朝リハビリの利用者が揃ったところで「Aさん今日は出て来るって言ってたはずなのに、まだ来ていないの。調子が悪くなったのかしら。」 テーブルにネームプレイトも置いてない。
肺がんですでにステージ4になっているAさん。抗がん剤治療で2か月ほどの入院で休んでいた。 いつも誰ともなくAさんまだ退院していないの?と、つい気になって話してしまいます。 先週初めに退院したことを聞いてから来る日を待ち焦がれていました。
体操を済ましてみんなマシーンに散ってから聞こえたのは部屋に入ってきて挨拶をしているAさんの声。 入院前と同じ声の様子。 「送迎車が迎えに来なかったの。置いてきぼりになったわ。」
今回の入院では大分辛かったようで頭に深く帽子を被っている。家でじっとしているより来た方が気がまぎれるし、気分が悪ければベッドで休むことが出来るので来ました。
休憩しているとAさんが席に戻ってきたので「自分に合う抗がん剤見つかったのですか?」 「見つからない。この間の検査で癌が少し小さくなったので以前の抗がん剤を再度投与することになりました。」
主治医の先生が「この抗がん剤が絶対効くとまでは言えない。今後の抗がん剤治療はどうしますか?」と言われた。 「次に3回目の抗がん剤治療を済ましたらもうやめようかと思っている。」 「自分で決めなくてはいけないのね。少しでも食べてくださいね。」 「食欲がないの。」 「目をつむってでも食べてね。」
苦しい思いをするのも自分、抗がん剤を続けるか決めるのも自分。辛い決心をしなければならないのも自分。 辛すぎます。
こんな状態でもカラッとしていて自分の症状をしっかりと話してくれて参考になります。 諦めなければ病気も克服できるのではないかと思わせてくれる。
Aさんの全快をお祈りいたします。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます