京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

宝蔵寺 若冲水墨画の美しさに迫る!

2023年02月23日 09時05分00秒 | 日記
 2月11日の最終はJR東海「そうだ 京都、行こう。」の会員イベントで"若冲水墨画の美に迫る!"に参加しました。



宝蔵寺では毎年2月8日の伊藤若冲生誕日に近いこの時期に"寺宝展"が行われていて若冲や弟・白歳、弟子の若演の作品などが公開されます。





一般拝観が終わり、貸切の本堂で最初にご住職の小島英裕さまからお話があり、お寺の由緒や檀家だった伊藤家についての説明がありました。





以前には伊藤家の墓は本堂の裏の墓地にありましたが、若冲ファンの方のお詣りがあり、その都度、ご住職が案内されていたそうです。

近年に伊藤家の墓を本堂前に改葬され、いつでもお詣りが出来るようにされました。

次に、若冲が得意とした水墨画に使う"墨"についてのレクチャーです。
"墨"と言えば奈良市内奈良町の一角に店を構える「古梅園」さんが頭に浮かびます。

創業は室町時代末期と言いますから450年近くの歴史を刻んでいます。
代々受け継がれてきた製法を今も頑なに守られている"老舗中の老舗"です。









今回、その古梅園で営業部長をされている竹住亨さまから、その歴史や製造方法の解説(ビデオ鑑賞を含む)、また、貴重な材料や道具、商品を持参して下さいました。

大きく分けて8工程もの作業でようやく"墨"が出来上がります。

墨の製造期間は暑気をさけて10月中旬より翌4月末頃までが最適な期間だそうです。

①採煙→②膠(にかわ)溶解→③配合・練り→④型入れ→⑤灰乾燥→⑥自然乾燥→⑦磨き→⑧彩色















お値段をお聞きすると一般的な大きさで2万5千円するそうです。
上記の製造工程を考えると高価なのも頷けるます。

次に、ご住職の解説で寺宝展を鑑賞します。











墨の濃淡だけで絵に立体感を与えたり、また、遠近感をも表現しています。

水墨画は筆を止めてしまうと滲んでしまうので一筆で描いてしまう必要があります。
若冲作品には中国の画箋紙(がせんし)に淡墨(たんぼく)を少しずらしてにじませると、墨同士がはじきあって白い筋が残るという性質を応用した"筋目描き"の手法も巧みに取り入れて描かれています。

「髑髏図」は真っ黒な背景に白い描画が浮かび上がる独特で手間の掛かる技法"拓版画"で描かれています。



写真には無いですが、上には若冲と親交のあった売茶翁(高遊外)の賛が入っています。





若冲の代表作品「動植綵絵(国宝)」

若冲が相国寺に奉納した30幅の絵画ですが、上知令で疲弊していた相国寺が明治22年(1889)に皇室に献上しています。

江戸時代に"画家・若冲"を世に出した相国寺、、、後の明治時代に若冲作品が相国寺を救う事になります。



興味深い内容ばかりで2時間のイベントが短く感じられました。







大聖寺門跡「昭憲皇太后大礼服」特別公開

2023年02月22日 07時32分00秒 | 日記
 2月11日は地下鉄烏丸線「今出川駅」近くにある大聖寺を拝観しました。





通常は全くの非公開のお寺で過去にも京都古文化保存協力が主催する「京都非公開文化財特別拝観」で数度しか公開されたことがありません。




相国寺の西側にあり室町幕府の"花の御所"の推定地になっています。



この度の公開は大聖寺門跡が所属されている「昭憲皇太后大礼服」の修復が最終段階を迎えていて、その費用を賄う為の公開でもあります。
その為か拝観費用も破格?の3千円です。





今回の修復過程で明治22年(1889)2月11日に大日本帝国憲法発布式の一連の行事で昭憲皇太后が着用されていたドレスである可能性がある事がわかってきました。





大礼服は最も格式の高い礼服で、今回のドレスは白地に金属のモール糸などで刺繍されています。

今回の修復プロジェクトをまとめる中世日本研究所によると、袖の形状などから1890年頃までのドレスと考えられるそうです。





宮中近代化の為に明治政府から招かれたドイツ人外交官オットマール・フォン・モールの回顧録では、発布式に臨んだ皇太后の衣装について「白地に金色の洋風」と記されていて、その際に「着用した機会として最も考えられる」とされるドレスです。







尼門跡だけに室内も雅ですね。
上段の間には明治天皇から下賜された椅子が、その椅子上には昭和天皇の皇后・香淳皇后から下賜された人形が飾られています。











玄関から先は撮影が禁止だったので、掲載の写真は購入した絵葉書(水野克比古先生撮影)から転載させて頂きました。









二条城 梅園

2023年02月21日 08時30分00秒 | 日記
 前田珈琲の美味しいコーヒーで"一服"の後、二条城内を反時計回りに巡ります。







「茶房前田」の前には"加茂七石"と呼ばれる京都から産出される名石が据えられています。

"加茂真黒石"は見た目はグレーの色をしていますが、水を掛けると真っ黒に変化します。

以前に八瀬を流れる高野川の河原で何個も見つける事が出来ます。(小さいですが、、、)





二条城は平地に築かれた"平城"ですが徳川将軍家が築いた城だけに防御施設にも力が注がれています。











国の重要文化財の西門ですが、残念ながら通常非公開です。

門番の武士も余程暇だったのでしょうか?
門近くにある木材には無数の落書き(落彫み?)が残っています。

幕末の戊辰戦争で幕府軍の苦戦が伝わると将軍慶喜公はこの門から城を抜け、海路江戸に向かったと伝わります。

西南隅櫓です。





堀川通に面した「東南隅櫓」に比べて小振りですが、2棟とも寛永年間に建設された隅櫓として貴重な建物です。
白い漆喰が眩しいです。



本丸の石垣に沿う様に"梅園"があります。
この日はまだ咲き始めで、数輪の紅白の梅が咲いていました。











しかし、城内には多くの門が設けられていますね。





南門です。

徳川時代には無かった門で、大正4年(1915)に京都御所紫宸殿で大正天皇の即位の儀式が行われ、二条城はその後の饗宴の場となりました。
その際、大正天皇が通られる門として南門が新設されました。







重要文化財の唐門です。

家康築城時には無かった門で三代将軍家光の時代に後水尾天皇の行幸に合わせて大増築された際には作られた門です。





二の丸御殿への入口"車寄"です。
今回は御殿には入っていません。









特別名勝庭園の"二の丸庭園"です。

もとは二の丸御殿"大広間"から眺めるように設計されていた庭園ですが、後水尾天皇行幸の際、行幸御殿からの眺めを考慮し、小堀遠州により改修されました。

改修前の庭園を是非見てみたいものです。

庭園内にある蘇鉄には代々受け継がれて来た独自の技術で"菰"が巻かれています。









二条城障壁画 展示収蔵館 第4期原画公開

2023年02月20日 08時24分00秒 | 日記
 二条城障壁画展示収蔵庫では四期に分けて二の丸御殿内の障壁画の原画を公開されています。

これらの障壁画は寛永3年(1926)の後水尾天皇の行幸に際して二条城が改修された際に狩野派の絵師集団により描かれたものです。





毎期にテーマが設定され、第四期は「新春を寿ぐ-松竹梅-」です。



展示室内です。
いつもは中央に畳が敷かれた所があり、大名や将軍になった気分で障壁画を観賞できます。

①松  冬でも青々と葉を茂らせ、積雪にも折れない常緑樹。

②竹 四季を通じて色褪せることが無い。

③梅 寒中に蕾をつけて花を咲かせる

中国では、それぞれが吉祥紋様として絵画に描かれるようになり、その歴史は南宋(1127〜1279)の頃からと考えられています。

①松 
二の丸御殿「式台の間」
「松図」狩野探幽または狩野山楽の筆によるものです。





② 竹
遠侍「竹林群虎図」狩野甚之丞の筆によるものです。

昇殿者がまず通される部屋で、竹林の中の虎と共に、将軍との対面を待つ心境はいかほどだったのでしょうか?







③ 梅
中国では梅は豊かさや優美さを象徴するとされています。

二の丸御殿では黒書院の一の間の大床に松と竹と共に描かれています。

「松柴垣禽鳥図」狩野尚信の筆によるものです。



収蔵庫の内部です。(非公開)



順路を逆に回って来ました。





二の丸御殿の唐門です。
近年に修復され屋根の葺替えや柱の漆、彫刻の色彩が鮮やかさが蘇りました。





その際に菊の紋章の下に三つ葉葵の金具が新たに発見されています。

京都検定を持っている方は特典として2月と3月は城内は無料で入城する事が出来ます。
(二の丸御殿は別途料金が必要です。)


茶房前田(前田珈琲 二条城内)

2023年02月19日 07時17分00秒 | 日記
 「香雲亭」で京料理"いそべ"の料理を頂き、次に西側にある「茶房前田」へ。







地下鉄「四条駅」近くに本店を構える前田珈琲の店舗です。
他に京都市内に10店舗を展開されています。

先程の「香雲亭」と同じく江戸時代初期の豪商・角倉了以の邸宅の一部を移築したのが「和楽庵」です。




この日は雨戸が閉まり内部を見る事が出来ませんでしたが、縁側に置かれた床几の上や「和楽庵」に併設された建物の中でも頂けます。



前田珈琲は僕のお気に入りの店で珈琲の味が凄く好みと合い香りと酸味、旨みのバランスとが非常に絶妙です。

京都国立博物館や京都文化博物館内にも店舗があり観賞後にはよく利用します。

いつも注文するのが"コーヒーと抹茶のシフォンケーキ"で、清流園の庭園を眺めながら頂く美味しいコーヒーにホイップクリームとあんこが添えられた抹茶のシフォンケーキ、、、至福の時間です。



また、メニューが豊富なのも魅力的です。
(いつも同じものを注文していますが、、、)

コーヒーで一服の後、二条城を巡ります。