盆提灯を販売していて背中に緊張が走るのが
「家紋を入れたい」と言われたとき。
柄物の提灯で、どう考えても真後ろにしか
描けないような状況でも「家紋を!!」と希望されれば
お受けするよりありません。
でもそれなどはまだ良いほう。
やっぱり一番頭を抱えるのは「何これ?」というような
未知の家紋に出くわしたとき。
実際には4000種とも5000種とも言われているわけだから
紋帳に載っていないものがあっても仕方ないのだけれど
花でもない、動物でもない、何を手がかりに探せばよいのかわからない・・・・
なんてこともあります。
写真の紋のときもそうでした。
中央の片喰まではわかっても外側が??
あちこちひっくり返してやっと「鞠挟み」だとわかりました。
こんなもの今の日常からじゃ見当もつきません。
こういうのも冷や汗だけど、
たとえば「違い鷹の羽」なんかで
「羽に描いてある線がこっちは細くてこっちは太い」とか
言われるのもあせります。
紋を入れた提灯をチェックして、ホントにお客様に
納得していただける図柄になっているかどうか
確認するまでは、胃がキリキリするようです。
家紋を入れることには反対しないけど
せめて、わかりやすい見本を持ってきていただけたら
作業がスムーズになるのに・・・と祈るような気持ちです。