京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

萬亀楼の昼懐石

2021年10月26日 10時16分00秒 | 日記
 10月21日の昼食は上京区猪熊通り出水上ルにある有職料理の名店「萬亀楼」さんで秋の懐石料理を頂きました。








玄関前や中庭にも老舗の雰囲気に満ちています。

萬亀楼は江戸時代享保7年(1722)に初代が「萬屋」の屋号で造り酒屋を始めたのが最初です。
1780年の「天明の大飢饉」で原料の米の入荷が困難になり、その後茶店を営み料理を提供するようになりました。
屋号も「萬亀楼」と改められ今日に至っています。



ご当主は代々、有職「生間流」の式包丁を継承されています。

いよいよ食事が運ばれて来ます。

①先附
胡麻豆腐、山葵、うに、うまだし





胡麻豆腐を出汁と一緒に頂くのは初めてです。
具材と一緒に頂くと格別な味わいです。

②お椀
菊花かぶら、しんじょう射込み、松茸、菊花





具材の美味しさは無論ですが、出汁の美味しさは格別です。
これこそ京料理の真髄ですね。
松茸も今シーズン初めて頂きました。

③お造り
鯛、まぐろ、あしらい


みょうがと菊花で頂くのもまた違った風味です。

④八寸
いくら醤油漬、菊花、利久麩、人参、三度豆、白和え、車海老、むらさきずきん、子持ちあゆ、えりんぎ、栗甘煮 







柿の葉の下に八寸の一部が隠れています。
籠の中は早くも秋真っ盛りです。

⑤焼物
鰆みそゆうあん焼、辛子蓮根、ぎんなん、すだち









鰆みそゆうあん焼 いいあんばいに美味しいです。
銀杏は茶碗蒸し以外では食べないですね。
皿の中で小粒でも目立ちかつ、美味しい存在です。

⑥たき合せ
里芋、穴子、きくな、柚子



出汁の効いた美味しい一品です。

⑦御飯
鯛茶漬、香の物







他のお店で"鯛の味噌茶漬を頂いた事はありますが、全くの別物で椀の一面にのった海苔の下には鯛の身がたっぷり入った茶漬けです。

胡麻、紫蘇の葉がアクセントになった大変に美味しく、贅沢な茶漬けです。
老舗料亭のシメに相応しい一品です。

⑧水物
柿、巨峰



添えられいる葉は"梶の葉"です。


表には文字を書く事が出来る事から「葉書」の語源ともなったとも言われています。







永らく西陣の旦那衆に贔屓にされた老舗には間違いのない確かな"もの"があります。





安藤人形店(京雛・有職雛人形)

2021年10月25日 09時07分00秒 | 日記
 10月21日はメルパルク京都カルチャールーム主催の人気企画「京の女将さんシリーズ」第18弾で京人形司 安藤人形店を訪ねました。





約1時間、女将さんのお話がありました。
お題は「おすこやかに の祈りをこめて」です。







女将さんの安藤啓子さんは"雛人形コーディネーター"としてお店での接客や京雛人形の良さを広げる講演会を各地でされるなど活躍されています。

源氏物語に代表される様に平安時代に貴族の華やかな宮廷文化が花開きました。
その中で雛人形、御所人形など様々な人形が職人により生み出されました。

特に雛人形は十二単の細部まで丁寧に仕上げられ、人形の中でも"華"的な存在です。







「親王飾り」です。
現在では住宅事情からこのタイプが最も良く売れるそうです。

親王が身につけている衣装は"黄櫨染(こうろぜん)"で、天子(天皇)さまだけが身につける事が出来る高貴な色です。
京雛人形にのみ、使う事が許されているそうです。







豪華な三段飾りと七段飾りです。
"右近の橘、左近の桜"も飾られています。







最後に工房も見学させて頂きました。





京都の伝統工芸は分業制が基本で京雛人形でも五つの工程(頭師、髪付師、手足師、小道具師、着付師)を経て作られています。

次に昼食に「萬亀楼」へと向かいます。








中村藤吉 京都駅前店

2021年10月23日 07時43分00秒 | 日記

 10月21日はカルチャーセンターでの講座を終えて、18時からは京セラドーム大阪でオリックスバッファローズVS埼玉西武ライオンズとの本拠地最終戦に行きます。

我々オリックスファンでは本拠地でのシーズン開幕戦と最終戦は特別(?)な意味があり多くのファンが集まります。
宣言が解除され、急遽5階席5000名分が販売され、久しぶりに1万5千人の観客が入り、球場にも活気が出て来ました。
このまま、順調にコロナが終息してくれたらと思います。

それまでの時間、京都駅ビル内にある中村藤吉本店京都駅前店で一服する事にしました。



いつもは長い行列必須の店ですが、運が良かったのか2組しか待ちがありませんでした。

待ち時間にメニューを見て、やはりシーズン限定、駅前店限定の"季節のまるでパフェ"に決めました。
相変わらず"限定"に弱いです。

10分くらいで店内に案内され、メニューを見る事もなく"秋パフェ"をお願いしました。



さすがは宇治茶の名店ですね。
宇治茶のセットが運ばれて来ます。
急須の中はティーパックですが煎茶がたっぷりと入っています。

ポットには約80°のお湯が入っていて、急須に注ぎます。
最初の一服は茶葉を蒸らす時間も考慮し、2〜3分で飲み頃に抽出されます。



100g3000円くらいの煎茶でしょうか?
芳醇な香りがし、最後には旨みと甘さを感じます。
"日本人であって良かった!"と思える瞬間です。







やがて、「季節のまると【秋】」が来ました。

いい年したオッさんがパフェ?
土佐日記ではないですが「おとこ(オッさん)もすなるパフェ」ですね!

秋らしく大きな和栗や栗甘露煮を始め、色々な食材を楽しめます。
今回は"ほうじ茶"バージョンでしたが抹茶バージョンも作って欲しいですね!

下の写真はJR宇治駅前にある中村藤吉本店の様子です。









宇治茶の本場ですね?マンホールも郵便ポストも"茶壷"です。














聖徳太子展-日出づる処の天子-大阪市立美術館

2021年10月22日 07時23分00秒 | 日記
 10月17日は天王寺にある大阪市立美術館で開催中の「聖徳太子-日出づる処の天子」を鑑賞して来ました。





こちらの美術館には自宅から約30分で来れるのでアクセルが最もいい美術館です。

近くには現在、日本一の高さを誇る"あべのハルカス"が見えます。





今年は太子が亡くなられてから1400年の大御忌の年に当たります。(来年2022年としている所もあります。)

今年2月に兵庫県にある斑鳩寺・鶴林寺を始めに多くの太子ゆかりの寺院を訪ねて来ました。

"日出づる処の天子"と聞いて先ず思うのは、聖徳太子が中国隋の国王に送った国書ですね。
小さな倭国が大国の隋と対等に外交を試みた最初の書簡です。

また、漫画家・山岸凉子さんが昭和55年(1980)から59年(1984)に『LaLa』に連載された漫画「日出処の天子」を思い出します。
会社の同僚の方に全巻借りて読みました。



多くの太子像や絵伝を見ていると、太子の仏教に対する造詣の深さ、また、神格化された太子像が浮かんで来ます。









一時は聖徳太子不在説まで出た太子ですが、今回の展示を見ていると確かに存在した人物だと思います。

来年も太子ゆかりの寺院で特別公開などがあればと楽しみにしています。

大阪での特別展は24日までですが、11月17日からは場所を東京に移し、サントリー美術館で来年1月10日まで開催されます。

妙心寺東林院 梵燈の明かりに親しむ会

2021年10月21日 07時01分00秒 | 日記
 10月17日の最終は妙心寺東林院での恒例行事「梵燈の明かりに親しむ会」です。

東林院は通常非公開の塔頭寺院で年3回の行事の時に公開されます。






平成10年(1998)から行われている東林院の行事のひとつです。

約800個の蝋燭で境内の庭園を照らし、毎年、禅語からテーマが決められています。

今年のテーマは「雲収明月出(くもおさまりてめいげついず)」です。
雲を人間の煩悩に例え、煩悩が消えれば輝く仏性(明月)が現れると言う意味です。


 
ちゃんと説明文もありますが、立ち止まり読んでいる方は少ないのは残念に思います。

日頃は煩悩だらけですが、この日だけはお抹茶を頂き、風の音や虫の音に耳を傾けて心穏やかになれる様に参加させて頂いています。







立派な「飛龍の松」です。
松の力強さや槇の生命力、野鳥の役割に自然の営みを感じます。



沙羅双樹の庭です。
本堂前庭で10本程の沙羅双樹(夏椿)が植っていて毎年の6月には「沙羅の花を愛でる会」で公開される庭園です。







梵燈は西川和尚が自ら粘土で手作りした円筒形の照明器具です。

ゆらめく蝋燭の和やかな光を眺めていると、日頃の慌ただしい生活を忘れてしまい、心地よい気分になります。



庭園は梵燈の明かりのみで室内も最小限の明かりしかありません。