お数珠(念珠)には様々な形がありますが、
浄土宗・真言宗・日蓮宗のお数珠に欠かせないのが「梵天房」
略式の片手用にも梵天房のものもありますが。
この梵天(房)、一般的な作り方だとぐるぐる巻いた糸を真ん中で結び、
カットしながらきれいに形作っていく、というものです。
(はるか昔、母が手編みのマフラーの先につけるために
作っているのを見たことがあります)
ところがこれ、真ん中は縛ってあるだけなので抜けやすいのです。
特に真言宗などでは数珠をもむことがあるので、
熱心な信者さんの多いお寺などに行くと、
「房の痕」のみが残る数珠を持った人の多いこと、多いこと。
この問題の解決策として、最近増えてきているのが
アジアンノットの一種で、糸を組み合わせて丸く形作る方法。
写真の左が従来の「梵天房」、右側が新しい方法です。
「釈迦梵天」とか「葵梵天」「小田巻房」など呼び方は様々。
(登録商標の関係で呼称についてはひともめあったらしいです)。
房が傷みにくいので、数珠の修理でお預かりするときは
こちらのタイプをお勧めすることが多くなります。
(従来のタイプにこだわられる方もありますが。)
ところで、なぜ「梵天」というのか???と思っていたら
太平山三吉神社総本宮というところのHPに
民俗学の大家、柳田国男によると語源は「ほで」という古語で、いわゆる「秀でたる」意味を有し、神様が降りられる祭場を標示するため、高く茂った樹木や竿に御幣・幣束をつけて標示したとされる。「ほで」が「ぼんで」「ぼんでん」と訛っていくことは容易に考えられるが、仏教における「梵天」という字をあてはめたのは、後世における修験者によるものであろう
と、出ていました。
じゃあ、修験者と「梵天」の関係はどうなっているのか???というのは
これまた新しい宿題。
修験道と梵天の関係ということですが、修験者がつける袈裟に「梵天袈裟」というのがあります。天台宗系の修験者さんが主につけられる袈裟ですが、これには数珠の梵天と同じ様な飾りがついてます。正確な関係はわかりませんが、参考までに。
以前、注文を受けて取り寄せたとき、
見事な梵天がついていて感動しました。
あまりにふっくらしているので、触ってみたくて
うずうずしました。
気配を察した担当者に「触っちゃダメよ!!」と
クギをさされましたが・・・・。
ちなみに梵天はさわさわな感触です。(* ̄(エ) ̄*)