Peace Waveの平和な日々~行く雲、流れる水のように~

気が向いたら、ボチボチ更新しようかと・・。(笑)

K-1 WORLD GP 2010 FINAL

2010年12月13日 | 格闘技・武道

先日行われたK-1 WORLD GP 2010 FINALを制し、優勝したのは”史上最強の外敵”MMA出身のアリスター・オーフレイム 

”マッスル・モンスター”らしいラッシュでピーター・アーツを秒殺し、K-1参戦2年目にして栄冠を手にした。

 

 

しかし、間違いなく、ベスト・バウトはピーター・アーツがセーム・シュルトを破った準決勝であろう。

 

順当にいけば、アリスターと5度目の優勝を狙うシュルトの決勝戦・・というのが大方の予想であったろうが、40歳(!)のアーツが見せてくれた!

 

2年前、K-1史上初の3連覇を成し遂げたシュルトに「奴がチャンピオンだとK-1が盛り上がらない」・・と、立ちはだかったのが、やはり、アーツだった。

2mを超す恵まれた体躯にもかかわらず、カウンター狙いのシュルトの戦法は、「勝ちに行く」というより「負けない」ための戦い方。

地味ではあるが、確実―とはいえ、プロ向きの派手な試合とは言い難く、正直、盛り上がりに欠ける。

 

アーツは見事、これを撃破し、シュルトの4連覇を阻んだ。

 

 

開始直後からガンガン前に出て攻めるアーツ。

とにかく真っ向勝負で、懐に飛び込んで、顔面に渾身のパンチを叩き込む・・という”どストレート”な作戦だ。

 

シュルトも珍しく自分から前に出て、これを迎え撃つ。

シュルトにすれば、アーツは4連覇を阻まれた因縁の相手である。

普段は感情を表に出すコトのないシュルトだが、アーツのコトを語る時は、必ずリベンジする!・・と、感情をむき出しにするほどだという。

1ラウンドから激しくぶつかり合う両者。 

 

この長身から繰り出す前蹴りでアーツを突き放す。

 

それでも、かまわず前へ出るアーツ!

 

臆するコトなく踏み込み、顔面を狙う。

絶対にこいつだけは倒す!・・というアーツの気迫が伝わってくるかのような攻撃が続く。

 

2ラウンドには目の上をカットするも、その気合いは衰えるドコロか、ますます激しさを増す。

シュルトも徐々にアーツの気迫に押され、クリンチに逃げる場面が多くなり、ついには警告をとられる。

3ラウンドにはローキックのダメージが蓄積した脚が動かず、下がって防戦一方に。

 

この身長差では確実に不利な打ち合いだが、まったく臆するコトなく、自分よりでかい敵の懐に、果敢に、何度も飛び込むのだ。

 

そして顔面を殴る!

 

殴る!!

 

迷うコトなく殴るっ!!!

これぞ、”ミスターK-1”!!

 

解説の魔娑斗が、

「いやー、それにしても、ピーター・アーツって、スゴイ人ですね・・」

・・と、もらした言葉が印象深かった。

 

試合終了後の両者の対照的な姿が勝負を物語っていた。

アーツは大きく両手を挙げてガッツポーズ!

 

それに応える観客席のファン。

アーツの熱い闘志が、観客の心にも火を点けた。

間違いなく、今大会、もっとも会場がヒートアップした瞬間だった。

 

文句なし、2-0の判定で決勝進出を決めたピーター・アーツ。 

入場の花道を行くアーツの胸に去来した思いは何だったのか・・?

 

もし、優勝すれば、4度目の王者!

98年以来、12年ぶりの王座奪還となるはずだったが、既に決勝進出を決めた時点でアーツは満身創痍、決勝のリングに立つのがやっとの状態だった。 

残念ながら、4度目の戴冠とはならなかったが、夢を見せてくれた! 

 

自分も来年40になるが、同世代のアーツが、ここまでやれる!・・という素晴らしいファイトを見せてくれたコトで、非常に勇気をもらった試合だった。

 

自分もこの試合で心に刻まれた”「不惑」の魂”を忘れるコトなく、新しい年を迎えたいものだ・・。