☕コーヒーブレイク

時が過ぎていく。
ときには、その日の風まかせ。
ほっとひと息しませんか。

8人おぶってきて

2017-08-02 08:48:23 | 日記
きのうに続き、朝日新聞読者投稿欄から。 埼玉県67歳主婦の掲載記事です。

 8人おぶってきて
 長女2歳半、次女1歳3カ月の時、長男が生まれた。その時、母が倒れ、産後を手伝ってくれる人はいなかった。涙は出なかった。ただ神様に真剣に祈った。「笑われてもいいからあと2本、手をください」と。手は生えてこなかったけれど、おんぶひもが手の代わりをしてくれたのかもしれない。

 年月がたち、長女に2人、次女に2人子どもが生まれ、産後や育児の手伝いをした時もずっとおんぶひもに助けられた。去年、長男に子どもができた。保育所に預けるようになったけど、子どもは病気をするものだから、入院した時も、息子夫婦が仕事で迎えに行けない時も、私とおんぶひもの出番である。

 私は音痴なのだけれど、おんぶして孫の名前を連呼した我流の子守歌を歌っていると、孫はすぐに眠ってしまう。背中から伝わってくる熱い生命の動きが、私をこの上なく幸せにしてくれる。ふっと気づいたら、3人の子と5人の孫、8人をおんぶしてきたのだ。

 遠い昔、結核で青い顔をした少女だった私に言ってあげたい。「大丈夫。あなたは8人の赤ちゃんをおんぶできるようになるのよ」と。少女はどんな顔をするだろうか。

    以上です。


 そうでした。私たち世代の子供の頃はお母さんが赤ちゃんをおんぶして家事・仕事をしているの普通でした。兄妹が多い家庭では上の子が下の子をおんぶして遊んだりしていたものです。懐かしい家族の原風景が目に浮かび、在りし日を思い出しました。私は母親の初めての子供でした。「ひも一本であんたを背中におんぶしてたよ。」と母から聞いたことがありました。妻は「紐は肩にくい込んで痛い。」と何処に行くにも長男、長女を直接胸に抱っこしていました。現在は機能性にすぐれた抱っこ紐・ベビーキャリーなどがあり、パパ、ママいっしょの子育てができる良き時代となりました。今昔の感があります。