8月2日は二条城へ。
7月14日から8月23日まで国宝二の丸御殿「大広間二の間」の特別入室が行われていています。
特別入室の関連事業で"学芸員による障壁画解説"に申込みをしていました。
8月2日の回だけで346名もの応募があり、当初予定に無かった2回目が追加され、それに当選しました。
いつもは70名程が入れるレクチャールームですが感染症対策で30名に制限されての開催です。
(大広間の写真は原画の時です。)
大広間は将軍や幕府の権威を最もよく示した部屋で一の間から三の間には巨大な松が描かれています。
障壁画は狩野派一門が総出で請け負った大事業で僕の考えでは"これだけの枚数の障壁画や襖絵を描くにはそれぞれの得意文化を生かした分業制がとられ、松が得意な絵師は"松"を、虎が得意な絵師は"虎"をと専門的に描いた"と考えていました。
その事を学芸員さんに質問すると違った答えでした。
"狩野派は時の棟梁の絵を絵師全員がそっくりに描ける事を目指した絵師集団だった"ようです。
また、"下絵は棟梁が描き、その後はそれぞれの絵師が棟梁の絵を忠実に描いていたのではないか"との見解でした。
(質問にも感染対策が取られ、質問用紙に記入する方法が取られていました。)
スライドを使い丁寧な解説で1時間が直ぐに感じる程の内容でした。
その後に御殿を見学。
僕が京都巡りを始めた頃は障壁画は全て原画でしたが、今はほとんどが模写と入れ替わっています。
いよいよ、二の間に入室です。
廊下から見るのと違って"将軍の為の大広間"を感じます。
常緑の巨大な松に孔雀の欄間、、、全てが徳川将軍家の永遠の繁栄を願う装置のように思えてきます。
二の間の原画を展示している収蔵庫にも入りました。
劣化がかなり進んでいる印象です。
修復に多額の費用が必要だと思われ最近、入城料が御殿の見学込みで1030円に値上げされたのもやむを得ない事だと思います。
二ノ丸庭園は国の名勝庭園に指定されています。
当初は大広間からの眺望を中心に作庭された"王者の庭"でしたが、後水尾天皇の行幸時に行幸御殿からの眺望を考え小堀遠州により手直しが行われました。
当初の"王者の庭園"を見て見たいものです。
築城時の年代がわかる天守閣は複数ありますが"御殿"が現存するのは唯一二条城だけで大変貴重な建築物群になっています。
二条城が世界文化遺産に登録されたのもこの「二の丸御殿」が当時のままに存在したからです。
二条城に残る建物はほとんどが重要文化財です。
清流園は昭和に作庭された新しい庭園で駒札にあるように庭石や植栽、建物の部材は江戸時代の豪商・角倉了以の屋敷跡から移設されたものです。
写真の「香雲亭」では"いそべ"さんにより"京の湯葉御膳"が事前予約制で提供されています。
北大手門です。
二条城の北側には京都所司代の屋敷があり、その通用門として使われたようです。
二条城の正門"東大手門"に引けを取らない立派な門です。
他に非公開エリアですが西門があり、戊辰戦争の敗色が濃厚になった将軍慶喜公はこの西門から退城したと言われています。
南門は江戸時代にはなかった門で大正天皇の御大典が二条城で行われた際に作られた門です。
また、24日からの一の間の特別入室に来てみたいですね。
今度は"将軍目線"で見れるのも楽しみです。