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新”ストレッチの常識”

2015年04月15日 | ストレッチ

スポーツする時や体を動かしたり、運動する前、ケガ防止の為にストレッチ・・というのは今や、常識のように浸透している。

しかし、実はストレッチには、ケガを予防する効果はない・・と、最新の研究では言われているらしい。

 

そもそもストレッチは、1975年に『ストレッチング』という本を出版したボブ・アンダーソンが提唱、世界中でブームとなり、広く普及、現在に至っている。

 

しかし、このストレッチに対し、1988年にオーストラリア陸軍での検証実験が行われた。

入隊したばかりの軍人1538人を対象に、ストレッチをするグループとしないグループの2つに分け、3ヶ月間、同様に訓練をしたトコロ、ストレッチをしたグループの21%、しないグループの22%がケガをする・・という結果に・・。

 

そこから、ストレッチにはケガの危険性を減らす効果はないと結論づけた。

以来、同様なストレッチのケガ予防効果を否定する論文が次々に発表されるようになった。

従来のストレッチには弱点がある・・というワケである。

 

確かに柔軟性は向上するのであるが、運動する際のパフォーマンスは下がってしまうのである。

すなわち、ストレッチによって筋力、瞬発力が低下、平均約10%もダウンするのだという。

 

筋肉も伸びるが、同時に腱も伸びるため、ケガしないように踏ん張らなければならない時でも力が入らず、捻挫などのケガをしてしまう・・というワケである。

ケガを予防するには、筋力を維持しつつ、柔軟性を高める必要があるのである。

 

ちなみにサッカー大国ブラジルでは、”アロンガメント・ジナミコ”という伝統的なストレッチをしているという。

直訳すると”動的ストレッチ”

 

今までのストレッチは、時間をかけて負荷を与えながら、筋肉自体を伸ばす

動的ストレッチは、可動範囲の8割程度で関節を繰り返し動かす

動かすコトで、必要な時に筋肉がちゃんと伸びるので、筋力を維持しつつ、柔軟性を高めるコトが可能なのである。

 

筋肉は、筋線維がいくつも束になって構成されているが、それぞれの筋線維には、それらを動かすための神経がある。

この神経には、いわばリミッターがかかっており、急激に力を入れると筋肉が損傷するおそれがあるため、安静時から筋肉を動かす際、それぞれの筋線維がバラバラに動くように信号が送られるようになっているという。

 

しかし、関節を繰り返し動かすコトで、バラバラに動く筋線維の信号を、同時にそろえるコトが出来る。

すなわち、筋線維の収縮のタイミングがそろうコトで、筋力・瞬発力がアップする・・というワケなのである。

 

また、繰り返し動かすコトにより、筋肉が温まるが、筋肉は温まると柔らかく柔軟になる

そうすると粘り強く、切れにくくなり、ケガもしにくくなる・・というワケなのである。

 

従来の静的ストレッチは、副交感神経の働きを高め、精神のリラックス効果もある。

さらに肉ばなれ、筋断裂といった筋肉のケガを予防する効果は十分にある。

動的ストレッチは交換神経の働きを高め、体温、筋力・瞬発力のアップにより効果があり、捻挫・骨折などのケガ防止にはオススメなのである。

 

手足の冷え解消、高血圧・動脈硬化改善・・といった効果はどちらのストレッチにもあり、当然、どちらが劣るといったコトではない。

目的に応じて使い分ける必要があるだろうが、特に運動前、スポーツする前のパフォーマンス向上やケガ防止・・といった目的には、動的ストレッチがより効果的であろう。

 

ウォーミング・アップには動的ストレッチ、クーリング・ダウンには静的ストレッチ・・という感じ。

 

この新しいストレッチの常識が浸透・普及するには、まだまだ時間がかかる・・かな?