【奈良・生駒市】天平十八年(746)の聖武天皇(第45代)の勅願による長弓寺創建にあたって、長弓寺の鎮守社として牛頭天王宮が建立され、牛頭天王を大宮に、八王子を若宮に祀ったされる。
平安時代に編纂された「延喜式」の神名帳にある「伊射奈岐神社(大和国・添下郡)」に比定される式内社で、長弓寺境内にあって、江戸時代まで寺僧の第一臈が神職を務め、神仏混交の信仰が行われていた。 明治初期の神仏分離による廃仏毀釈運動の折に神号を「伊弉諾神社」に改称した。 主祭神は伊弉諾尊、素盞嗚尊そして大国主命の3柱。
長弓寺本堂前の参道脇に少し湾曲した7枚の石板を横に並べた小さな反橋があり、傍に大きな石燈籠そして植栽脇に小さな社号標石が立つ。
境内に新しく建てられたとみられる神楽殿があり、その奥の一段高いところに、樹林に埋もれるように社殿が鎮座している。 社殿は割拝殿(と思う)と本殿からなり、割拝殿は左右翼廊と中門の構造で、割拝殿の中ほどまで設けられた石段の上で参拝する造りになっている。
古びた石造りの明神鳥居と玉垣の結界の奥に鎮座する本殿は春日造一間社....装飾のない簡素な造りだが、それがかえって悠久の時の流れを感じさせる。
長弓寺境内の参道の東側に鎮座....入り口に小さな社号標石、竿に「牛頭天王宮」の刻がある石燈篭は文化八年(1811)の造立
社殿前に切妻造桟瓦葺で一間四方の新しい神楽殿(舞殿)が建つ
舞殿越しに眺めた社殿....割拝殿の奥に千木と堅魚木を乗せた本殿が鎮座
右翼廊と中門の造りの割拝殿(と思う)で、中門中央まで階段を設けている
明神鳥居を構えた奥に建つ本殿....擬宝珠高欄を巡らし、正面一間は格子戸
鳥居と玉垣の結界があり、玉垣の前に本殿を守護する獅子の狛犬
玉垣の前に鎮座する阿形吽形の獅子の狛犬
本殿は銅板葺の春日造一間社....向拝柱は面取りした角柱、柱上に連三斗、虹梁上に脚間に彫刻を入れた蟇股が乗る....向拝下に浜床
左奥の本殿の大棟に外削ぎの千木と2本の堅魚木が乗り、拝には猪の目縣魚、妻飾は板の小壁、割拝殿の拝には蕪懸魚で妻飾は狐格子
境内社...右が外削ぎ千木を乗せた平入の熊野神社・素盞鳴神社(相殿)、左が外削ぎ千木を乗せた妻入の巌嶋神社
境内の南側に建つ切妻造桟瓦葺の御饌殿(と思う)
横長の自然石で造立された手水鉢と竹竿の水口....簡素な覆屋に奉納された紅白の手拭きが掛けられている
境内の北側に建つ入母屋造桟瓦葺の社務所
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