観るも八卦のバトルロイヤル

映画・ドラマを独断と偏見(?)で、
斬って斬って斬りまくる。
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「警部補 矢部謙三」。結局エディ・マーフィーなんだよ矢部。

2010年06月07日 | 映画・ドラマ
 最終回観終わりました。中だるみして、全話観ていません。初めの3~4話くらいと、最後2話くらいかな。
 仲間由紀恵や野際陽子がゲスト出演したりして、盛り上げていた(映画の宣伝)が、生瀬勝久は大好きで、彼の出演するドラマはよく観るが、このスピンオフはきつかった。
 「TRICK」の中での一キャラクターとしては凄く面白くて生きているが、主役で出ずっぱりは厳しい。突っ込み役の貫地谷しほりも、監督の意向なのだろうがまんま山田奈緒子キャラ。仲間由紀恵と口調も一緒。
 ただ一人、偉才を放った(言い過ぎか)、新キャラが鈴木浩介。しかし、口調は上田次郎の阿部寛。それでも山田奈緒子ほどダブらなかったのは、上田みたいに調子良く無く、生真面目って設定からだろう。
 で、結局のところ、矢部謙三と言うキャラはエディ・マーフィーなのだ。意味分かる? エディ・マーフィーって「48時間」、「大逆転」ではもの凄く面白くて光ってたが、ニック・ノルティあってのエディ・マーフィーってこと。
 単独で主役張るようになって、「ビバリーヒルズ・コップ」は永遠の人気テーマ刑事物だから何とかなったが、「星の王子 ニューヨークへ行く」、「ハーレム・ナイト」以降のエディ・マーフィーはそこいらの俳優さんと同じだよね。
 1+1=無限大って言う俳優だと思う。
 そういう意味で、矢部謙三も「TRICK」の本筋ありきのキャラってこと。

「鬼龍院花子の生涯」。花子の生涯が…。

2010年06月07日 | 映画・ドラマ
 一遍の俠客物としては面白いが…、これのどこが「鬼龍院花子の生涯」なのだろう? 宮尾登美子の原作を読んでいないし、話題となった監督作品も観ていないので、故・夏目雅子さんの「舐めたらいかんぜよ」しか予備知識は無く、全くのサラ状態で視聴した率直な感想。しかし、何も知らなくても、「鬼龍院花子の生涯」イコール「舐めたらいかんぜよ」と言う程、夏目雅子の印象があると言うのは、ある意味凄いことだ。
 「鬼龍院花子の生涯」をさて置いてなら、俠客の家におまけの仔として貰われて、そこで生きる、主人公の松恵(観月ありさ)の半生を描いた物語として、十分に面白かった。観月ありさがこれまでで一番綺麗。そして似合っていた。この人、意外と落着いた押さえた役とか、老け役とか似合いそうだ。
 義父の鬼龍院政五郎(高橋英樹)との別れのシーン、泣けた。まあ、高橋英樹が巧いのは当たり前だが、最後の茶碗を割るシーンから、荒磯組に乗り込んでの立ち回りは見せ場。
 その妻・歌(多岐川裕美)が老けていたのに驚いたが、それを隠そうとしないところに、この人、女優じゃなくて役者だったと感動した。喉から胸にかけての老いは年月を語っていた。
 そして、「吉原炎上」で絶賛した花子(宮本真希)が肩透かし。男は兵隊役、女は娼婦役を演じればどんな役者でも様になるってことか?
 こんな印象だが、「鬼龍院花子の生涯」となると、花子の追い方が浅いと思うのだが、原作では、鬼龍院一家の二代目は、花子の新婿となった権藤が継ぐが、その死によって、花子もまた極道と人生の荒波に翻弄されることになるようだ。
 終盤までは脇役だが、話しに食い込んでいたのが、最後がいけない。拉致されて売られたのか、自らなのか、どうにも娼婦になったらしいが、全く姿形が変わらない死体で登場。その後、娘(6歳くらいか)が登場するが、ならば少なくても7~8年は経てる筈。
 子連れ娼婦? んんちょっと意味が分からない。
 どうも、松恵の「舐めたらいかんぜよ」から鬼政の殴り込みで一気に盛り上げて、そこで完結した感が強い。しかし、タイトルが「鬼龍院花子の生涯」だから一応、花子をみと取りましょう的な。次回は、花子の生涯を観たいのだが。
 ここまでご託を並べてきたが、土佐の古き時を背景にした時代ドラマとしては良かった。