10月21日の昼食は上京区猪熊通り出水上ルにある有職料理の名店「萬亀楼」さんで秋の懐石料理を頂きました。
玄関前や中庭にも老舗の雰囲気に満ちています。
萬亀楼は江戸時代享保7年(1722)に初代が「萬屋」の屋号で造り酒屋を始めたのが最初です。
1780年の「天明の大飢饉」で原料の米の入荷が困難になり、その後茶店を営み料理を提供するようになりました。
屋号も「萬亀楼」と改められ今日に至っています。
ご当主は代々、有職「生間流」の式包丁を継承されています。
いよいよ食事が運ばれて来ます。
①先附
胡麻豆腐、山葵、うに、うまだし
胡麻豆腐を出汁と一緒に頂くのは初めてです。
具材と一緒に頂くと格別な味わいです。
②お椀
菊花かぶら、しんじょう射込み、松茸、菊花
具材の美味しさは無論ですが、出汁の美味しさは格別です。
これこそ京料理の真髄ですね。
松茸も今シーズン初めて頂きました。
③お造り
鯛、まぐろ、あしらい
みょうがと菊花で頂くのもまた違った風味です。
④八寸
いくら醤油漬、菊花、利久麩、人参、三度豆、白和え、車海老、むらさきずきん、子持ちあゆ、えりんぎ、栗甘煮
柿の葉の下に八寸の一部が隠れています。
籠の中は早くも秋真っ盛りです。
⑤焼物
鰆みそゆうあん焼、辛子蓮根、ぎんなん、すだち
鰆みそゆうあん焼 いいあんばいに美味しいです。
銀杏は茶碗蒸し以外では食べないですね。
皿の中で小粒でも目立ちかつ、美味しい存在です。
⑥たき合せ
里芋、穴子、きくな、柚子
出汁の効いた美味しい一品です。
⑦御飯
鯛茶漬、香の物
他のお店で"鯛の味噌茶漬を頂いた事はありますが、全くの別物で椀の一面にのった海苔の下には鯛の身がたっぷり入った茶漬けです。
胡麻、紫蘇の葉がアクセントになった大変に美味しく、贅沢な茶漬けです。
老舗料亭のシメに相応しい一品です。
⑧水物
柿、巨峰
添えられいる葉は"梶の葉"です。
表には文字を書く事が出来る事から「葉書」の語源ともなったとも言われています。
永らく西陣の旦那衆に贔屓にされた老舗には間違いのない確かな"もの"があります。