何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

宝山寺-(2) (生駒)

2017年09月20日 | 寺社巡り-奈良

【奈良・生駒市】延宝六年(1678)の湛海による再興が開山とみられる。 湛海は貞享三年(1686)に聖天堂に歓喜天を祀って鎮守とし、2年後に本堂を完成、その後に宝山寺に改めた。
歓喜天に対する修法に優れた湛海は正保三年(1646)に江戸永代寺に入り、江戸の大火で焼失した永代寺八幡宮の復興、郡山藩水野家からの祈雨、徳川家宣(第6代将軍)からの世継ぎ安泰祈祷などに成果を上げた。

線香場近くにある西門をくぐって山中に広がる境内への石段を上る。 石段途中にある文殊堂に参拝して観音堂へ....観音堂に近づくにつれ、修験道の聖地とされる「般若窟」に鎮座する弥勒菩薩像の姿と朱塗りの社がハッキリと分かる。 観音堂の脇に「般若窟」への急峻な石段があるが、落石の危険があるとのことで通行禁止....石段下の遥拝所で合掌。 遥拝所から多宝塔に向かう。
山腹に建つ朱塗りの多宝塔は約60年前に建立されたものだが、和様建築様式でなかなか趣がある。 多宝塔から杉木立の中に、厳かな空気に包まれた奥之院への参道が続いている。
ひんやりとした空気が漂い、風情のある石畳の参道の両側には地蔵尊や不動明王などの石仏がズラリと並び、奥之院参詣者を迎えている。 石畳の参道の途中にある弘法大師を祀った大師堂で参拝....苔生した不動三尊像などの石仏に見守られて奥之院に着く。
 
線香場近くの上の境内への西門は切妻造本瓦葺..大棟両端に鯱が乗り、大棟と隅降棟の先端に鬼瓦

西門をくぐって直ぐ上の石段参道に建つ文殊堂..昭和五十三年(1978)建立
 
露盤火焔宝珠を乗せた宝形造銅板葺の文殊堂..唐破風の向拝/文殊堂からの石段を上り詰めると左に常楽殿、正面奥は観音堂

寄棟造桟瓦葺の常楽殿

露盤火焔宝珠を乗せた宝形造本瓦葺の観音堂..前身の建物は天和四年(1684)建立..本尊虚空蔵菩薩などを祀る
  
伽藍の背後にそそり立つ大岩壁の「般若窟」..役小角が般若経を納めて修行、また空海も修行した/「般若窟」に鎮座する挙身光(古舟形光)を背負う弥勒菩薩坐像..天和元年(1681)造立で院達作とされる/荒神井天柱の社
 
入母屋造銅板葺の拝所,,右手に「般若窟」への険しい道がある/遥拝所から「般若窟」への石段..落石の危険があるため一般の立ち入りが禁止されている
 
切妻造銅板葺で鳥枢沙摩明王を祀る社/鳥枢沙摩明王像..鳥枢沙摩明王は不動明王を中心にした五大明王の一尊..不浄を清める功徳を持つ
 
鳥枢沙摩明王を祀る社の手前左に水神が鎮座/「水神」の額が掲げられた明神鳥居と水神の祠
  
遥拝所境内に鎮座する「水神」と石仏・石搭               「福徳大神」の石碑

本瓦葺の多宝塔..昭和三十二年(1957)建立..堂内本尊は愛染明王像
 
板唐戸、連子窓、中備に蟇股は和様建築様式/周囲に擬宝珠高欄の切目縁を巡らす
 
多宝塔から奥之院への石段と石畳の坂道が杉木立の中に続く..左右に整然と鎮座する地蔵尊や不動明王などの石仏群(推定300体以上とか)

石畳の参道の途中に鎮座する五所明神

五社明神..いずれも中興草創のみぎり湛海律師を助けた寺の地神
 
露盤宝珠を乗せた宝形造本瓦葺の大師堂..昭和四十二年(1967)建立/大師堂境内の入口右手に鎮座する弘法大師像

杉の樹林の中に鎮座する大師堂
 
奥之院への木立の中の石段参道脇に鎮座する不動三尊像/羂索と宝剣を持つ火焔光背の不動明王像
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