こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

2015年7月8日 水曜日 「初夏のサウンド31 流されていく日々を縫ってきこえてくる音」

2015-07-08 22:10:22 | 音楽帳

長く続く梅雨と変幻自在な不安定天候に惑わされ、にぶい圧度の仕事も加わり、精神も塞がれていくような錯覚をおぼえることがある。背中を伝って肩・首・頭・眼と痛みが入ることも多い。
脳内にはさまざまな雑念が宇宙空間のようにぷかぷか漂い、それぞれを気にしているうち疲れてしまう。
疲れたら休めば良いが、容易にリラックスや眠りに堕ちていかない。そうぶつぶつ言っているうちに、目の前をすごい速度で日々が過ぎて行ってしまう。

まだ5月。まだ6月。と言い聞かせているうち、7月に入ってしまい、不慮のバーゲンのせいで怒涛の人の渦に巻き込まれ、それを抜けて猫たちが潜む場所へと歩を進めるが、祭りの嵐だの夏の催事だのせわしない。
暗闇の東京の道を歩いて町内掲示板を見ると、もうそこには七夕だ、花火だ、夏のラジオ体操だ。

毎年のことながらも、独立記念日を過ぎるとあっという間も無く七夕も過ぎてしまい、入谷朝顔市にも行けないまま終わってしまった。「また来年行けば良いよ」と周囲は言うし、昔ならそれで流したものだが、もう今はそんな気にはならない。一日・一日がもう二度と立ち現われないものだから。

時に真っ暗で何も見えない夜もある。
そう言いながら、地方都市から戻る帰路の電車でDAFをイヤホンで聴いているうちに、DAF&コニー・プランクの繰り返す音が次第に呪術的な作用をもたらし、数分こっくりこっくりする。
また、19時過ぎ雨降りの合い間てくてく歩く逢魔が時。佇む街の狭い露地で聴こえてきた「音楽のような風」(EPO)に心地良さを覚える。土砂降りに戻れば、その雨音を縫って迫ってくるアトモスフィアの奥底かららせんを描くジ・エッジのギターが鳴り出す「約束の地(Where The Street Have No Name)」(U2)も良かった日だった。2年前・心の底に刻まれた音魂たる一曲。死ぬまで背負っていく一曲。

先週まではそれなりに初夏的楽曲を入れていたポンコツmp3プレイヤーは、今やジャングルのように多様な季節の多様な楽曲構成。ほとんど私なりの初夏曲だが、そうではないものも混じる。不意に出てきて変える間もないときも多い、それもまあ良いではないかと思っている。

まるで「ハレ」と「ケ」でいう祝祭空間全部を嫌っているかのように思えるが、昔から土着化した商店街のにぎやかさが好きだったり・歩いてはニンマリしたりほっとしたりすることが多い。
今年まだ寒い時期に巣鴨通りで買ったお地蔵さん。大事なそのお守りをポケットに忍ばせては、痛いところをなでなでするのが、最近のクセの1つである。ああだこうだと言いつつも、それでも日々を楽しんでいるようにも思う。

一寸の余地でも、それをもとに、生きる友たちがすこやかであることを。

■Crowded House 「Don’t Dream It’s Over」1986■











◇今週のプレイリストの一部◇
1・砂原良徳 「アースビート」
2・スザンヌ・ヴェガ 「99.9℃」
3・カン 「I Want More」
4・ジ・アート・オブ・ノイズ 「ロビンソン・クルーソー」
5・クイーン 「Staying Power」
6・スティーヴ・ジャンセン&リチャード・バルビエリ 「Distant Fire」
7・Jam 「プレシャス」
8・坂本龍一 「明星中華三昧CM」
9・クラウテッド・ハウス 「Don’t Dream It’s Over」
10・高橋幸宏 「淋しさの選択」
11・Bvdub 「There Was Nothing But Beauty In My Heart」
12・坂本龍一 「ロイヤル・スペース・フォース」
13・坂本龍一 「Happy End」(シングル「フロント・ライン」B面・原曲)
14・DAF 「The Robber & The Prince」
15・スミス 「Unloveable」
16・EPO 「音楽のような風」
17・U2 「Where The Street Have No Name」(約束の地)
18・キング・クリムソン 「Matte Kudasai」
19・プリテンダーズ 「愛のパラダイス」

コメント
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