京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

京都モダン建築祭⑪ 京都市役所

2023年02月02日 08時28分00秒 | 日記
 長らく書いてきた「京都モダン建築祭」ですが、今回の11回目の京都市役所本庁舎
で最終回となります。

現在の本庁舎は約100年前に建設された、まちのシンボルとして京都市民から親しまれ、大切に使われてきました。







京都の四季折々の行者や風物を表現しています。
ステンドグラス作家の佐々木真弓さんが寄付された物です。


今後とも市庁舎として市民に愛されるように耐震工事をはじめ改修工事が行われ昨年に完了しています。

京都市庁舎の歴史は、さ明治22年4月1日に市制施行により「京都市」が誕生します。
市制特例により市長は府知事が兼務していました。

明治28年には市会議事堂が完成し市庁舎として使用開始されます。

昭和2年(1927)4月19日には本庁舎(一期・二代目庁舎)が完成します。

4年後の昭和6年(1931)8月15日には本庁舎二期の増築工事が完成しています。 

設計は京都市営繕課が担当し、意匠は主に嘱託職員であった中野進一が当たり





現本庁舎の特色として、車寄せを備えた玄関を正面中央にし、ほぼ完全な形で左右対称に中央と両翼の突き出しを強調し建物全体に安定感をもたらしています。

さらに塔を持つなどヨーロッパの伝統様式(ネオ・バロック的骨格)の特色を持っています。
また、細部には東洋的な建築様式が採用されているのも特徴です。

設計は京都市営繕課が行い、意匠については嘱託職員であった中野進一が担当しています。

顧問は「関西近代建築の父」と称される武田五一が務め、設計の補整を経て完成したとされています。





こちらが制作に400万円もの費用がかかった「漆塗りエレベーター扉」と話題になるとともに批判の対象ともなった扉です。

金属に施行が可能となる新たな技術や耐候性に優れた新しい漆の技術が使われるなど、新たな技術の開発や伝承と言う意味では、意義のある事かも知れないですね。



中央エントランス

創建当時の姿を目指して改修されました。
照明器具や壁や床のタイルは当時のデザインで復元されました。





市民エントランス

市民の方が自由に利用できるスペースです。
授乳室や給水スポットが新たに設置されています。









屋上庭園

市民の方が気楽に料理できる憩いのスペースです。
四季折々の草花が植えられていて、また、夏場の暑さ対策にミスト装置も設置されています。





正庁の間

創建当時の姿が復元されています。
審議会や式典等外部の方との交流の馬場として、また、国内外からの賓客等の歓迎行事等で使用されます。



茶室

正庁の間で開催される審議会や式典等の控室として使用されます。
床柱には北山杉の磨き丸太が使われるなど3600万円もの"税金"が使われています。







市議会場

昭和2年に完成した現在の本庁舎2階中央部に設置され、約100年にわたり使用されてきた市議会場を耐震補強を施し、また、バリアフリー化など現代のニーズに合わせてリノベーションされています。

建物の耐震化は必要な工事ですが、漆塗りのエレベーターの扉、正庁の間に付随する茶室は必要な施設なのでしょうか。
京都市の財政危機を考えると疑問符が残るのは残念な事のように思います。