先ほどの記事に続いて、これも同じく山形県「遊学館」が行なった外国絵本翻訳コンクールの第10回(2000年)の課題図書でした。
この外国語絵本翻訳コンクール、現在行われていないようでとても残念です。
クマのぬいぐるみのTeddyがこのお話の主人公です(クマのぬいぐるみのことを一般的にTeddy Bearといいます。この名前には、合衆国第26代大統領セオドア(テディ)・ルーズベルト(ローズヴェルトの表記もあり)がクマ狩りに行ったエピソードが関連しています。)
Teddyの持ち主であるLilyとお母さんが外出する際、Teddyも一緒にベビーカーで外に連れて行かれました。
公園に行き、アヒルと遊びましたが、暗くなりかけてきたので家に帰ることにしました。
帰り道、Lilyは疲れてベビーカーの上でTeddyを持ったまま眠ってしまいました。
でも、途中でLilyの手元からすり落ちて公園に置き去りにされてしまいました。
ひとり取り残されたTeddyは雨の中、Lilyの家を目指します。
途中、車に水を引っ掛けられたり、人ごみに紛れてしまったり、大きな犬に出会ったりします。
Teddyは、もうLilyとは会えないのかと思いました。
でも、暗くなる前に家(home before dark) に帰らなければ、Lilyが眠るときにベッドに一緒に入れません。
雨と風と暗さの中、Teddyは苦労して丘を越えますが、途中で風に飛ばされてしまいました。
飛ばされた先が何とLilyの家の玄関先、でも既に夜でドアは閉まっており、家の中には入れませんでした。
濡れたままドアの前で待っていたところ、新聞配達の少年(paperboy)が見つけてくれて、ドアについている郵便受けからTeddyを玄関に入れてくれました。
Teddyは玄関に置いてあったベビーカーに無事着地することができ、そこで待っていると眠れずTeddyを探しに来たLilyがベビーカーにあったTeddyを見つけ、ベッドに持ち帰りました。
LilyはTeddyが苦労して帰ってきたことを知らずにすやすやと眠りました。
このようなあらすじのお話ですが、これはクマのぬいぐるみの冒険談になっています。
絵もなかなかかわいく、子どもたちの想像力もかきたる、とてもよい絵本です。