flow Trip -archive-

「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

たかしこぞう

2006-06-17 01:30:29 | まちの違和感
私が中学生の頃、初めて出合った物体。
河床遺跡で知られる、矢作川を散策していたときである。
川底をころころと流れていたものがあった。
また、川辺の砂の上にもあった。
長さ5cm前後の、一見土器質の管状のもの。
遺跡が、流れの変遷で川となったこともあり、私は当初、原始時代の土錘(どすい:魚を捕るときに使う、網や釣具につけるおもり)かと思っていた。
その後、同様の材質で枝状のものを見つけた。
私はそのとき、糞石(排泄物が化石化したもの)かとも思うようになった。
然しその直後、地質のことを調べていると、「高師小僧」と呼ばれる褐鉄鉱(かってっこう)の鉱物であることがわかった。
粘土層付近の地中で、鉄分が植物の根や茎の周りに水酸化鉄として集まり、管状に沈殿してできるものだという。
名前の由来は、愛知県豊橋市の高師原でよく散見されたからだという。
日本全国で見かけられる褐鉄鉱も、高師小僧と呼ぶそうである。
愛知県で多く見つかったことによって、県指定天然記念物となった。
コメント
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