三玄院を拝観後、同じ大徳寺山内にある塔頭寺院の芳春院を拝観しました。
芳春院は慶長13年(1608)、加賀前田家初代藩主・前田利家の正室・まつが創建した前田家の菩提寺です。
「芳春院」は"まつ"の法号から付けられました。
現在の建物は江戸時代寛政8年(1796)に火災により消失しましたが、前田家11代治脩(はるなが)公により再建されたものです。
本堂南庭「花岸庭(かがんてい)」は"昭和の小堀遠州"と謳われた名作庭家・中根金作により復元され庭園です。
枯滝の石組と白砂、植栽だけの枯山水庭園ですが"山水の様"が見事に表現されています。
本堂横にある「飽雲池」の奥には二層の楼閣「呑湖閣(どんこかく)」が一層存在感を示しています。
現在の建物は文化元年(1804)の再建で、上層部には前田家の祖先とされ、まつが信仰していた菅原道真公がお祀りされているそうです。
また、初層には春屋宗園の木造や檀越であった近衛家の位牌がお祀りされているそうです。(内部は非公開)
呑湖閣は鹿苑寺の金閣、慈照寺の銀閣、西本願寺の飛雲閣と並び「京の四閣」のひとつに数えられています。
以前は2〜3年毎に公開されていましたが、ここ最近では全くなく、「京の冬の旅」では7年ぶりの公開になります。