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自分たちの国を自力で守ることの出来ない国の主張など、他国は認めはしない。 我々は自分たちの手で未来を守らなければならないのだ。 ── カール・グスタフ・エミール・マンネルヘイム 冬戦争時のフィンランド軍最高指揮官 |
ある日、村が襲撃に遭った。
敵対ギルドVSPが襲来し、昼間の出来事だったので俺は職場で報告を受けていた。
帰宅してログインすると、いつもの場所なのに、
ところどころに見慣れないものが存在した。
ただそれだけで、村の様子はまるで違って見えたんだ。
それは、墓標。
人が死んだ場所には地面に剣が突き刺さった墓標が残るが、
村内に点在する墓標の数が、市街戦の被害を物語っていた・・・。
VSPはFeudal Unionの中でも元々武闘派・・・当然、
奇襲に遭った上に実戦経験がほぼ無いに等しいHJPN住民は、
ろくな抵抗もできずにただ殺戮されたという。
自分たちで作った村に、自分たちの墓標がある。
それだけでなんか、俺は意外なまでの悔しさを覚えた。
自分が戦えなかったことにもあるし、またこの事件に対しての同盟ギルドへの怒りもあった。
職場だったとはいえ、報告を受けてからの俺たちの行動は素早かった。
俺と外交官のかみーゆは連合の元締めであるTICに襲撃報告を送ったが、TICは動かなかった。
TICとFUは密約を交わしていたのだ。
「VSPとHJPNが個人的な怨恨で戦争している。戦争を拡大させない為に単独同士の戦いに留めておこう。」
正論である、"そういうこと"にしておいた方が全体としては良いんだろう。
TIC連合とFUが不可侵条約を破り全面戦争となれば、おそらくゲーム史上最大規模の戦いとなる。
しかしTICと共に討伐戦をしたりして、またその相手がFU絡みであって、 → Life is Feudal MMO日誌(12) - The Road to War
本命は別件だったがその報復も兼ねてきている以上、俺たちの立場としては納得出来ないものがある。
この島への陸橋もHJPN側だけに作り、俺たちを島の入り口としているので、
当然戦争となれば矢面に立つのは俺たちになるが、
本当にTICはいざというときにうちを守るのだろうか?
今回の対応にはやはり納得しきれない。
職場でどうしようもないやるせなさと悔しさを感じながら流れるギルドチャットを見ていると、
次に現れたのは、意外な報告だった。
「Ashlandの騎兵がきたぞ!!」
Ashland・・・?
おかしいな、TIC連合で2番目の規模であるAshlandには、当然俺も早い段階で支援要請をかけた。
しかしAshlandの外交官もTICの方針に追従しており、対VSPにおいては援軍は出せないと断ってきた、それもついさっきだ!
それなのにいまAshlandの騎兵が来ている・・・?
報告によると、3,4騎ほどのAsh騎兵がVSPの1人を取り囲み、
VSPメンバーも下手に手を出せずに一旦はおとなしくするものの、
結局は抵抗してAshに殺されていったらしい。
そしてVSPは撤退していった。
Ashlandの外交官と全く異なる動きをとった実働部隊。
戦いが終わった後、この人にコンタクトをとって聞いてみた。
何故俺たちを助けたのか。
「同盟だからだよ。 助け合わない同盟なんてクソ食らえだ! 次も呼んでくれ、俺一人でも駆けつけるぜ。」
なんだこいつ・・・漢か。
アメリカ人にもアツいやつがいるんだな・・・。
実際のところこの人の独断専行であり、これは大きな恩ができた。
しかしこの件でわかったのは、やはり自前の軍事力は要る。
いざというときでもしがらみに縛られて、同盟ギルドは動けないことがあるのだ。
結局は自分たちの村は自分たちで守らなければならない。
戦闘部隊PJPNもあるが、VSP戦では時間帯的にログイン人数の少なさもあったし、
まだまだ実戦経験は不十分である。
なので、独断専行してくれたAshlandの人を、
村に呼んで戦闘教官してもらった。
このHylloさんから申し出があったのだ、「戦い方を教えてやる」と。
どうやらMO版のときから一年以上もずっと戦闘の仕様について研究してMMO版に備えていたらしい。
なので日時を合わせ、人を集めて軍事教練である。
かみーゆくんが同時通訳してHylloの言葉をみんなに伝える。
「オマエの両手剣は切れ味はいいがプレート鎧に弱い、接近して頭を狙え。
逆にオマエの槍はプレートを貫通できるから突き刺してけ。
オマエの片手剣はリーチが短いから、より接近する必要があるが盾でも上手く殴れ。
オマエが持ってるマレットは戦闘用じゃない、アホ。」
マレット・・・道路工事とかに使う木槌であるw
本人曰く「武器を持ってなかったのでてきとーに倉庫にある武器っぽいの引っ張り出してきたw」とのこと。
そして素振り大会を始める。
「振り方はこう・・・そう、こんなふうにして切ると相手の体までの距離が短くなって受けられにくい。」
とかアドバイスを受けながらみんなでブンブン。
途中でギルドAraの人が交易に立ち寄り、取引内容を話しながらも当然気になったようで、
「ねえ、ところで彼らは何してるの?www 大人数で空中に武器ブンブン振ってるけどwww」
って笑いながら俺に個人メッセージ送ってきたw
戦闘訓練だよって言うとしばらく見学してたようだ。
その後、死なないように木剣を用いて、チームを分けて実際に集団戦闘をしたり、
1対1のDuelをしたりして、Hylloのアドバイスを受ける流れに。
「ふむ、オマエは突きは使うな、その武器でやっても弱い。
オマエは足の使い方がいいな、フットワークだ。
オマエはイニシアチブを握られすぎ、先に斬りかかれ。
マレットのオマエはなかなかスジが良いな、片手斧をもたせたら良いセンいくかもしれん。」
まさかのマレット使い褒められるwwww
今度はちゃんとした武器を持参しようね・・・。
「よしみんな座っていいぞ。 最後に俺と戦いたいやつはいるか?
そうだな・・・おい、そこのイカツイやつ出てこい。」
イカツイやつと指名されたのは、なんとZousenpaiだったwwwww
まじかよwwwwこの展開は面白すぎる。
戦闘教官 vs LOLプロストリーマーか・・・これは見ものだぞ。
LOL界のチャレンジャーはLIF界でもチャレンジャーなのだろうか?
結果から言うと、割とあっさり戦闘教官が勝ったらしい。(俺は仕事で見てない)
まじかよ!!!!!
こないだ俺がぞうせんぱいに木剣で斬りかかったときはほぼ完封負けしたのに、
そのぞうせんにあっさり勝ってしまうとは・・・。
ping差もあるとは思うが、さすがに戦闘教官を名乗るだけのことはある。
こんなツエーやつがいるなんて、オラワクワクしてきたぞ。
自分たちの村を守りたければ自分たちが強くならないといけない。
思ったよりも本当に大きな成果があったようで、
しかもみんなすげー楽しそうだったので、
今後もこういった戦闘訓練は定期的に実施していこうと思う。
Hylloさんもまた呼ぼう。
この中世の世界でこういった日常を過ごすのも、また楽しいもんだね。
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