森の中の一本の木

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「ポワロと私」デビッド・スーシェ自伝

2024-09-01 23:40:24 | ユーモレスクを聴きながら(book)

8月26日に読み終わりました。

デビッド・スーシェのポワロと関わった5年間の自分史。それを読むと、「名探偵ポワロ」を1作目から全70話見たくなってしまいます。

それでひとつ前の記事「先の楽しみ(9月と10月)」の中で、

>『10月の楽しみな事ばかりを書いて、9月は無いのかと言ったら、そうでもなくて、そのミステリーチャンネルで「名探偵ポワロ」が9月5日から全話70話を順次放送なんです。』

と書き込んだのです。

1989年から2013年までの24年間のポワロと共に歩んだ、彼の俳優生活が綴られています。

まだ40代だった彼が、次のシーズンの決定がなかなか来なくて、不安に思いながら次の仕事を引き受けていく様とか、彼がポワロの撮影をしていなかった時に、どんな舞台や映画などを撮っていたのか、なかなか興味深いものがありました。

その中に「エグゼクティブ・デシジョン」と言うのがあって、カート・ラッセルやスティーヴン・セガールの映画だったので、見た記憶があります。悪役も渋くてなかなか良かったと記憶していたのですが、その悪役が、実はスーシェだったのです。この映画は1996年製作なので、この映画を見て私が「あっ、ポワロじゃん。」と言ったか否か?

そんな事を確かめたくて、もう一度、この映画を見たくなりました。残念ながらアマプラでもレンタルじゃないと見る事は出来なそうなのですが。

 

またポワロ撮影時のエピソードも、本当に面白いですよ。(以下は少々ネタバレ的な部分ありです。)

ある時女王陛下からのプライベートな昼食会に招待されたスーシェは、その日が奇しくも彼の誕生日だった事や、その時にフィリップ殿下にマンゴーの食べ方を教わり、それをドラマに取り入れた話は、是非確認したいところです。たぶんシーズン6の「ポワロのクリスマス」で出てくると思います。

それからシーズン13の「死者のあやまち」のロケ地は、なんとアガサの実際の家なのだそう。彼女は3軒家を持っていて、このグリーンウェイは一番愛した家なのですって。

もう一度見て、確かめたくなると言うものでしょう。

 

先日、久しぶりに「5匹の子豚」を見て、この作品、今までとは違う感じだなと改めて思ったのです。

それについても書いてありました。このシーズン9からちょっと重みのある演出に変わっているのですね。映画っぽいと言うか・・・・。

 

意外と作り手の狙いを外しては見ていなかったんだなと思ったりもしたのですが、ちょっと嬉しかったのは、スーシェ自身が「オリエント急行の殺人」について詳しく書いていたことです。

私のそのドラマの感想は→名探偵ポワロ第64話「オリエント急行の殺人」

           →スーシェの「オリエント急行の殺人」が一番好き

 

作り手の狙いを外さずに見ることが出来ていたなと確認できました。

スーシェ自身、こう言っていました。

「1974年版の映画しか見たことがなく、アガサの原作を読んだ事がない人の中には、私たちのドラマ版にあまり気持ちが盛り上がらないと言う人もいるかもしれない。」と。

けれど監督も脚本家も彼も、アガサの原作のトーンや深みに忠実であろうとした結果の作品だったと言うようなことが綴られています。

とっても大切なことですよね。

映画のような華やかさは確かになかったけれど、やはり私のように「これが一番だな。」と感じた人は多数いたと思います。

アガサが作り出した世界観を忠実に再現し演じていったから、一つの小作品以外の全作品を映像化できたのかも知れませんね。

 

アガサの娘ロザリンド・ヒックスの夫が、スーシェに、最初に言いました。

「私たち視聴者はポワロと共に微笑むのであって、決してポワロを笑ってはならない。」と。

そして彼はポワロを徹底的に研究し、個性的な小男のポワロを世界中から愛される探偵にして行ったのだと思いました。

そして最後の撮影シーンが終わった時、スーシェはポワロのままスタッフらに「オ・ルボワール&メルシー・ボク」と言うのでした。

ちょっと感動しますね。

 

 

 

 

・・・・


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