画像は、我が家のくうちゃん。
タイトルを見ると、何やら哲学的。
だけどこれは元々、作者の飼い猫のコウハイ君が梅干しの種を飲み込んでしまって、大変な目にあった時に言ったお医者様の言葉。
本の紹介文をお借りすると
『梅干しの種を飲み込んで、開腹手術を受けた猫のコウハイ。苦しかっただろうに、獣医師によると、「また、誤飲しますよ」。猫には楽しい記憶だけが残るので、種を転がしておもしろかったな、とは覚えているけど、苦しかったことは忘れてしまうそう。うれしかったことだけ積み上げて生きていく。そんな猫たちの、可愛くて笑えて、沁みるはなし。』
タイトル以外のお話は、コウハイ君や作者の知っている猫君たちの、猫あるあるの物語。
猫を飼っている人なら「そうそう。」「うんうん。」と頷くことばかりです。
飼っていない人も「そうだろうなぁ。」「なんか、分かる。」と言う猫の日常が満載です。
少しだけそのタイトルを拾ってみましょう。
例えば
「人を踏む」
飛び越えていけるのに、いつもわざわざ足を踏んでいくのはなぜ。
でもそれが気持ち良くてね。ぴょんと飛んで行かれると、がっかりしちゃいます・・・・って、これ我が家のお話です^^
「したいことしかしない」
「引きずらない」
「ほど良く無視する」
ああ、なんか拾ったタイトルは皆、少々生き方を示唆しているようなものばかりになってしまいました。
そうなんですよね。本当は猫ばかりではなく他の生き物たちからだって、学ぶことがたくさんあると思うのですよ。
でも猫ちんは、私たちのそばに寄り添ってくれる身近な生き物なので、強くそれを感じるのだと思います。
だけどこの本は、そんな猫から学ぶ生き方講座ではありません。
本の紹介文にあるような、「可愛くて笑えて、沁みるお話」なのです。
ただ私は、タイトルになっている「猫は、うれしかったことしか覚えていない」には、やはり少々の哲学的な香りを感じてしまうのです。
獣医さんは、またやるから気をつけろよと言う意味で言った言葉だと思います。
だけこの言葉に作者も励まされ、そして私も励まされました。
人は失敗や不快に思った事からも多くを学び、同じ間違いをしまいと誓ったりします。賢くもなったりもします。
だけど時には、そんな記憶はさっぱり捨てて、嬉しかったことだけを覚えて生きていく幸せを選択しても良いのではないでしょうか。
ちょっと心が重く苦しい時に読んだので、上に書いた事と重複しますが、励まされ救われたような気持ちになりました。