観るも八卦のバトルロイヤル

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人は愛するためのみに在らず。「14才の母 ~愛するために 生まれてきた~」

2007年01月10日 | 映画・ドラマ
 14歳での妊娠出産というテーマと子供(ってか子供産んだから大人なんんだけど)たちを取り巻く社会や親たちの葛藤ドラマ。
 14歳、中学生でねー。っていうのが本音。まあ、最近休業宣言したトップアイドルのご両親も15歳で子供(そのアイドル)を産んで、育ててるから、あり得ない話しではないが、実際に今の14歳とか15歳ってこうなの?
 我々(最も田舎もんだからかも知れないが)中学生の頃って、カンジュースを回しのみしちゃって「間接キッス」なんてはやしてたり、自転車並べて帰ってほっぺた赤くしてたくらいのものだったけど、今の子は進んでるもんだ。もし、自分が親だったら対応できたか否か…。
 それにしても、産んじゃうわ、結婚宣言するわ、中学出て働いて、子育て一段落して、それから学校行くわ、とか、「甘い」よ。一ノ瀬未希(志田未来)と桐野智志(三浦春馬)。子育てなんて一生終わらないんだよ。
 彼らの保護者である、一ノ瀬加奈子(田中美佐子)、一ノ瀬忠彦(生瀬勝久)、桐野静香(室井滋)のそれぞれの意見がご最も。特に桐野静香が正しい。
 そして未希があまりにも小さくて、子供子供しているからかも知れないが、やっぱり、どう観てもノンフィクションで「お話」の世界的イメージが拭えなかった。
 一ノ瀬の近所のおばはん。いるいるこういう人って言うか、田舎のおばはんってみーんなこうだから。世間の目はやはり意地悪なのだ。
 そして未希の担任の香子先生(山口紗弥加)。「勉強は教えるけど、後は家庭の問題」と初っ端に断言。そう、教師だって所詮はサラリーマンなのだから、このくらいの考え方の方が潔くていい。下手に「先生は師」だなんて思うから、問題が多いのだ。教師は勉強を教えてくれるだけの人。それ以上を望むべからずなのである。
 そしてこの問題に絡むというか、事をデカくしてくれただけのジャーナリストの波多野(北村一輝)。いい迷惑だけど、これも浮き世の常で仕方ない。
 最後に「このテーマで出版する」とか言いながら原稿書いてるけど、これがジャーナリストの正しい姿勢であって、そこに彼の人間性を現そうとして、自分のスクープを反省するような心の葛藤を挟む必要はない。
 なぜなら、死傷者数百人の事故が起きた場合、「やったー」と喜べるのが週刊誌記者で、「万歳」三唱をできる人が編集長になれるってなくらいの世界なのだから。
 そのタイトルを「14歳の母」(これもださいけど)から「14才の母」へと書き換えた意味が分からない。当用漢字的意味合いか? 
 それからもっと分からないと言うか、意味ないじゃんって言うのが未希のクラスメート柳沢真由那(谷村美月)の自殺未遂事件。彼女は妊娠中絶を経験し、自殺未遂の過去がある中学生なのだけれど、このストーリー展開にこんな話しを織り込む必然性が感じられなかった。
 ゲストだか、友情出演(誰の友達なんだ)だか知らないけど、産科の医師役で反町隆史が最後2話だけ顔を見せている。なんで? なんで反町、こんなちょい役に出てるの? この役、反町使う意味あるの?
 と???の最終回は結局途中でぶった切れ(これまた、バッタもんだから)で、結末が分からず仕舞いなのだけど、総じて言えるのは「甘いよ」。14(歳)やそこらでやってるんじゃねーよ。
 ということで、「こんな話しに感動したり、衝撃的なテーマ」だと言う大人の皆さん。こうなる前に、「米一粒、下着一枚、親の金を当てにしているくせに、やることだけは一人前っていうやつは許せない! 第一、お前らパンツ1枚自分で洗っていねーだろーが」という子育てをしてくださいな。
 最後に、テーマ曲のタイトルバックで出演者が白いシルクの布にそれぞれ胎児みたいな姿勢でくるまっているけど、これおっちゃん、おばはんは痛いから…。特に室井滋は怖かった。

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