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森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

「Flow」を見ました。

2025-04-03 08:21:47 | 映画

下の猫は我が家のクウちゃんです。

なんたって同じ黒ネコなので、最初から感情移入度が高かったです。少々「黒猫クウの大冒険」に脳内で変換されてしまっていたかも。でもクウすけは、水は大の苦手なのですが。

3月26日に見てきました。

 

 

解説を→Flow : 作品情報・声優・キャスト・あらすじ・動画 - 映画.com

から引用させていただきました。

『洪水に呑まれゆく世界を舞台に、1匹の猫の旅路を描いたラトビア発のアニメーション映画。

世界が大洪水に見舞われ街が消えていくなか、1匹の猫が旅立つことを決意する。流れてきたボートに乗り込んだ猫は、一緒に乗りあわせた動物たちとともに、想像を超える出来事や危機に襲われる。時に運命に抗い、時には流され漂ううちに、動物たちの間には少しずつ友情が芽生えはじめる。

監督・製作・編集・音楽を1人で手がけた長編デビュー作「Away」で世界的に注目されたラトビアのクリエイター、ギンツ・ジルバロディス監督が、5年の年月をかけて多くのスタッフとともに完成させた長編第2作。』

人間は一人も出てきません。動物たちも一言も人間の言語を語らず、その動物の鳴き声のみです。

それでもすごく伝わってきました。

この猫は飼い主に凄く愛されていたのだと思いました。

夕方になると、既に飼い主はいなくなってしまった家に、トボトボと帰る猫。だけどその猫の安全なねぐらである家も押し寄せてきた水の底に沈んでいってしまいます。

この時点でネタバレしていますが、ここまでは容易に推測できることなのでお許しください。

 

なんだか久しぶりに、泣き虫な私が復活してしまいました。

人が泣かないようなところで泣く私。なぜかという点について考えた事があります。はるか昔の高校生の頃、その理由は分からないのですが、どんな場面でと言うのは決まりがあるのだと気がついたのです。それは子供が泣いているシーンでです。必ず涙が出ます。約束のように。もうパブロフの犬ですよ、まったく。

この猫は子供ではないですが、既にクウちゃん関係で、感情移入度が高かった私には、子供のような感覚があったのだと思います。

水が迫って来て、行き場を失った猫がミュウミュウとか細く泣きます。

なんだかそんなシーンで、ハラハラとなく私・・・・。

なんかちょっと恥ずかしくて、隣に座って居る友人には知られたくないなと思いました(笑)

だけど思いました。     

世界は人間だけのものではないな、と。

 

そしてこの作品、映像がめちゃくちゃ綺麗です。

同じ監督の作品「Away」はアマプラで見られます。

また、地理に弱い私は、ラトビアと言う国がどこにあるのか調べてしまいました。 (;^_^A

(画像の下はネタバレ感想です。)

 

ある時は「ブレーメンの音楽家」の事を思い出したり、またある時は「ノアの箱舟」の事を思いだしたりもしました。

犬の仲間を助けてあげたい旅の仲間たち。でも悟った鳥には見えていたのだと思います。ちっとも旅の仲間を労わったり助けようとしない犬たち。メガネザルの大事な鏡を壊したりして、仲間たちを引っ掻き回します。

ディズニー映画だったら、みんなそれぞれに主張しあい(人間の言語で)、相当うるさいシーンになってしまったと思います。

でもこれはそうはなりません。

先日和田アキ子さんが、ピカチュウの映画を見ていて、ピカチュウが「ピカッ」「ピカピカ」しか言わなくて、一言もしゃべらないので辛かったと言っていましたが、そう言う方にはとてもお勧めできる映画ではないと思います。

だけど友達は「聞こえたね」と言いました。私には聞こえはしませんでしたが、ほとんどの意味は分かりました。

 

分かったと言っても正解かどうかは分かりません。

特にあのチベットのような山の上での出来事は、それぞれに思ったことが自由に分かれるかもしれません。

私には、あれは地球の厄災を鎮めるための生贄に感じました。

だからずっと猫を助けてくれていたあの鳥は、最後に蹴って猫を地上に戻したのではないでしょうか。

 

水が引いてみれば、大海を旅していたと思っていたのに、高い山の上に居ました。
旅の仲間を危機一髪で助けたのち、目にしたのは悠然と海を泳いでいたクジラが山の上に打ち上げられて瀕死の状態になっていた姿でした。

このクジラも何気にずっとそばにいた旅の仲間だったと思います。

猫はその体をスリスリさせて、その状況を嘆きます。

そこに旅の仲間たちがやってきます。

その時、澄み切った水に姿が映し出され、彼らは自分たちをじっとじっと見ていました。

言語も姿も違う自分たちの姿を・・・・・

 

なんだかラストシーンに胸がいっぱいになりました。

作り手が長い年月をかけて作ったこの作品の、彼らの気持ちが伝わってきたように感じたからです。

エンディングのあと、一瞬映る、大海にはねるクジラの姿。

 

あれは彼らの願望かな。だって無理だよね。

と、私は思ってしまいました。

でも言語も姿も違う彼らが、知恵と力を出し合って奇跡を起こしたのでしょうか。

 

大好きな作品に出合えたと思いました。

 

 

 

コメント
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