今日、1月26日(土)は、無鄰菴での特別講座「中村ローソク×伊藤若冲 日本の絵画を知る 和ろうそくで見る伊藤若冲」に参加しました。
まずは母屋2階が会場です。講師は、大阪国際大学の村田隆志先生です。先生は日本美術史がご専門で、以前は相国寺の承天閣美術館で学芸員をされておられました。相国寺は若冲とご縁のある禅寺で承天閣美術館には若冲作品が多数残っています。
まずは、伊藤家の菩提寺 宝蔵寺さんが所有されている「竹に雄鶏図」を蛍光灯のもので鑑賞します。この日は、宝蔵寺のご住職も来られていました。ご住職のご計らいで写真撮影も許可して下さいました。
以前に、宝蔵寺さんで見た時と変わらない印象です。文化財指定されていないとは言え、若冲のオリジナル! こんな至近距離で拝見出来る機会はないです。墨の濃淡だけでこの躍動感を出すのですから凄いです。先生によると、紙に墨で描く場合、筆を一気に運ばないと、墨が滲んでしまうそうです。ですから、この鶏も15秒くらいで描いたと考えられる と言われていました。
次に和ローソクで鑑賞します。
どうでしょう?
全く別物になっている感じはないでしょうか?
早朝に餌を探しながら力強く歩く雄鶏と、蛍光灯ではあまり意識しなかった竹の存在感が強調されています。風にそよぐ竹の葉の音が聞こえるようです。
次にニ幅目の「髑髏図」です。
若冲は、売茶翁(高遠遊)と交流があり、彼の生き方に感銘を受けていたようです。
さて、絵の方ですが、版木を起して描いた絵で、下に髑髏が、上に売茶翁の賛が書かれています。
和ローソクで鑑賞すると髑髏が浮かび上がるように見え、ローソクの揺らぎがより一層、絵を引き立てます。
この幻想的な見え方に村田先生が一番興奮されていました。
先生によると、「左上に描かれた髑髏が売茶翁で右下の若冲の髑髏に話しかけているように見える」と言われていました。若冲自身が、この絵を大切に持っていたのでしょうね!-いつも尊敬する売茶翁と一緒にいる-常に自分を戒めていたのでしょうね!
若冲作品ニ幅を鑑賞した後は、一階で中村ローソクの田川さんの和ローソクの講座がありました。大本山での大きな法要で使う高さ60cmもの和ローソクを作れる職人は、今やたった二人しかおられないそうです。
京都の伝統工芸も後継者不足や、仕事の減少で衰退の一途です。
もっと、"ほんまもん"を継承出来る施策を今のうちに打っておく必要を強く感じます。
さて、講座に戻りますが、原材料が違うローソクを使い続けると、そのススが仏像や障壁画に付いて、ハケだけでは取れず、修復に出さないと復元出来ないそうです。
また、京都は"御用達"制が強く残っている町で、新規参入は非常に難しいのも、和ローソクが普及しないひとつの要因だと言われていました。
この日は、昼から雪模様で夕方に無鄰菴に着いた頃には庭園は、うっすら雪化粧していました。
夜の無鄰菴の雪景色 滅多に見れない景色です。
まずは母屋2階が会場です。講師は、大阪国際大学の村田隆志先生です。先生は日本美術史がご専門で、以前は相国寺の承天閣美術館で学芸員をされておられました。相国寺は若冲とご縁のある禅寺で承天閣美術館には若冲作品が多数残っています。
まずは、伊藤家の菩提寺 宝蔵寺さんが所有されている「竹に雄鶏図」を蛍光灯のもので鑑賞します。この日は、宝蔵寺のご住職も来られていました。ご住職のご計らいで写真撮影も許可して下さいました。
以前に、宝蔵寺さんで見た時と変わらない印象です。文化財指定されていないとは言え、若冲のオリジナル! こんな至近距離で拝見出来る機会はないです。墨の濃淡だけでこの躍動感を出すのですから凄いです。先生によると、紙に墨で描く場合、筆を一気に運ばないと、墨が滲んでしまうそうです。ですから、この鶏も15秒くらいで描いたと考えられる と言われていました。
次に和ローソクで鑑賞します。
どうでしょう?
全く別物になっている感じはないでしょうか?
早朝に餌を探しながら力強く歩く雄鶏と、蛍光灯ではあまり意識しなかった竹の存在感が強調されています。風にそよぐ竹の葉の音が聞こえるようです。
次にニ幅目の「髑髏図」です。
若冲は、売茶翁(高遠遊)と交流があり、彼の生き方に感銘を受けていたようです。
さて、絵の方ですが、版木を起して描いた絵で、下に髑髏が、上に売茶翁の賛が書かれています。
和ローソクで鑑賞すると髑髏が浮かび上がるように見え、ローソクの揺らぎがより一層、絵を引き立てます。
この幻想的な見え方に村田先生が一番興奮されていました。
先生によると、「左上に描かれた髑髏が売茶翁で右下の若冲の髑髏に話しかけているように見える」と言われていました。若冲自身が、この絵を大切に持っていたのでしょうね!-いつも尊敬する売茶翁と一緒にいる-常に自分を戒めていたのでしょうね!
若冲作品ニ幅を鑑賞した後は、一階で中村ローソクの田川さんの和ローソクの講座がありました。大本山での大きな法要で使う高さ60cmもの和ローソクを作れる職人は、今やたった二人しかおられないそうです。
京都の伝統工芸も後継者不足や、仕事の減少で衰退の一途です。
もっと、"ほんまもん"を継承出来る施策を今のうちに打っておく必要を強く感じます。
さて、講座に戻りますが、原材料が違うローソクを使い続けると、そのススが仏像や障壁画に付いて、ハケだけでは取れず、修復に出さないと復元出来ないそうです。
また、京都は"御用達"制が強く残っている町で、新規参入は非常に難しいのも、和ローソクが普及しないひとつの要因だと言われていました。
この日は、昼から雪模様で夕方に無鄰菴に着いた頃には庭園は、うっすら雪化粧していました。
夜の無鄰菴の雪景色 滅多に見れない景色です。