☕コーヒーブレイク

時が過ぎていく。
ときには、その日の風まかせ。
ほっとひと息しませんか。

認知症と生きる

2020-04-05 07:15:00 | 日記
【祖母をたたいた母に、かけたい言葉】朝日新聞(2020.4.3記事 転載
 私は親の介護を見て育ちました。母が認知症の祖母を介護して9年、
祖母のことはそれ以前、祖父が見守っていました。その祖父が急死し、
祖母がうちにやって来たのですが、混乱の真っただ中で毎晩明け方まで
声をあげるのです。夜中に起き出して朝方まで興奮するようにもなりました。
 そしてあの日がやってきました。私が帰宅し、玄関を開けると聞こえて
きたのは母が泣き叫ぶ声でした。穏やかな性格の母が「いい加減にしてよ、
お母ちゃん」と叫びながら、祖母の顔を何度もなんどもたたいていたのです。
高校2年の兄がその日、大学受験の準備に専念するため親戚の家に行って
しまっていました。母は兄を守れなかったことで、燃え尽きてしまったのです。
 あの時の母の姿にはびっくりしたけれど、泣き叫んでいた母を見て
「この人は人生をかけて私たち家族と祖母を守ろうとしたのだ」と思いました。
結局、祖母を介護しきれず入院することになり、入院6日目に祖母は食べたもの
がのどに詰まり亡くなりました。
 その後の母は長く「うつ」と向き合っています。私は母に答えをあげたいのです。
私が介護の専門家になって「あの時の母にできる最高のことだったのだ」と、
母は十分に祖母や私たちのために努力したことを証明してやりたいのです。
一番つらいのは、あの日の母親に『あなたは違っていなかった』と言える自分が
いなかったことなのです。

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