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【奈良・奈良市】奈良・平城京に遷都された頃、藤原氏繁栄の基礎をつくった公卿・藤原不比等が、氏神として鹿島神社から武甕槌命を春日の御蓋山に遷して祀り春日神と称したのに始まる。 社伝では、奈良時代の神護景雲二年(768)、公卿・藤原永手が称徳天皇(第48代)の勅命で御蓋山の中腹に四殿の社殿を造営し、武甕槌命に加え、香取神宮から経津主命および枚岡神社から天児屋根命・比売神を勧請して祀ったのを創祀としている。
春日大社は藤原氏の隆盛とともにも栄え、平安時代初期には官祭が行われた。 平安時代の延長五年(927)に成立した『延喜式』の九巻・十巻の「神名式」(延喜式神名帳)には、「大和国添上郡 春日祭神四座」と記載され、名神大社に列せられた。 祭神は武甕槌命、経津主命、天児屋根命、比売神の四柱。
若草山から春日大社に向かうと、境内の入り口近くに参詣者を出迎えるかのように2頭のシカが....。 聖流水谷川に架かる朱塗りの水谷橋を渡り、鬱蒼とした樹林に覆われた春日大社の境内に入る。
直ぐ左手に水谷神社が鎮座し、境内に聳え立つ太い巨樹が瑞垣から参道に迫り出している。 この巨樹は幹が空洞になっていて、その中にスギが立っていることから「水谷神社の寄生木」と呼ばれているそうだ。 水谷神社から緩やかな参道を上って行くと、両側に苔生した石燈籠が整然と立ち並んでいる。 暫らく進むと平安時代創建の一言主神社と総宮神社が鎮座....一つの願い事を真心こめて祈願すると叶えてくれるという一言主神社には6~7人の参拝者が....。
更に進むと参道の奥に、西廻廊に設けられた檜皮葺の内侍門が見えてくる。 内侍門前の参道左手に第5代将軍徳川綱吉の母「桂昌院」が寄進した桂昌殿、右手には春日祭に神前にお供えする神酒を醸造する酒殿がそれぞれ建つ。 平安時代の創建とされる重厚な佇まいの酒殿は、檜皮葺屋根に楼閣風の煙出しを乗せていて趣がある。 酒殿と並んで檜皮葺の竈殿が建つ。 酒殿と同時期の創建の竈殿は、春日祭に神饌を調理する処で、酒殿とともに重要な役割を果たしている。 それにしても、竈殿の檜皮葺が一面に苔生していて印象的だった。
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△春日大社の境内入り口で、2頭のシカが餌をくれる参詣者を待っている?
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△聖流水谷川に架かる朱塗りの擬宝珠欄干を設けた水谷橋.....春日大社の廻廊内侍門に続く参道の入り口
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△参道を入って直ぐ左手に鎮座する水谷神社....瑞垣から大きく迫り出すイブキの巨樹は「水谷神社の寄生木」と呼ばれ、樹高12.5m、幹周6.55mで、幹が空洞になっていて中からスギが立っている
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△春日鳥居を構え瑞垣に囲まれた水谷神社は、春日大社の摂社の一つ
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△流造檜皮葺の水谷神社....祀る祭神は素盞鳴命・大巳貴命・奇稲田姫の三柱
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△瓦製の大棟、拝に猪ノ目懸魚、妻飾は豕扠首
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△内侍門に続く両側に石燈籠が建ち並ぶ参道....春日大社は燈籠の数が日本一多い神社で、参道脇等に立ち並ぶら石燈籠は約2000基とされる/石燈籠は平安時代末期から今日まで様々な願いを込めて寄進されたもの
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△流造檜皮葺の一言主神社(境内末社)....平安時代初期に興福寺境内に創建され、明治時代にこの地に移転(廃仏毀釈の影響)....祭神・一言主大神を祀る
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△流造杮葺の総宮神社(境内末社)....平安時代初期に興福寺境内に創建され、明治時代にこの地に移転(廃仏毀釈の影響か)....天照大神・八幡大神・春日大神など九柱を祀る
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△流造銅板葺で妻入の御祈祷所....大棟端に獅子口、拝に梅鉢懸魚、妻飾は豕扠首
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△内侍門前の参道....正面は廻廊に設けられた内侍門、左は桂昌殿、石燈籠群の右は酒殿
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△桂昌殿の左手(西側)に建つ築地塀を構えた門....瓦製の大棟端に獅子口、拝に梅鉢懸魚、妻飾は豕扠首/入母屋造檜皮葺の四脚門....17世紀前半頃の建立(興福寺境内?)とされる....何かの入口ではなく単独で建つ
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△入母屋造杮葺の桂昌殿....江戸時代元禄十二年(1699)の創建....将軍徳川綱吉の母「桂昌院」による寄進....本来は祈祷殿で天下泰平を祈願する処
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△軒廻りは二軒疎垂木、組物は舟肘木、長押の上は全て小壁....瓦製の大棟端に獅子口、拝に三ツ花懸魚、妻飾は狐格子
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△正面五間で中央間に板扉、脇間は全て舞良戸....周囲に組高欄付切目縁を巡らす
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△切妻造檜皮葺の酒殿(重文)....平安時代貞観元年(859)の創建(伝)....ご祭神として酒弥豆彦神と酒弥豆売神が祀られている
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△春日祭にお供えする神酒を醸造する酒造場で、内部に大甕があり現在も酒造業者に委託して日本酒を醸造している
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△棟端に獅子口、一軒疎垂木で組物は舟肘木、拝に梅鉢懸魚、妻飾は豕扠首/瓦製の大棟の屋根に楼閣のような本瓦葺の煙出しがある
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△重厚な佇まいの酒殿
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△西廻廊にある内侍門....中の正面の建物は御神宝を納める板倉の宝殿
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△切妻造檜皮葺の竈殿(重文)....平安時代貞観元年(859)の創建....竈を守る祭神として「食」に関わる神様・興津彦神と興津姫神を祀っている
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△苔生した屋根に瓦製の大棟、棟端に獅子口、一軒疎垂木で組物は舟肘木、拝に梅鉢懸魚、妻飾は豕扠首/正面五間側面二間で、三方に板扉、側面と後方に小さな連子窓がある白壁
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△竈殿の中に竈が設けられていて春日祭の神饌を調理する
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