山内 圭のブログ(Kiyoshi Yamauchi's Blog)

英語教育、国際姉妹都市交流、ジョン・スタインベック、時事英語などの研究から趣味や日常の話題までいろいろと書き綴ります。

『爛々と燃ゆる』トークショー出演

2012-06-29 22:33:28 | 日記
先日来、何度か記事にしているスタインベック原作の舞台『爛々と燃ゆる』(下記参照↓)
ジョン・スタインベック原作の演劇『爛々と燃ゆる』ご案内
演劇『爛々と燃ゆる』稽古見学と勉強会
舞台『爛々と燃ゆる』の爛々と燃ゆる稽古の見学
『爛々と燃ゆる』観劇
虎よ虎、爛々と燃ゆる

5月19日(土)夜の公演に続いて行われた出演者・演出者とのトークショーに僕も出演させていただきました。

トークショーの司会は、この劇のプロデューサーでミセス・マローイ役を演じた小沢ミナコさん。

演出兼フレンド・エド役の塚原英志さん、ジョー・ソール役の浅井透麻さん、モーディーン役の青山 碧さん、ビクター役の岡田純一さん、妖精およびゾーン先生役の深津哲也さんともに、この演劇に関わったスタインベック研究者としてのトークショーの出演です。

トークショーは、小沢さんの司会進行のもと、流れていきましたが、以下が事前にいただいたトークショーの大まかな流れに基づいて、僕があらかじめ話そうと思っていたメモに書いたことです。

この通りしゃべったわけではありませんが、大体このような内容でお話しました。

観た感想
A山内
○若い頃に原作を読んで感動したこの作品を舞台上で表現してもらって大変感激している。
○4月15日に稽古の見学をさせてもらい、その際、途中経過は見せてもらったが、それが、このような形で完成されたものを見せてもらい、非常に嬉しい。

Q失敗作品と言われる一番の理由はなんだと思いますか?
A山内
○僕はスタインベック大好き人間なので、実はあまり「失敗作」とは呼びたくない。質問を否定するような言い方で申し訳ないですが、ブロードウェイで自分の作品が上演されることを願っている脚本家は何人もいるはずで、スタインベックのこの『爛々と燃ゆる』という作品は、ブロードウェイで13回も上演されているのです。例えてみれば、野球をしていてプロ野球選手になりたい人がたくさんいるなかで、プロ野球に入団し、1軍の試合に13試合だけど出場できたという人を野球で成功したと呼ぶべきか、失敗したと呼ぶべきかということと近いかもしれません。ただ、ノーベル賞をはじめさまざまな賞を受賞しているスタインベックの実力や他の作品の成功から見れば、この作品は比較的成功しなかった作品と言えるのかもしれません。チラシにも書かせてもらったように、子どもができない夫婦の心の葛藤を中心に描くこの作品は、当時の米国においてもまだ「早すぎた」作品なのかもしれません。


Qスタインベック作品の魅力、好きな作品・舞台化してみたい作品
A山内
○人間描写や語りが優れている。人間を生物の一種として描いている。この作品も「爛々と燃ゆる」ものは、眼であるが、スタインベックは、人間描写をする場合に眼の描写に重きを置いている。あとは、興味をもった方は是非原作を読んでいただくといいのですが、例えば円熟期の作品である『エデンの東』などを読んでみると、スタインベックがそれまでに人から聞いた話や書物等で得た知識や自分で考えてきたことなど、いろいろなものが作品に盛り込まれているので、読んでいて面白い。どうだ、俺の話を読んでみろというような作家側の心の余裕さえ感じられるのが魅力。好きな作品は、こども向けの作品と位置づけられることもあるが『赤い小馬』。父親から小馬をプレゼントされる少年ジョディの話だが、スタインベックの子ども時代を描いた自叙伝的な話である。少年の成長が描かれていて面白い。馬をどうするかということで、舞台化は難しいかもしれませんが、是非、舞台化してもらいたい作品です。

協会会員募集宣伝
パンフレットにも少し書かせてもらいましたが、スタインベックの研究者や愛好家で作る日本ジョン・スタイベック協会という組織があります。もし今回の舞台を見て興味を持ってくださった方がいれば、年会費が3000円となっていますが、入会していただきましたら大変嬉しく思います。
Q協会の活動説明
A山内
年1回「日本スタインベック学会」というものを開催するのですが、今年の学会は、今月5月28日(月)10時から東武東上線練馬駅が最寄りの大東文化大学で開催されます。今年は、『エデンの東』の翻訳者である土屋政雄氏もお招きして特別講演をしていただいたり、スタインベック生誕110周年、ノーベル賞受賞50周年を記念したシンポジウムも開かれたりしますので、ご興味がおありの方は是非ご参加いただければと思います。今回は、このような宣伝の機会を与えていただいてありがとうございました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第18回映画英語教育学会全国大会で研究発表をします

2012-06-29 11:21:47 | 日記
2012年8月6日(月)、京都女子大学において第18回映画英語教育学会全国大会が開催されます。

プログラムは、第18回映画英語教育学会でご覧いただけます。

今回は、僕は「介護福祉士養成課程における映画を利用した高齢者理解について」 というタイトルで、新見公立短期大学地域福祉学科の「英語」の講義での実践を報告させていただくことになっています。

介護の対象者となる高齢者が若い頃に見られた映画を見ることが、将来介護福祉士になる地域福祉学科の学生にとって、高齢者とのコミュニケーションの一助や当時の時代を理解する助けになると思います。

英語の授業ですので、英語の映画を見ますが、もちろん英語聞きとりの勉強にもなります。

僕の地域福祉学科での「英語」の講義内容は、高齢者が若い頃使われた古い英語教科書を読んでいくことと、古い映画鑑賞の二本立てです。

そのうち、古い英語教科書を読むことについての実践については、2010年に日本英学史学会で発表しました(日本英学史学会第47回全国大会で研究発表を行なう参照)。

奇しくも、どちらも京都での研究発表となります。

今の学生さん、あまり古いモノクロ映画を見たことがない人が多いようです。

毎年この授業でモノクロ映画を初めて見ました、というコメントも見られます。

今年度の地域福祉学科の2年生の皆さん、現在頑張っている実習終了後の授業では、映画を見てもらいます。

お楽しみに!

ちなみに、昨年度の映画英語教育学会に参加した際の記事です(↓)。
映画英語教育学会第17回全国大会に参加
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なんとなく、クリスタル

2012-06-29 05:13:47 | 日記
先日、幼児教育学科の学生たちから「生命科学」の授業で捕まえたサワガニをいただきました(サワガニ飼育の難しさ参照)。

同じ学生たちから、今度は水晶(crystal)をもらいました。


これもやはり「生命科学」の授業で、ある場所に採取に行ったそうです。

混じりけのない、きれいな水晶です(英語では、水晶の混じりけのなさから出た"crystal clear"と言う表現があります。「水晶のように澄んだ」あるいは「とても明白な」という意味です)。

ちょうど、僕の誕生日が近かったので、誕生日プレゼントとしてありがたくいただきました。

ちなみにこの記事のタイトル「なんとなく、クリスタル」は元長野県知事で現在は国会議員で小説家の田中康夫氏のデビュー作『なんとなく、クリスタル』を拝借したものです。

この小説、僕が中高生時代に一世を風靡していましたが、タイトルだけ知っていてまだ読んだことのない小説の一つです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする