お笑い芸人・アンガールズの田中卓志によるお弁当のエピソードです。
それは某バラエティ番組に参加した時の話で、何人かの芸人とその母親も一緒に出演していた。
母親は息子が小さい頃に作っていたお弁当を再現して持って来ており、それを色々なタレントさんが見て、
食べたいと思うお弁当を順に指名していく。
選ばれたら抜けていき、最後に誰のお弁当が残るのか? という趣旨の企画だった。
僕の母親が提出したお弁当を見ると、本当に僕が中学生や高校生の時に食べていたお弁当そのままで、
冷凍の唐揚げ、プチトマト、卵焼き、白いご飯、半分に切ったみかんなどなど、
一切テレビ的な演出の入っていない、無防備なお弁当だった。
収録は進み、僕の母のお弁当はなかなか選ばれないまま、最後の2択にまで残ってしまっていた。
僕の母親はこれまでにもしょっちゅうテレビに出演していたし、バラエティにも慣れていて、
毎回驚くほど笑いをとって帰るので、正直、どう転ぼうが心配ないと思っていた。
そして、最後の判定でタレントさんが選んだのは母のお弁当ではなかった。母のお弁当は最下位になった。
選ばなかった理由を尋ねられたタレントさんは「冷凍食品が入っていて愛情を感じられない」と言った。
タレントさんも何か言わなければならないから、仕方なくそう理由を言ったのだろうし、悪くはない。
それを聞いて、「さあ母の面白いコメントが出るぞ!」と思いながら待っていると、
どんな状況でも強気で笑いを振りまいてきた母が落ち込んでしまっていた。
いつもの笑顔が消えて、ただうつむいていただけだった。
「おい! お母さん落ち込んでるだろ! 冷凍食品がダメとか言うけどな、うちのお母さんは共働きで
看護師をやっていて忙しかったんだよ! 3交代で忙しい中、弁当も作ったから、冷凍食品くらい入るんだよ!
でもな、身長を一番伸ばしたのはこの弁当だ!」
すると、母は涙を流していた。
看護師時代の母は、朝8時に出て行って夕方帰ってきてから僕たちのご飯を作ったり、
準夜勤だと16時から病院に行って0時に家に帰ってきたり、23時に病院に行って朝9時に帰ってくることもある、
生活が不規則になる大変な仕事をしていた。
なかなか親への感謝の気持ちなど伝えるタイミングがないから、こんな状況がきっかけといえど、
お弁当を3人兄弟分きっちり作ってくれたことに感謝していたと言えて良かったと思ったし、
自分が働くようになって、仕事をしながら子育てするなんて凄すぎるな~と感じていた矢先でもあったので、
そういう尊敬の言葉がスルスルと出てきた。
それを言い放った勢いで、スタジオで母のお弁当をバクバク食べて「母ちゃん美味いぜ!」と言うと、
母はありがとうと答えてくれた。
この状況がウケたので、これで何とかなった! と思いホッとしていると、周りの他の芸人のお母様がみんな泣いていた。
それは某バラエティ番組に参加した時の話で、何人かの芸人とその母親も一緒に出演していた。
母親は息子が小さい頃に作っていたお弁当を再現して持って来ており、それを色々なタレントさんが見て、
食べたいと思うお弁当を順に指名していく。
選ばれたら抜けていき、最後に誰のお弁当が残るのか? という趣旨の企画だった。
僕の母親が提出したお弁当を見ると、本当に僕が中学生や高校生の時に食べていたお弁当そのままで、
冷凍の唐揚げ、プチトマト、卵焼き、白いご飯、半分に切ったみかんなどなど、
一切テレビ的な演出の入っていない、無防備なお弁当だった。
収録は進み、僕の母のお弁当はなかなか選ばれないまま、最後の2択にまで残ってしまっていた。
僕の母親はこれまでにもしょっちゅうテレビに出演していたし、バラエティにも慣れていて、
毎回驚くほど笑いをとって帰るので、正直、どう転ぼうが心配ないと思っていた。
そして、最後の判定でタレントさんが選んだのは母のお弁当ではなかった。母のお弁当は最下位になった。
選ばなかった理由を尋ねられたタレントさんは「冷凍食品が入っていて愛情を感じられない」と言った。
タレントさんも何か言わなければならないから、仕方なくそう理由を言ったのだろうし、悪くはない。
それを聞いて、「さあ母の面白いコメントが出るぞ!」と思いながら待っていると、
どんな状況でも強気で笑いを振りまいてきた母が落ち込んでしまっていた。
いつもの笑顔が消えて、ただうつむいていただけだった。
「おい! お母さん落ち込んでるだろ! 冷凍食品がダメとか言うけどな、うちのお母さんは共働きで
看護師をやっていて忙しかったんだよ! 3交代で忙しい中、弁当も作ったから、冷凍食品くらい入るんだよ!
でもな、身長を一番伸ばしたのはこの弁当だ!」
すると、母は涙を流していた。
看護師時代の母は、朝8時に出て行って夕方帰ってきてから僕たちのご飯を作ったり、
準夜勤だと16時から病院に行って0時に家に帰ってきたり、23時に病院に行って朝9時に帰ってくることもある、
生活が不規則になる大変な仕事をしていた。
なかなか親への感謝の気持ちなど伝えるタイミングがないから、こんな状況がきっかけといえど、
お弁当を3人兄弟分きっちり作ってくれたことに感謝していたと言えて良かったと思ったし、
自分が働くようになって、仕事をしながら子育てするなんて凄すぎるな~と感じていた矢先でもあったので、
そういう尊敬の言葉がスルスルと出てきた。
それを言い放った勢いで、スタジオで母のお弁当をバクバク食べて「母ちゃん美味いぜ!」と言うと、
母はありがとうと答えてくれた。
この状況がウケたので、これで何とかなった! と思いホッとしていると、周りの他の芸人のお母様がみんな泣いていた。