リハビリは楽しくもあり、せつないこともある。
7年もリハビリを続けていると思ってもいない言葉を投げかけられる。
言葉には笑って言葉で返す。
これが精一杯の私に出来ること。
悪意がないことがわかるので心静かにと。
善意の塊の人のほうが圧倒的に多い。
そんな中でも単純に言ったことで傷つけているのに気がつかない。
大抵は不満があるとそっと私に愚痴を話して気が済む人もある。
ここでうわさは広がらないはず。
メドマーを受けている間は時間もあり話しこむのは最適だ。
馴染みの人だとすぐに興味のある話になる。
名前がわからないとお互いに自己紹介になる。
昨日の女性にはぎゃふんとなった。
両隣と名前を名乗りあった。
名乗らないでも私の名前はみんな知っているようだ。
珍しいともなにか意味があるとも思っているようだ。
「いいお名前ですね。」
ありがとうございます、おかげさまで。
「そんなありがたい名前でこんな病気になるの。」
一瞬何を言うのかと面食らったが何気なく振舞った。
助からないのが当たり前だがここまで歩けているのが証拠。
名前のお蔭と思うのよ、神様が付いているから。
誰でも手を合わせたくなる名前でしょう。
笑顔、笑顔。
「私はどこも悪いところはないの。あなたのような病気にはなりたくない。」
何を言っているのか気がついていないようだ。
杖を使って歩いているだけなのに。
それとも脳溢血が怖いのか言葉の使い方が間違っているよ。
あっ時間だ、行かなくてはと立ち上がった。
行っていらっしゃい、せっかちさん。
何をしていても時間を気にして職員に時間だから次は何処っと急かす。
そんな姿を見ていたのでせっかちだと思ったのでそう呼んでしまった。
みんなで幾つになっても可愛いおばあさんになりたいねと話したばかり。
なれるかな。
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