がる丘陵地に。




標高が高くなったのがすぐにわかります。
ちょっと単調で、飽きてしまうのですが、
道端にはちらほら、花が咲いています。

↓キジムシロかな。


↓ゴゼンタチバナでしょうか。


礼文滝の分岐点まで来ると、宇遠内ですれ違った観光客のグループとまた会いました。

kumazzzo「あれ、もう礼文滝まで行ってきたんですか?」
観光客B「いや、途中までですよ。景色が奇麗なところまでいって、戻ってきました。」
kumazzzo「じゃ、俺も行ってこようかなー、ありあとうございます。」



…スタスタスタ。

礼文滝は、島の西海岸に位置していて、この滝を目指すコースは、
季節になると谷の両側に、花が一斉に咲き、お花畑状態だとか。
通称で「ハイジの谷」と呼ばれています。

時間はちょうど午前1時半。今日は、最後に午後4時までにホテル礼文のカフェに滑り込んで
「アツモリロール」というロールケーキを食べて帰るのが、最大の楽しみ。
あまりのんびり出来ないのは判っているのですが…。

kumazzzo「ちょっと下り坂がきついなあ」

下るということは、帰りは登るということ。
昨日は増水していて、この先の沢は、渡りづらかったとか。
もう少し先に行けばきれいなのはわかっていますが、今日は断念。
ふたたび、分岐点から、南下し、レブンウスユキソウ群生地を目指します。

レブンウスユキソウは、北海道の限られた場所で自生する希少種。
行くまで全然知りませんでしたが、ウスユキソウは、いわゆるエーデルワイスのことですね。
こちらも盗掘されるらしく、監視員が頻繁にチェックしているようです。

kumazzzo「たぶん、これかな…」



昨日の民宿でのミーティングでは、まだ数株しか咲いていないらしく、
本当にこれがウスユキソウか、ちょっと不安。
でも、見つからなくても、最終的にホテル礼文の庭に咲いているので、
カフェに寄ったら見せてもらったらいいよと、
宿泊客に教えてもらっていました。

女性C「こんにちは!すごく立派な装備ですねー」
kumazzzo「あはは、いやお茶とかしか入ってないんですよ。あのーウスユキソウって…」
女性C「ご案内しますよ。」
kumazzzo「えーいいんですか?」

この方、礼文島で、花のガイドをしているらしく、この日、午前中、団体客をガイドして、
午後はプライベートで、開花の状況を見て回っていたのだとか。

女性C「あの山の頂上の遊歩道わきもきれいなんですよ。お時間があれば…」
kumazzzo「フェリーターミナルに4時までに着けばいいんで。」
女性C「大丈夫ですね!」

…一人ではきっと行かないだろう、その急な上り坂を登ると、絶景です。

↓元地の集落。地蔵岩も見えるかな。



地元の方でないのですが、花好きが転じて礼文でガイドをすることになったこの女性に
いろんな花を教えてもらいながら、道を下ります。

レブンコザクラ。



レブンハナシノブの群落。



エゾイチゲ



ガイドの苦労や、好きな花の話など聞きながら、歩いたら、
あっという間に、舗装された道路までたどり着きました。

女性C「わたしは、ここで、また回り道して戻るので…」
kumazzzo「ありがとうございました!ご一緒しなければ見れなかった景色や花もみられて感謝です。」

…てくてくてく。
時刻は午後3時30分。ホテル礼文の「アツモリロール」目指して、歩きます。
昨日もそうでしたが、アスファルトの道に出ると、一気に疲れを感じます。
へとへとですが、急いで、フェリーターミナル方面へ向かいます。
民家が道沿いに見えてきましたが、なかなか海岸沿いまで時間がかかります。

子供「こんにちは!」
kumazzzo「こんにちは!」

礼文の子供たちは、歩いていると必ず挨拶してくれます。
坂道も自転車でびゅーん。元気です。
35分かかって、やっと到着。
カフェの閉店は4時30分。ぎりぎりセーフでしたが…

看板「ホテル礼文 喫茶 風路」
kumazzzo「すいませーん、アツモリロール…く、ださい…」
従業員「売り切れちゃいました。」

ガラスケースの中は空気だけが冷えています。
あー昨日のラーメンに引き続き、今日も食べ逃したか!
仕方なく…ではないですが、昨夜のミーティング後の飲み会で、アツモリロールと並んで話題だった、
「浮島パフェ」のストロベリー味をオーダーです。

疲れきって帰ってくると、
甘くて冷たいものが、体にぐぐっと沁みます。
そうでなくても、甘酸っぱいベリーの香りが漂ってくるほどのソフトクリームに
スポンジやバナナ、クリームがなどがアクセントで
とてもおいしい!



kumazzzo「ごちそうさまでした、おいしかったです!」

ホテルの向かいにあるターミナルで民宿のピックアップを待ちます。
待合所のテレビには、札幌テレビが東京のニュースを映しています。

女性キャスター「世田谷区で高級自転車ばかりを狙って盗んだ容疑者が逮捕されました」
kumazzzo「……。」

都会の、そんなニュースがどうでもいいって感じている自分。
礼文の自然の中で、気持ちが、満たされているのでしょう。

宿のご主人と落ち合って、フェリーが到着したお客さんを連れて、ワゴンに乗り込み、
民宿に向けて、いざ、出発です。
今日は家族連れも加わり、ワゴンの中は子供の無邪気な質問で、にぎやかです。

子供「僕は3歳!お姉ちゃんは?」
子供「僕は男の子!お姉ちゃんは女の子?」

…いいなあ、子供って。一日歩きまわった疲れも癒されます。


……



夕食が終って、夜のミーティングが今日も始まります。
今日のコースの状況を報告します。

宿のご主人「昨日は、ラーメンに振られ、今日はスイーツに振られたくまぞーさんです」
kumazzzo 「宇遠内へ向かう下り道はフタナミソウが咲いていました。
      ウスユキソウ群生地も、いろんな花が咲いて、きれいでしたよ」
宿のご主人「エル君、普通のタンポポとフタナミソウを見間違えていないか~?」
kumazzzo 「途中で観光客の人に教えてもらったんで、たぶん、間違ってないですよ。」

ミーティングの後の飲み会でも、食べ逃した話で盛り上がります。

宿泊客A「アツモリロールおいしかったですよ」
kumazzzo「えー今日食べたんですか??うそー、それって俺のアツモリロールだったんじゃないですか~!」
宿泊客A「そうそう、エルサイズって書いてあったよ。ごめん。あはは」
宿泊客B「まさに、花より団子だよね。」
kumazzzo「いや、花も団子もですよ!」

楽しい礼文の道歩きも、明日が最終日。
さあ、明日はどう歩こうか、どこに行こうか。



歩け、礼文の道。その5「誰かに道を聞かれても、快く答えてくれますか?」

2009年07月04日 03時16分43秒 | 旅行
今月中旬から、北海道に浮かぶ一番北の島、礼文島に滞在してきました。
しばらく、旅行記にお付き合いください。


今回の話は、3日目です。
民宿→ゴロタ岬→鉄府→澄海岬→西上泊→レブンアツモリソウ群生地→浜中→船泊→スコトン岬→民宿までのお話です。
今回はこれでもかと画像を張り付けました。重たくてごめんなさい。


6月15日朝6時30分。
北海道礼文町須古頓。

kumazzzo「久しぶりにゆっくり寝たなー」



朝ごはんの時間です。
談話室の大きな窓から見える空は、曇。
先ほどちょっと外に出てみたら、昨日よりはましになりましたが
風があり、まだまだ寒い。
ご飯も「利尻盛り」でたっぷりと食べます。
なんどもおかわりしていたら、最後まで食べているのは、どうやら自分だけのようです。

kumazzzo「俺、波照間でも朝飯最後まで食ってお昼のおにぎりまで作っていたくらいなんですよ。
     どうぞ、(部屋に)先に戻っていていいですよ」
宿泊者A 「すごいですねーあの飯食べた後、ちょっと無理でした。」


日本最南端の波照間のネタは、
判ってくれる人も多く、結構ありがたい!
とはいえ、食事は、いい加減切り上げて、荷物をまとめ、出発の支度をします。

離島ということもあって、礼文は天候が変わりやすく、
雨も降りやすいのだとか。
レインウェアを用意してきたのですが、雨ではなく、この寒さで、
今回は有効活用できました。
カメラや山岳地図、タオルなどをバッグに詰めて持って、再び、談話室に集合です。

宿泊客B「くまぞーさん、今日帰るんですか??すごく大きなバッグで!」
kumazzzo「いや、小さいザック持ってくる余裕がなかったんですよー。」

海外旅行や本格的な登山で使うような大型のバックパック
ご主人「それでは、今日の行動の確認をします。」

宿泊客をどこまで送迎するのか確認しがてら、点呼していきます。
今日は、4時間コース。島北部の見どころを、同じコースを回る宿泊者と一緒に歩きます。

ご主人「kumazzzoさんたちは?」
宿泊者C「4時間コースです。ここから出発します!」
kumazzzo「俺は、最後にラーメン食べて帰ってきます。」

そんなわけで、今日フェリーで帰る宿泊客や、フェリーターミナルなどから歩く宿泊客などを
見送ってから、自分たちも出発です。

…てくてくてく。



宿泊者C「さっそくカメラ撮りだしましたね」
kumazzzo「歩いているだけで、なんか撮りたくなるんですよね。」

民宿を出てからすぐに花が咲いているので、まずはパチリと。
↓チシマフウロかな。

トド島展望台を経て。ゴロタ岬へ。
地図を見ながら、方向を確認しながら進みます。

↓ハクサンチドリだと思うけど。


↓センダイハギかしら??

程なくして舗装道路から、未舗装の山道へ。
一気に息切れしていきました。

kumazzzo「あーなんか自分歩くの、のろいんで、先に行ってていいですよ!」
宿泊客C「気にしないでいいですよー」

ゴロタ岬を目指しているのですが、その実際は、標高180mのゴロタ山という山頂。
岬の先頭や海岸線は、とても人が立ち入れるような場所じゃないくらい険しいです。
西側に突き出た岬の山頂へは、稜線上の狭い道を歩いていきます。

あーなんてところに来てしまったんだろう!
そんな思いがつい過ります。
海側はかなりの急斜面!その上、前日までの雨で道はぬかるみ、風が強い!
風や足元をとられて、バランスを崩して転がらないように、
慎重に登っていきます。

kumazzzo「やっと着いた!」

振り返ると、随分と高いところまできたことにびっくり!
鮑古丹(あわびこたん)の集落もぐっと小さく見えます。





同行している宿泊客さんは、余裕の表情。
でも自分は、さっそくペットボトルを取り出し、お茶をゴクリ。

さて、ここからエゾカンゾウなど高山植物の群生地を眺めながら、
下っていきます。


登りよりは緩やかですが、登山道は、かなりドロドロ。
滑らないよう、慎重に下りていきます。




振り返ると、あんなところに上ったんだと、ちょっとビックリ。


降り切ったあとは、ゴロタノ浜という海岸線を通って、鉄府の集落へ。
先ほどすれ違った女性3人組が、立ち止まってます。どうやら何か発見したようです。

女性「レブンアツモリソウが咲いているみたいですよ。」
宿泊客C「変なところに監視カメラがついていたんだけれどあそこかな?。」
kumazzzo「俺、全然わからないです!どこどこ??」



レブンアツモリソウは、礼文島固有のラン科の希少植物です。
園芸店で高値で取引されるため、盗掘が多く、
今では、群生地で24時間体制で管理されています。
ここは群生地として有名になっているところではないですが、
監視カメラがあるということは、ちゃんと管理されている場所なのでしょう。


鉄府の集落を歩いていると、道端やあちこちの民家の庭先に、
ミヤマオダマキがきれいに咲いています。



エロ詩吟ではないですが、吟じたくなります。

kumazzzo「他人の家の庭先の方がきれいな気がする~」
宿泊客C「あるとおもいます!」

↓庭先のバイキンマンたちも歓迎してくれています。




鉄府の港までやってきたら、再び、山越えです。


kumazzzo「おっ、きれいだなあー」



カモメが飛んでます。渡辺真知子じゃないけれど、あなたはひとりで生きられそうです。


透明度の高い、入り江。澄海岬という岬の近くなのですが、
ここで中島みゆきの「銀の龍の背に乗って」という曲のプロモーションビデオが撮影されています。
改めてYoutubeでPVをみると、レブンキンバイやチシマフロウなど、
礼文島で見られ植物もたくさん映っているし、
カモメの飛ぶ姿や集落の様子、地形の様子もばっちり映っていて、
ある意味、礼文島のPRビデオみたいなものですね。

この山を越えると、再び舗装道路です。
舗装道路へ出ると、狭い道を大型観光バスが続々と西上泊に向かって走っていきます。
澄海岬の展望台に近い、この西上泊は、休憩所やお土産物やが並んでいます。

kumazzzo「風強い!それにしてもいい眺めですね!」
宿泊客C「このあたりでご飯にしましょうかー」




西上泊の近くにある小さな神社を風よけにして、ご飯を食べます。
このあたりの神社は、風雪をよけるためか、防災倉庫みたいな建物と、
その前に鳥居がぽつりと建っています。
きっと防災倉庫の中には、ちゃんとしたご神体が格納されているのでしょう。

ここからは、西海岸から別れを告げて、島の北側の湾へ。
ここは道路が舗装されていて、一見歩きやすそうに見えますが…。

kumazzzo「道は楽ですけれど、風景は単調でちょっとつまらないですねー」
宿泊者C「いや舗装道路の方が足に負担になるんだよ」
kumazzzo「あっ、いま、スカイラインのクーペが通りましたよ。しかも山梨ナンバー!」
宿泊客C「似合わないなあー」

遠くに観光バスが泊っている場所が見えてきました。レブンアツモリソウの群生地
のようです。


無料なのですが、厳重に管理されている敷地内は、遊歩道が整備されています。
毎年、何株あるのかをちゃんとカウントしているのだとか。
昨夜の宿のミーティングでも話が出ていたとおり、ほとんど終わっていましたが
一部できれいに咲いているところが残っています。

kumazzzo「何度か往復してもぜんぜんオーケーですよ。」
宿泊者C「一番手前がきれいに咲いているね!。」
kumazzzo「この場所からなら、遊歩道閉鎖されても、全然関係ないっすね」
宿泊者C「夜のミーティングで報告できるね」



一緒に歩いていた、宿泊客さんは、今回の一番の目的は、
レブンアツモリソウを見ることだったとか。
みんな、いろんな目的や楽しみをもって、礼文にやってくるのでしょう。

しばらくすると、大型バスのお客さんがぞろぞろやってきます。
多くのお客さんに場所を譲るように、また歩き出します。

しばらくすると、浜中の集落へ。フェリーターミナルから延びている街道に到着です。
この街道沿いには、赤いアツモリソウが咲いているのだとか。
正式名称は…忘れてしまいました。こちらもかなり貴重なのですが、
礼文島の固有のレブンアツモリソウと混じってしまうのを防ぐために
種をつける前に、花を採ってしまうらしいです。




宿泊者C「じゃ、ここで別れましょうかー」
kumazzzo「ラーメン食べてきます!」




昨日の夜のミーティングで、船泊においしいラーメン屋があるとか、ないとか。
雨の中わざわざ出かける価値があるほどおいしいらしく、
気になっていました。

…てくてくてく。

kumazzzo「足…ちょっと痛いかも。」

そんなに頑張ったつもりはなかったのですが、急に足に痛みを感じ始めました。
浜中から船泊まで約2km…よく考えたら、場所をちゃんと聞いてこなかったことに
気づきました。
久種湖(くしゅこ)のキャンプ場を通り過ぎ、船泊小学校まで歩いてきましたが、
どうやら、店がありそうな気配がありません。
足の痛みもあり、不安になってきたので、残念ですが、折り返してきました。

ここから、最北端のストコン岬を目指すのですが、ここからが長い!
海沿いの単調な舗装道路を約7kmほど歩きます。

kumazzzo「足…痛いなあ。」

だんだん辛くなってきました。24時間テレビのマラソンランナーの気持ちがちょっぴりシンクロします。
この礼文島には、島を24時間かけて一周するコースもあります。
もちろん一人での挑戦は無理だし、民宿の他の宿泊者のサポートもあって出来るのですが、
疲れない歩き方を習得している上級者は、72kmを、
24時間かけずに戻ってくることができるらしいです。

風とカモメ。


廃車。


海岸沿いの風景に目がとまりますが、足は、だんだん引きずり気味に。
地図を見ながら、あとどのくらいなのか、気にしながら歩きます。
街道沿いは、観光バスが何台も通り過ぎます。歩いているのは、自分くらいです。
白浜から坂を上り、須古頓(スコトン)へ。丘の上は風が強く、寒くてたまりません。
廃校になった小学校の脇を通り、岬の一番先へ。
お土産物屋と駐車場が見えてきました。

土産物屋の兄ちゃん「お疲れ様です!ずっと歩いてきたんですか??」
kumazzzo     「はい、船泊からずっと歩きっぱないなんですけど、もー寒くて寒くてたまりません!!」
土産物屋の兄ちゃん「軍手ありますけれど…100円ですが、どうでしょう?」
kumazzzo     「あとで寄ります。絶対に買います!」



まずは、岬の一番先に。



天気の良い日は、サハリンも見えるとか。
日本最北端の宗谷岬より若干緯度が低いので、ここは最北端ではないのですが、
僕の心の中では十分に「最北端」。たどり着いた達成感の余韻にずっと浸っていたいのですが、
限界まで浸ってから先ほどの土産物屋に戻ります。

kumazzzo「軍手ください!」

お客さんを呼び寄せる為に店の外にも商品を並べ、声を出しながら立っているのですが、
寒いので、お客さんはみんな店内に入って行ってしまうのだとか。
でも店の外に立っているのと誰も立っていないのでは、きっと売上も違うはずです。

土産物屋の兄ちゃん「今日は、これからどこまで帰るんですか?」
kumazzzo「星観荘に泊っているんで、ここからもう歩いてすぐなんですよ。やっとゆっくりできます。」


中には礼文島オリジナルの海産物を使った土産物がたくさん。
あんなに寒かったのに、疲れ果ててしまったので、店内でソフトクリームを食べます。


ちょっとお買い物して、先ほどの土産物屋の兄ちゃんに挨拶してから、
民宿へ戻ります。

……

民宿には、先ほどまで一緒だった宿泊客が、談話室で、くつろいでいました。

kumazzzo「帰ってきました~帰り道、すごくつまらなくなかったですか?」
宿泊客C「そーだね。ラーメンはどうだった?」
kumazzzo「実は場所がよくわからなくて食べられなかったんですよー」

気がつけば、風呂に入れる時間帯。
他の宿泊客が帰ってくる前に、風呂に入って、足の痛みを和らげます。
ちょっと横になって寝ていたら、ずいぶん楽になりました。

……



食事が終わり、夜のミーティングでは、コースの状況の他にも、ラーメンの話題で盛り上がります。

kumazzzo「星観荘スタートの4時間コースで浜中から船泊でラーメン食べずじまいで須古頓岬まで行って帰ってきました。」
ご主人 「エル君、なんで場所聞かなかったの?」
kumazzzo「聞ける人がいなかったんですよ…」

いや、実は、いなかったのではなく、僕は聞かなかったのかもしれません。
自分は、道に迷っても、道を人に尋ねたりしません。
ほら、都会で人に声をかけられるのって、嫌じゃないですか?
聞かなくても、標識や地図があちこちあるし、携帯でも調べられる。
場所が分からない時に、「人に聞く」という選択肢が、もともとなかった。
ごくごく当たり前の至極当然な行為が、自分ができなかったことに、
ちょっと恥ずかしかったのでした。

ミーティングの後の飲み会は
自分も2泊目ということで、昨晩より、さらに盛り上がります。
波照間島の民宿たましろアネックスの話。
僕が泊ってみたかった黒島の伝説(?)の民宿「イリムティア」の話。
山岳ガイドという職業の話。
礼文島にかつてあった牧場の話。
礼文の名物ユースホステル「桃岩荘」の体験談…


旅の話って、なんてこんなに楽しいのだろう。
就寝の時間まで、あっという間。
僕も礼文という島の魅力に、いつの間にか、包まれていたのでした。


歩け、礼文の道。その4「ご飯はたくさんおかわりしてもいいですか?」

2009年06月30日 02時49分53秒 | 旅行


今月中旬から、北海道に浮かぶ一番北の島、礼文島に滞在してきました。
しばらく、旅行記にお付き合いください。


今回の話は、2日目後半です。
香深港(礼文島)→民宿までのお話です。


船を下りると、待っていてくれるであろう民宿のご主人を探します。

ターミナルへ向かって歩いていると、扉の近くで、
民宿の名前の入った旗を持った人が一人立っていました。




旗「FIELD INN 星観荘」
kumazzzo「今日宿泊予定を入れていたくまぞーです」
ご主人「今、待っている人を呼んできますので待っていてください」

この日の稚内は雨で、最高気温8.3度。礼文島も相当寒かったはずです。
ターミナルビルで暖かくして待っていた同じ民宿のお客さん3人と一緒に、
民宿の送迎用のバンに乗り込みます。

バンに乗っている宿泊者4人の中で、
同じフェリーでやってきたのは、俺を含め2人だけのようです。
運転しながら、新しく来た僕ら2人を紹介してくれます。

ご主人「くまぞーさんはどちらからいらっしゃいましたか?」
kumazzzo「東京からです」
ご主人「発熱やせきはありませんか?」
kumazzzo「大丈夫です」
ご主人「それでは宿泊オーケーです!」

新型インフルエンザネタで、笑いを取りながら、
僕らを和ませてくれます。

kumazzzo「今日はどちらに行っていたんですか?」
宿泊者A「ハイジの谷に行っていました。」
kumazzzo「今日みたいな日は、みなさんどうされるんですかねー」
宿泊者B「部屋でごろごろしている人もいるし、強行して歩く人もいるし、いろいろですよ」

礼文島は、南北に長く、島の東側に幹線道路があり、島の西側は急峻な地形で、
道路でつながっていない集落もあります。
フェリーが到着する香深は島の南部にあり、島の中心部。
島の北部の船泊には、礼文空港があるのですが、現在は就航していません。
送迎のバンは、香深から北上し、船泊を経て、港から約25km離れた島の最北端のスコトン岬を目指します。

宿泊者C「すごく揺れましたよね。波もすごく高くて船が被ってましたよね」
kumazzzo「酔いそうだったんで寝ていましたよ」
宿泊者B「白波がすごく立っていたからね」

その海を右手に見ながら、いよいよ車は、スコトン岬へ。
海岸線に別れを告げ、丘へと車が登っていきます。
スコトン岬のちょっと手前、歩いて、あと五分。
集落のはずれにある、その民宿に、到着です。



ご主人「お疲れ様でした。今日到着したお二人は説明があるので、フロントでお待ちください」

今回泊ったFIELD INN 星観荘は、礼文でも個人客を受け入れてくれる数少ない宿。
昔のユースホステル形式を維持していて、男女別の相部屋ですが、
家族連れにも対応してくれます。
また北海道中心ですが「とほ宿」という低料金でドミトリーをもつ
民宿の集まったネットワークにも入っています。
自分も、沖縄県の波照間で、この礼文の「とほ宿」の話を聞いたのが、
きっかけの一つでした。

フロントで一通り説明を聞いて、部屋を指定されます。
二人とも同じ部屋のようです。
部屋に入ると、二段ベットが設えてあって、8名が泊れる設計。
相部屋の経験はありますが、沖縄・波照間で自分がよく泊まる某民宿は、
畳の部屋に川の字になって寝るスタイル。

浴室、トイレはもちろん共用ですが、とっても清潔で、
あちこち旅してたどり着いた旅人にとっては、まさにオアシスです。
空いている場所に陣取り、荷解きします。

館内放送「夕食は6時20分ごろから始めます。ブラックホールに集まりください。」

ブラックホールと呼ばれる談話室は、食堂を兼ねていて、
みんなで一緒に御飯を食べます。
疲れた自分は、しばらくベッドで眠ります。
うとうととしていたら、また館内放送。
そろそろご飯のようです。


館内放送「うに丼を食べたい方、フロントでお集まりください。
     本日はミニうに丼です。先に料金をお支払い下さい」

どうやら、海が荒れていて、うにが揚がらないようで、
うにのストックも本日でなくなってしまったそうです。
このうに丼、この日を最後に、自分は食べることができませんでしたが、
自分が旅立つ朝には、久しぶりにウニ漁が出来て、船が一斉に出漁していました。

どうやら、全員の宿泊客がうに丼を注文したようです。
食堂に全員が集合したのを確認して、ご主人が料理の説明を始めます。
壁に張られた本日のおしながき…素朴ですが、礼文の食材や手作りにこだわった
一つ一つの料理に対するこだわりは、
おもてなしの気持ちが伝わってきます。
ちなみに、4日間宿泊して、朝・夕の食事で揚げもの料理がなく、
和食中心の体にもとても優しいお料理です。



ひととおり説明が終わり、
ご主人の号令(?)で、食事の開始です。
ご飯、汁物、お茶は、それぞれ自分で盛ります。




念願のうに丼!
磯の香りはもちろん、とろけて消えてしまいそうに繊細です。
もったいないので、うにを半分残して、ご飯をお代わりしに行きます。

宿泊者D「すごいねーご飯の量!利尻盛りですね」
kumazzzo「あっ、それいいですねー!あはは!」

礼文島の南には、利尻島が浮かんでいるのですが、火山によってできた島のため、
利尻富士との愛称でよばれる山があるんですね。
ヒマラヤ盛りなんて名前で大盛り御飯を出している店もありますよね。

kumazzzo「東京からずっと電車で来たんですよ。」
宿泊者E「前日はどこに泊ったんですか???」
kumazzzo「青森から寝台列車ですよ!」

そんな旅の話をしていると、飯もどんどん進みます。
…いや、もちろんお料理がうまいからです。
何回もご飯をお代わりして完食したら、食器を片づけ、最後にデザート。
就寝前に、ミーティングがあるので、まだ風呂に入っていない自分は風呂に入ります。
風呂の時間もいつでもいいわけでなく、時間内で順番に入らなくてはなりません。

着替えて、さっぱりして、また寝転がっていたら、すぐにミーティングの時間です。
先ほど食事をした談話室に集まります。

ここでのミーティングの目的は3つ。
まずは宿泊者の紹介。今日の行動の報告(花の開花状況とか道の状況とか)。
そして明日の行動の予定を決め、朝食やお弁当の注文を取っていきます。

ご主人「それではミーティングを始めます。」

宿泊者は全員集まります。今日は、15人くらいでしょうか。
今日から宿泊するお客さんを紹介していきます。
朝到着のフェリーで到着して一日歩いてまわっていた人や、
他の民宿に泊まっていたお客さんもいました。
礼文には個性的な民宿がいくつかあるので、
目的に応じて、分泊する人も多いようです。

ご主人「えー、東京からいらっしゃったくまぞーさんです。礼文は初めてですか?」
kumazzzo「はい、初めてです。」
ご主人「くまぞーさんは、なぜ礼文に?」

初めて礼文に来る人には、こうやって、紹介がてら、きっかけなど話をみんなの前で聞いていきます。

kumazzzo「自分は沖縄をよく旅行していて、ここに来るお客さんはご存知の方が多いかと思うんですけれど、
     最南端の波照間にある有名な民宿で、宿泊客と話していてたら、礼文をすごく勧められたんですよ。」
ご主人「あっ、あの民宿ですね。」

やはり、最南端の島にある名物民宿の名前は、最北端でも知れ渡っていました。
この日の宿泊客の中にも、やはり波照間ファンがいて、この後の楽しく話ができそうです。

自己紹介が終わり、今日のコースの状況を聞いていきます。
どうやら、この悪天候でも、みんなほとんど外を歩いていたようです。すごい!
どんなコースを歩いたのか、ファイルを見ながら、聞いていきます。

礼文島は、トレッキングのコースがいくつかあり、
観光客は、このコースのいずれかを歩きます。
ただ、宿のある位置によっては、コースの途中から歩いたり、
またリピーターで詳しい人の中には、いくつかのコースを組み合わせたり、
コース以外の普通の山道を歩く人もいるようです。
もちろん進入禁止になっている道もあるので、注意しなければなりません。

ご主人「それでは明日の予定を決めていきます。」


いろんなコースがあって迷いますが、
明日は宿のまわりの礼文島北部を見どころを回るのが一番無難のよう。
また「レブンアツモリソウ群生地」も、遊歩道が明日でしまってしまうとか。
もう大体決まっています。


ご主人「くまぞーさんは?」
kumazzzo「4時間コースで朝は和食、お弁当は…Lでお願いします!」
ご主人「おっ、L弁当だね。」

滞在中、大食いキャラが確立されていたので、
僕は、エル君というニックネームをつけてもらっていました。
会話も弾むし、ある意味、大変ありがたいことです。

明日の4時間コースは、今日、同じフェリーで到着した宿泊客さんと二人だけ。
ご一緒させてもらうことにしました。いきなりひとりで歩くのは、ちょっと心細いです。

ご主人「それではミーティングを終わります。この後、お酒も用意してありますので、
    飲みたい方は各自グラスを用意して、11時まで情報収集したり親睦を深めてください。
    最後に記念撮影をします!」

今日宿泊した記念に、みんなで記念撮影です。カメラはそれぞれ持ち寄り。
自分も一眼レフで撮ってもらいました。はいチーズの代わりに、こんな掛け声で、
シャッターを押します。

ご主人「礼文で一番おいしいものは?」
全員 「うーにー!」
カメラ「パチリ!」

この日は初めてやってきた宿泊客さん達と焼酎を飲みながら、
旅行の話、北海道の話、波照間談議に花を咲かせ、夜11時で消灯。
疲れた体と酒が、ぐっすりと深い眠りにいざなうのでした。



歩け、礼文の道。その3「終着駅で、人は何を思うのですか?」

2009年06月26日 03時05分31秒 | 旅行
今月中旬から、北海道に浮かぶ一番北の島、礼文島に滞在してきました。
しばらく、旅行記にお付き合いください。


今回の話は、2日目です。
青森駅→札幌駅→稚内駅→稚内港→香深港(礼文島)までのお話。
今回は異常に画像が多いので、パソコンでご覧になる方、
ちょっと重たいかもしれません。ごめんなさい。



6月14日午前1時23分。
北海道函館市函館駅。
前夜、青森を出発した急行はまなすは、ふたたび、ガタンと音をたて、
札幌に向けて動き出しました。

急行はまなすには、さまざまなタイプの車両が連結されています。
普通の座席の自由席やドリームカーと呼ばれる、ちょっとゆったりめの指定席、
B寝台と呼ばれるスタンダードな寝台車に加え、
カーペット敷きで、肌掛け蒲団と枕が用意されているカーペットカー。
今回は、指定席急行券の料金で乗れるカーペットカーで、札幌まで過ごします。

特に、二段目の一番隅の区画は、半分個室風になっており、
B寝台との違いは、寝心地が固いのと、カーテンがないことくらい。
ほぼ快適です。


友達「mixiの画像が反対になっているぞー」
kumazzzo「ごめん、あとで直してみる!」


急にぱちっととると、携帯カメラの上下を間違えてしまい、
今回も、逆さの画像や誤字もたくさんアップしてしまいました。

メールを見たあと、携帯電話の電源を落とし、再び、眠りにつきました。

……

車掌「おはようございます。あと15分で南千歳に到着します。」
kumazzzo「!!」



気がつけば、カーペットカーの側面についた小窓からは、明かりが差しています。
明け方になり、車内放送が再開されます。
洗面道具を持って、洗面所へ移動し、下車の準備を始めます。




午前6時7分。札幌駅到着。
ホームへ出ると、冬のような冷たい空気、そして雨。
閑散とした日曜の朝は、鉛色の景色に、さらに絵具を足すような雰囲気です。
ホームに下ろしたバックパックを、もう一度、背負いなおして、歩き出しました。





次の特急の出発まで、約2時間半。
ここでの最大の目的は、携帯電話の充電です。
事前の情報で調べたところ、JR札幌駅構内で、有料で携帯電話の充電ができるコーナーがあるとか。
5,6番ホームへ向かうエスカレータ脇を探します。

…が、見つからない!

kumazzzo「あの、このへんに携帯電話を充電できるコーナーってありませんでしたか?」
駅員さん「撤去されてしまいましたねー」

携帯電話のショップが営業している時間だったら、こんな苦労はありません。
残念。どうしようか迷いましたが、札幌駅にいても仕方ないので、
街をぶらぶらしながら、携帯電話が充電できるチャンスを探します。


ちょうど、この日の札幌は、「YOSAKOIソーラン祭り」の最終日。
街は、祭りの余韻を残し、最終日の盛り上がりに向けて、
朝早くから衣装を着て集合場所に向かうグループがちらほらと。




朝の時計台。




朝の安全地帯。






朝のテレビ塔。

札幌の地下街は、ほとんどシャッターが下りていて、
「大通駅」地下にある、札幌によると食べたくなるたい焼き屋も、この時間はまだ。

小雨降る中、ぐるっと回って札幌駅へ。

看板「インターネットカフェ24時間営業」
kumazzzo「!!」

すでに時刻は7時50分。
ここなら充電できるかもしれないけれど出発までちょっと時間が足りません。
さすがに、乗り遅れるのはまずいので、仕方なく、札幌駅へ向かいます。
駅弁を買い、改札に入り、駅構内へ。ここで最終手段です。

kumazzzo「あの、すいません、店内で充電させてもらっていいですか?」
ロッテリアの店員「あっいいですよ。(店長らしき人に相談してから)あちらの隅のコンセントでどうぞ」

厚かましいお願いに、感謝です。
時間ぎりぎりまで充電して、お礼を言って、ホームへ向かいます。
8時30分発。「スーパー宗谷1号」稚内行き。気動車の心地よい重低音が、ホームに響きます。
先ほど到着した時とは、また違い、気持ちが高鳴ります。
急いで写真を撮って、車内へ乗り込みます。




程なくして、ホームがゆっくりと動き出します。出発です。

札幌を離れると、すぐに、北海道らしいのんびりとした風景がひろがります。
旭川までは、電化区間で、都市間輸送が盛んです。30分に1本以上の頻度で特急が走ります。


室蘭本線が分岐する岩見沢、根室本線が分岐する滝川で停車し、旭川まで約1時間20分。
ここで乗客が入れ替わり、列車は、宗谷本線に向けて、一路、北へ向かいます。

女性乗務員「車内では、お弁当の注文を承っております。名寄到着一時間前にお申し付けください」

座席には、飛行機の機内サービス張りに、車内で販売しているお食事やドリンクなどのリストの案内が。
行き先によって食べれるお弁当も違います。
昔は、駅での停車時間が長く、停車中に駅弁を買うことも可能だったのでしょうが、
今では、こうして車内で注文を取って、途中駅で積み込むことで、
旅の楽しみを演出しているのでしょう。
自分は札幌駅で買った駅弁で、ひとり駅弁大会です。





列車は、旭川から約1時間で、士別駅に停車。レンガ倉庫の並びが美しい!。
続いて、名寄駅に停車。駅弁を積み込み終えた業者さんが、小走りに駅舎に戻っていきます。

名寄を過ぎると、車窓の右側には、天塩川が見えてきました。
北海道の網走支庁と上川支庁を分けている山脈の中の天塩岳付近を源にし、
日本海側の天塩町までの、256kmは、日本で4番目に長い川だとか。
この川沿いに列車はさらに進みます。指定席を進行方向右側でオーダーしたのですが、
その狙いがぴたりとはまり、川の流れが楽しみながら、列車は進みます。
山間部ですが、高低差があまりないのか、水量が多いからか、
ゆったりとした流れが、北海道らしいスケールを感じさせます。




途中、音威子府駅には、札幌から3時間半。
ずいぶん遠くまで来たはずですが、ここから、稚内までさらに2時間。
山間部をくねくねと曲がりながら進み、天塩中川を経て幌延へ。
徐々に平地が広がっていきます。線路の向こうにはサロベツ原野が広がっている…はずですが、
地形の関係か天候の関係か、または線路沿いに生える笹のせいか、
日本海はまだ見えません。

そして、突然、海が車窓に飛び込んできます。

kumazzzo「やっとここまで来たか!」




札幌から約5時間。気がつけば、もうすぐ稚内です。
南稚内到着を告げる車掌のアナウンスに、団体客もざわざわしはじめます。

午後1時28分。稚内駅到着です。

でかいバックパックを背負い、最後にホームに降りると、そこは、極寒の地。
6月とは思えない寒さに白い息で、かじかむ手を温めます。
気分は奥村チヨの「終着駅」です。
半袖のポロシャツ姿だった自分は、慌ててフード付きのトレーナーを着こみます。






最北の終着駅らしく、観光客が続々と記念撮影をしていきます。
自分も、その観光客が切れるのを待ってから、撮影していたら、
いつの間にか、「特急サロベツ」札幌行きが発車していきました。


「東京都区内発稚内行」の片道切符ともここでお別れ。
改札に向かい、切符を駅員に渡します。

次の列車までしばらく時間があくので、
自分を最後に改札が閉じられ、自分が出るのを待っていてくれた係員も
駅務室に入っていってしまいました。

kumazzzo「……ぽつん。」

ひとり旅で、列車を降りて一人になった瞬間。
空港で、駅で、港で、ひとり放り出され、
これからどうしようかと、自分と対話する瞬間。
僕は、このせつない瞬間が、一番好きかもしれません。

稚内市内は、日曜の午後にしては、閑散としていました。
さすがにこの寒さでは、歩く人もいないのでしょう。
ロシアとの間では蟹などの貿易が盛んだったらしく、
ロシア語の表示も市内にはあふれていますが、今では輸出規制で、
船もあまり入港しないとか。
低く垂れこめた鉛色の空と寒さと幅員の広い道路にロシア語の表記。
国境が閉鎖されてしまったかのような、寂れた街の雰囲気です。

フェリーターミナルの場所と、フェリーの出発時間を確認し、
腹ごなしにラーメンを食べて、セイコーマート(北海道のコンビニチェーンですね)で
礼文島滞在中に必要なペットボトルのお茶を確保し、
雨脚が少し強まる中、歩いてフェリーターミナルへ向かいます。

自分が、とぼとぼ歩いていると、タクシーが次から次へとフェリー乗り場方面に向かって
走っていきます。

kumazzzo「……ぽつん。」

稚内と利尻・礼文を結ぶ航路は以前は、
東日本海フェリーという会社名だったらしいのですが、
現在はハートランドフェリーという名前に変わり、
フェリーターミナルも移動し、かなり立派になったのだとか。
これがどうやら久しぶりに礼文や利尻に訪れる個人観光客には
周知されてないようで、
自分が泊った民宿でも、前のフェリーターミナル付近で
タクシーがわざと待っているのでは?と
話題になっていました。

ハートランドフェリーのターミナルは、とても新しく立派です。
雰囲気は、まるで空港のよう。到着客を待つ人たちは1階で、
出発客は2階で待っています。
1階でチケットを買って、搭乗口へ向かいます。

アナウンス「礼文・香深港行きはただ今から乗船を開始します。」

すでに搭乗口には、人が並んでいます。
自分も最後尾について、搭乗します。

が、しかし!

2階から直接、ボーディングブリッジで乗船できるのかと思ったら、
階段を下りて、しかも一度建物の外に出なくてはいけないという、
ちょっと面白い構造。
お年寄りや車いすの方には、とても無意味な感じです。




階段を上り下りして、いよいよ、乗船です。
2等船室はいくつかの場所に分かれていて、どこもすでにお客さんが陣取っています。
一番空いていそうな所でバックパックを降りし、カーペットに座ります。

汽笛「ぼーッ」

午後3時10分。フェリーが稚内港を出発します。
外の眺めが見たくて船外に向かいますが、ちょっと寒くて、断念。
船内をぐるっと探検して、ふたたび船室に戻ります。

が、しかし!

波「ザブーン!!」
kumazzzo「ゆれるなー」

そこそこの大きさの船なので揺れないかと思ったのですが、
案外揺れるではないですか!
ちょっと酔ってしまう予感がしたので、ここは思いきって寝ることに。

……

アナウンス「まもなく香深港に到着します。」
kumazzzo「!!!」

気がついたら2時間経っていました。
あわてて、下船の準備をして、バックパックを背負って、船室の外に移動します。
すると、港には、大きく「おかえりなさい」の文字。
これが、僕が行ってみたかった、礼文島の風景。
外は稚内からさらに冷たい雨と風。
そんな悪天候とは裏腹に、はじめて訪れる場所の風景や人との出会いの期待は膨らみ、
僕のことを待っててくれるであろう、
民宿の旗を目指して、船を下りるのでした。



歩け、礼文の道。その2「青森では助手席に乗っていてもいいですか?」

2009年06月22日 04時21分28秒 | 旅行
今月中旬から、北海道に浮かぶ一番北の島、礼文島に滞在してきました。
しばらく、旅行記にお付き合いください。

今回の話は、1日目、後編です。
青森県内を車で、青森駅→黒石市→弘前市→旧金木町→五所川原市→青森市と回ったお話。



午後零時半。
青森県青森市青森駅。

改札の外で待っていてくれた友人のところへ向かいます。

がるくん「お疲れ様です」
kumazzzo「ありがとう!」

待っていてくれたのは、お花見オフにも参加してくれた青森のがるくん。
ブログを通じて、メールのやり取りが始まって、
東京では何度か会っているのですが、
いつかは青森でお会いしたいという願いが叶いました。

青森駅前で記念撮影をしてから、
駐車場へ向かって車で、出発です。


がるくん「今日は青森グルメにいろいろお連れしますよ。」
kumazzzo「いやいや、本当に気を使わなくて大丈夫だからね。」

初めて訪れる町は、いろんなものが視界に入ってきて、
自分は、他の会話をしていても、話題があちこち逸れていってしまいます。

kumazzzo「あの『東京・銀座 マスカット紳士服』って看板何?銀座に、マスカットなんて無いぞー」
がるくん「あっ、青森のイメージダウンになるようなことブログに書いたら駄目ですよ!」

調べてみたら、マスカット紳士服は、紳士服専門店の「はるやま商事」の店のようです。
「はるやま」自体も、銀座にはありません。んー、はるやま
商事さん、適当すぎです。

そんなわけで、一番最初に連れて行ってくれたのは、
青森県黒石市「お食事処 妙光」で、つゆ焼きそば。
最近、全国区で脚光を浴びているB級グルメですね。





この店が「つゆ焼きそば」の本家的扱い。
安住紳一郎や石塚英彦など、グルメ番組には欠かせないキーパーソンのサイン色紙がずらり!
そして、なんと萩本欽一も、ロケでこの店を訪れているとか。

普通に焼きそばを作った後、どんぶりに入れて、ラーメンのスープを割っているのですが、
つゆに、ソースや、炒めた豚肉と野菜のエキスが溶けて、なんとも言えないコク!
そのつゆを、揚げ玉がすって、とてもいい感じです。




kumazzzo「くせになる味だね!」
がるくん「好きな人ははまる味ですよ。」

続いて連れて行ってくれたのが、青森県弘前市「吉井酒造倉庫」。
レンガ造りの、この倉庫で行われた地元出身でポップアートで活躍されている芸術家
「奈良美智」さんの美術展の閉幕後、
記念として制作されたのが、画像の巨大なワンコのオブジェ。




kumazzzo「かわいいなあー」


レンガ倉庫と芝生のロケーションなぴったりマッチした、不思議な魅力を持つオブジェです。

がるくん「弘前は他から攻められにくいように、中心部は道がクネクネしてわかりづらいんですよ」

そんな街中を車で走って、次に連れて行ってくれたのは、弘前市土手町「青い花 スイートポテト」。
ここのスイートポテトは、器にさつまいもをくり抜いたものを使っています。
もちろん、形がそれぞれ違うから、大きさ(重さ)によって値段が違います。




店員さんに適当にカットしてもらってから、ドライブへ。
途中、道の駅「つるた」に停車して、車の中でいただきます!

しっとりとクリーミーに練られたサツマイモと、器に使われているサツマイモの間に、
カスタードクリームが入っていて、「奇跡の3層構造」になっています。




ふと見渡せば、「つるた」の場所の大きな看板。
今朝、東京からやってきたのに、いつの間にか遠い所までやってきた驚きと、がるくんの運転に感謝です。

続いて、やってきたのが、五所川原市にある太宰治の生家を保存されている「斜陽館」という建物。
地元でも、名士であった津島家に生まれた太宰治は、「津軽」という作品の中で、
生まれ育った、この地域の風景や人について書かれているとか、いないとか。
太宰治の作品は現在も多くのファンを魅了していて、生まれ育った自宅にも多くのファンが訪れています。




kumazzzo「『どうして旅に出るの?』『苦しいからさ』って、こんな一文読んだだけでも、ちょっと読んでみたくなるよ」
がるくん「自殺願望があった人ですからねー」

太宰治は玉川上水で愛人と入水心中するわけですが、遺体が発見された6月19日は、誕生日だったとか。
この6月19日を「桜桃忌」と名づけて、ファンが今でも偲んでいるという話は、
中学生の時に国語教師に教わったのを、思い出しました。
今年はちょうど、生誕100年で、各地でいろんなイベントが行われたようです。

続いて、向かったのは、同じ五所川原市の中心にある「立佞武多(たちねぷた)の館」。
青森には、いろんなねぶた祭りがあるのですが、青森、弘前と並んで有名なのが五所川原だとか。
祭りで使われるねぷたを、常時展示しているのが、こちらの施設です。




kumazzzo「全部和紙?すごいねー」
がるくん「手作りで、市にお抱えの職人がいるんですよ」

平成10年に80年ぶりに復活した、この五所川原の立佞武多は、
メインである、高さ22mの大型ねぷたをテーマを決めて毎年1台つくり、
3年間活躍したのち取り壊されるのだとか。

祭りのときには、この建物から、そのまま出陣するので、祭りのときには、
ねぷたの周りにあるらせん状の見学通路は、
跳ね橋のように開き、大型のシャッターががらがらと上にあがるのだとか。


kumazzzo「えっ、この吉幾三は、何?」
がるくん「地元なんですよ。この歌カラオケで盛り上がるんですよ。」

「立佞武多」というシングルを出していて、その歌詞と本人の写真とコメントが展示されていました。


…そっかー、「おらこんな村嫌だー」って、言って歌っていた、あの村に来たのか!!
自分が小学生のころヒットした吉幾三の「俺ら東京さ行ぐだ」。
歌のトップテンやベストテンで毎週見ていた、あの吉幾三の、あの村です。別の意味で、感動です。

そんなわけで、日が暮れてきて、次は青森市へ。
途中、縄文時代の生活の様子が次々と明らかになった「三内丸山遺跡」の発掘場所と展示館を外から見学。
見学時間が終了してしまっていたので、また次回のお楽しみです。

最後は、青森県の郷土料理を堪能してもらえる場所に連れて行ってもらいました。
青森市本町2丁目「津軽じょっぱり漁屋酒場」。入口にはねぶたが飾られていて、
遠くからでもとても目立ちます。どうやら、職人さんが制作した、本物のようです。

わざと作ってある狭い入り口をくぐって店内へ。
自分は席に着いた途端、厚かましいお願いです。

kumazzzo「すいません、携帯充電させてもらっていいですか?」
がるくん「旅人なもんですから…」
店員さん「いいですよ」

今夜は車中拍なので、携帯のバッテリーが減らないよう、
ずっと気を使っていたのにもかかわらず、五所川原ですでに、
バッテリーの残量のサインが、残り少なくなっているサインに変わっていました。


がるくんおすすめで「味噌おでん」やほっけの漬け焼、ほたての焼いたやつ(名前忘れた!)、
ほたての地鶏「シャモロック」のくわ焼(くわの形した鉄板で提供されるから?)や、
にんにくの爆弾揚げなどをいただきます。





kumazzzo「がるくんは運転なのに、自分だけ酒なんて飲めないよー」

と言いつつ、ちゃっかりおすすめの地酒を岩塩と一緒にいただきます。
がるくんは、地元でメジャーなバナナフレーバーのサイダーを。
周りのお客さんも県外の方が多いらしく、バナナフレーバーのサイダーに興味津々です。




酔いがいい感じに回ったところで、時間もそろそろ迫っていました。

がるくん「そろそろ出ましょうかー」

最後に青森の観光物産館もある「アスパム」というビルのライトアップに、
青森ベイブリッジのライトアップも楽しませてもらって、青森駅へ。

寝台列車が入ってくるホームまで、一緒についてきてくれました。
ホームの向こうからディーゼル機関車が轟音と響かせながら、近づいてきます。
22時42分青森発札幌行きの急行「はまなす」です。

kumazzzo「今日は本当にありがとう。一人じゃ絶対にこんなたくさん見て回れないよ。」
がるくん「また東京で会いましょう!」

長い一日でした。
たくさんの気持ちと思い出をもらって、カーペットカーの連結してある4号車へ乗車。
いよいよ、札幌へ、そして稚内と旅は進んでいきます。